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【第六章】†ep.1 放っておけない†

校正チェックしてませんが…すみません。

 レティシア達が次に目指すのは、精霊の森のある世界地図の中心部にあるセルク大陸――というより、島であった。

 例により、ドーラの港街へ時空を移動してやって来たのだが、リアジュはそろそろ城に戻らねばならないと言って送り届けた。

 リアジュは別れ際に言った。

『楽しかった』と――。

 やけににやにやしながら言ったので、何となく想像が出来た。

 ミグとルクチェとミュイエは、リュシファーとレティシアの後ろに続く。

 レティシアの肩に乗ったエミュ~はきょろきょろと辺りを見回している。

 シーシェルの屋敷の前に着いた時、シーシェルの父ロッドが上から『おおおおおっ』と声をかけてかなり高さがあったというのに、窓から飛び降りてきた。

だん、と見事に地に着地したロッドは、レティシアを抱きしめてぽんぽんと背中を痛いほど叩いて歓迎の言葉を述べた。勿論その後は大笑いである。

「――するってぇと、セルク島まで連れて行って欲しいってことか…」

 深いため息を吐いたロッドは、そのセルク島は厄介だと深刻な表情へ変えた。

「――セルク島はロンダルト海域側だ。その海域を通る航海は今や全港が休止しているのは、知っているだろう?」

 そうだった。物凄い嵐が未だに時折発生して、誤って向かった漁船を飲み込んでいるとロッドは言った。またそれは嵐だけじゃなく、何かがあるのかもしれないとも言った。

 レティシアはそれでも頼み込んでみたが、ロッドは首を横に振った。

「…すまないなぁ。危険とわかっている航海に出ることは出来ないんだ。一艘くらい船を貸してやることは出来るが、やめておいた方がいい――」

「――でも、行かなくちゃならな――ッ……。――あ…いや、すまない。邪魔をした……」

 レティシアは事情も説明できないのにこれ以上頼んでも仕方がないと思い、屋敷を後にした。

 頭を悩ませる5人は、カフェに入った。

 リュシファーが煙草に火をつけて煙をふぅーっと吐く。

「――どうしたものかなぁ~。確かに原因不明の嵐に度々見舞われているならば、向かって巻き込まれでもしたら厄介だからなぁ…」

「でも、困ったわねぇ……」

「うーん。じゃ、船借りちゃえば?」

 ミグが簡単に言ったが、レティシアはため息を吐いた。

「――はぁ、舵取れるのかぁ? 船の操縦が出来る者がいないと無理だろう」

「そ、そだな…ははは」

 そう言ってうな垂れて机に伏せた時だった。

「――あれ? 船長に前にがっはっはっはって笑う人と言った子じゃないかっ」

という声が聞こえて、レティシアは顔をあげた。

 見れば以前、港でロッドを呼んで来てくれる様に頼んだ船員の一人だった。

 にっこりと微笑んで、船長ならあれから舵を見習いをしていた船員に度々任せて、屋敷にいると思うと教えてくれたが、首を横に振った。

「あはは…もう会って来た。でも、駄目だった……」

 首を傾げて微笑んだ船員はテーブルに肘をついてしゃがみ込んで言った。

「ははは、どうしたんだ。また頼みごとでもしに行ったのかい?」

 レティシアは冷めた目で船員を見ると、まぁ座れと席を少し詰めて空けて船員を座らせた。

 事情を聞くなり、やはり深刻は表情を浮かべて船員は首を横に振った。

「ん~さすがにロンダルト海域はなぁ……。そうそう、あの嵐なんだがその時の生き残りの奴が『女を見た』って言って、少し前に話題になっていたよ。何か嘘みたいな話だが、恐ろしい笑みを浮かべて水の中で宙に浮いて静止しているみたいに立ち止まって嵐に揉まれる人々を助ける様子もなくただずっとそこにいたと、嘘か本当かわからないがね」

「!」

 女――?

 まさか――。

「そ、それはどんな女だったんだ?」

 レティシアはテーブルに身を乗り出して聞いたが、船員は圧倒されながら言った。

「い、いや…髪は二つに結んでいたらしいが、よくは知らない…。まぁ、人魚じゃないかという噂もあるがとにかく、時々まだ嵐を起こして海に渦を作って船を飲み込んでいるという話だから、さすがに船長も海の男たるもの、危険な時は航海に出ないのが鉄則だと常々言っているから、難しいんじゃないかなぁ」

「そ、そうか………ありがとう、興味深い話だった」

 船員にお礼を言って、船員は少し微笑んで去って行った。

「――水の中で恐ろしい笑みを浮かべた女…」

 ミュイエが言った一言に、おそらく誰もが予想をつけていただろう。

 深刻な表情で互いに顔を見合わせて誰からともなく言った。

「魔の者……」

「えぇ」

「――間違いないだろうな…」

 レティシアは頷いて言った。

「だったら尚更行かねばならぬな」

 レティシアは席を立ち、5人はロッドの屋敷の前へと再び訪れた。

 リュシファーがドアをノックする。

 しかし、返事はない――。

 どうやら留守のようだ。

 レティシアはため息を吐いて出直すことにしようと言って、宿へと足を運んだ。

 宿は満室だったこの間と違い、簡単にとれた。

 部屋に入るなり、レティシアはバルコニーへと出た。

 海の匂いのするこの町の空気は、少し肌がべとつくようだが風が穏やかで心地いい。

 日差しは雲に隠れ、少し影をおとしていた。

 航海に出れなければ、魔の者を倒すどころか、精霊の森にさえ向かえない――。

 駄目元でロッドに頼み込むつもりだったがロッドは外出している様子だった。

 明日、もう一度…いや、今夜もう一度――頼み込むことくらいしか今は出来ない。

 ため息を吐くレティシアに、薄紅色の飲み物が入ったコップが差し出された。


「ほら。のど渇いただろう」


 赤の実のジュース――。

 微笑んで頷いて礼を言ったレティシアは、リュシファーに呆れた様に微笑んだ。

「知っていたのか? これが好きだと」

「…いや、いつもマリアさんに頼んでいたなと思っただけだ」

 少し照れくさそうにリュシファーは視線を逸らした。

 それでも、気にかけてくれたことは嬉しかった…気がする。

「参ったなぁ~シーシェルの父上、任せろっ、がっはっはっはって…言ってくれるかと思ったんだけどなぁ~」

 困った表情でレティシアは格子に捕まって飛び上がったかと思うと、そこに外を向いて座った。リュシファーもため息を吐いて腰かけると、しばらくそうしていた。

 心に一物の不安はあるものの、隣に座るリュシファーとただ眺める景色に、レティシアは心が穏やかであった。


「――リュシファー、お前さ…封環外した?」


「気付いてたか…」

「そりゃわかる。昔の私ならすごい力だと怖れていたかもしれないが、今は別に…まぁまぁだなーとしか思わないが、なんか違うなと今朝から気になっていた」

「はは、そりゃどうも。さすがに精霊様にはかなわぬだろう…いつの間にやら俺より高い魔力に目覚めたなぁ~。でもまぁ、このくらいしておかないと――これから先、お前を守ってやれないからな……」

 レティシアは何も言わずに、そっとリュシファーを見た。

 どちらからともなく触れる唇に、目を閉じていた時だった。


「あ」


 その声にレティシアはばっと後ろを振り返ったそこには、ミグがぎこちない笑みを作り、悪い悪いと謝っていた。

 レティシアは慌てていや、これはだから、その、なんていうか、としどろもどろにミグに弁解をした。

「ははは、いや何も弁解することないない。別に邪魔したのはこっちだ、悪い悪い」

と面白いものを見たと言わんばかりに楽しそうな笑みを浮かべている。

 レティシアはひょいっと格子から降りると、風呂に入ると言ってその場をそそくさと去った。


 風呂はルクチェが入った後らしく、湯気が発ち込めていた。

「――はぁ……」

 レティシアはもうすっかり髪も体も自分で洗える様になっていた。

 全て洗い終わり、湯船に浸かってため息を吐いていた。

 腕の上に顔を乗せ、恥ずかしい様な、苛々する様な、嬉しいような…複雑な気持ちになっていた。


 ――これからお前を守ってやれないと思ってな…


 リュシファーの言葉に、レティシアはふふっと微笑んで呟いた。


「……ありがと――……」



 レティシアは風呂に上がるなり、がっはっはっはという聞き覚えのある笑い声に、急いでバスタオルを巻いたまま走った。

「! シ、シーシェルの父上ッッ!?」

とレティシアは驚いてそこにいた人物に声をかけた。

 しかし、皆驚いた様にレティシアを見ている。

「――服くらいちゃんと着て来い…」

 ミグが呆れた様に言った。

 バスタオルは巻いてきたと思ったら、途中で落ちてレティシアは裸であった。

「いや、そんなのどうでもいいがシーシェルの父上何故ここにっ」

と全く構わない様子のレティシアに、ルクチェが見かねてせめてバスタオルを巻く。

「ははは、相変わらず元気がいいなぁ。レティシアは。いやぁ、考えてもみたんだが、やっぱり心が力を貸してやれって言うみたいに、どうも連れてってやりたくなってしょうがないんだ。俺にもよくわからんがなぁ…とにかく、明日朝またブラックウイングロッド号の前に来い。それを言うために、俺は宿を駆けずり回って探したんだぜぇ? ははははは」

 ロッドのその言葉にレティシアは歓喜してロッドに思わず抱きついていた。

「わっはっ、ありがとーーシーシェルのお父上ッッ」

 ロッドはさすがにバスタオル一枚のレティシアに抱きつかれ、少し照れている様子でぎこちなく微笑んだ。

「――ははは、まぁそれはともかくとして服位ちゃんと着ろ。風邪引いて航海に行けなくても知らんぞ」

と冗談を言うと、じゃあなと言って部屋を出て行った。

 ぎこちなく微笑んだルクチェとミュイエが立ち上がってジャンプして手を合わせた。

「やったーーーーっ」

 レティシアとミグもジャンプして同じ様に歓喜する中、リュシファーは穏やかに微笑んで頷いていた。

「何はともあれ、これでセルク島へ向かえるな。あと――おそらく水の魔の者も…」

 その重々しい発言に、四人も重々しく頷いた。


 明朝、レティシア達は港へと足を運んでいた。

 空はやや鉛色の雲が遠くに見え、曇りであるが心配するほどの天候ではなさそうである。

 ブラックウィングロッド号に会うのもこれで二回目である。

「おはようございます。お久しぶりですね」

とシーシェルが見送りに来ていた。

「シーシェル~。久しぶり~っっ」

「気を――つけてくださいね」

 元気に言ったレティシアと反対にシーシェルは心配そうにレティシアを見つめていた。

 レティシアは少し俯くシーシェルに向けて静かに微笑んだ。

「大丈夫…。心配するな――きっと無事で帰ってくる…。私には皆もいるし、シーシェルの父上も海の男だ。簡単には死なない。がっはっはっはーって言って、無事に戻るからっ」

 レティシアのその言葉は妙にシーシェルにとって説得力があり、シーシェルは顔を上げて「はいっ」と微笑んだ。


 ブラックウィングロッド号が出港し、ドーラの港のシーシェルの姿が小さくなって見えなくなるまでレティシアは手を振っていた。

「――きっと、無事で帰ってみせるから……」

 そう呟いて少し服の袖で目を擦ったレティシアは、甲板から下に降りた。

 レティシアとリュシファー、ミグとミュイエ、はそれぞれ同じ部屋。

 ルクチェとエミュ~も同じ部屋だった。

 セルク島へ行くまでは、ウェルクス海域を通り、途中でロンダルト海域へと入る。

 その頃まで一日はかかるとのことだった。

「少し昨日興奮しすぎて眠れなかったから休むかなぁ~」

 レティシアは布団に入り、目を閉じた。

 ふっと微笑んでリュシファーは黒縁の眼鏡をかけて読書にふける。

「――何の本読んでるんだ?」

 レティシアは言った。

「――ルーザスの思想論の本、高等魔術師ルーザスの思想本だ。久しぶりに封環を解いたからなぁ、少し読みたくなってなぁ」

「…ふぅん。例えばなんて書いてあるの?」

「――寝るんじゃなかったのか? 仕方ない…力に奢れるな、力に学べ。だとか…力を持つ者の心構えだとか書いてあるんだ。自分の力に奢れては成長を止め、恥じなければならない者も多いだとか色々な思想が書かれているんだ」

「そうか。ありがとう…。――眠くなった」

 そう言うとレティシアに向けてリュシファーはやれやれとため息を吐いていた。

 レティシアはそのまま目を睡眠へと入っていったのであった。


 ――どのくらい時間がたったのだろう。

 外は暗く、部屋の明かりも点いていない。

「暗いの…怖い……ぁぅ…」

 レティシアはベッドで目を開けてゆっくり起き上がると、恐る恐るドアの外へと向かった。

 レティシアは真っ暗なところが苦手であった。

 廊下に灯る明かりのお陰で安堵してため息を吐くと、隣のルクチェの部屋をノックした。

 返事はない――。

 じゃあその隣のミグとミュイエの部屋を――と思ったらここも返事がない。

 首を傾げながらレティシアは甲板へと上がった。

「おーレティ! やっと起きたかぁ~。飯だ飯~。船の上で食べる飯もなかなかいいぞ」

とミグが言った。

 甲板の上でテーブルを広げて、皆が凄い量のご飯を食べている。

 どうやら食事に誘ったのだがちっとも起きなかった私を残して先に皆集まっていた様だ。

 レティシアも席についてロッドが作った『海の男のおしゃれ豪快ディナー』という、どこがお洒落なのかが理解不能なとにかく豪快さだけは目立った食事を食べる。

 気付かなかったが、カフェで話しかけてくれた船員もそこにいた。

「あっ、お前も一緒に来てくれたのか?」

「ははは、今頃気付いたの? ひどいなぁ~。せっかく船長に頼んであげたのに」

と船員は言った。

 怪訝そうな顔で理由を尋ねると、船員は微笑んで言った。

「真剣な顔してたし、何か放っておけなくてね。船長のところに行こうと思ったら船長は船を整備してるし、どうしたのか尋ねたらどうもよくわからないが行かなければならない気がするって言ってね。これはいけると思って、俺も頼んであげたのさ。俺も宿を聞いて回ったんだぞ?」

「そうそう、なーんかお前は放っておけない気がするんだ。無鉄砲というか、危なっかしいのもあるんだが、真剣に何かに挑もうとする女にしちゃ珍しいくらいの鋭い目を時々する。どうもこれは協力してやらねばならんなぁって気にさせるのさ、がっはっはっはっはっ」

 船員とロッドが口々に言う一言に、リュシファーはぷっと微笑んだ。

 それに釣られてルクチェ達も笑い出した。

「――皆そうなのね。放っておけないなぁって私も思ってた」

「み、皆まで…もぉ、何か子供扱いされてるみたいじゃないかっ」

 そう言ってレティシアはぷいっと甲板の先頭に立った。

 皆はレティシアのことを誰もが同じ様に思っていた。

 強がってはいるが、一生懸命というかなんというか放っておけなくて手助けしてあげたくなる。

 レティシアは皆がそう思っているなどと、全く気付いてもいなかったのだ。

 とはいえ、子供扱いとそれは言う――と不満であった。

 暗く闇の様に黒い海の上を、波の音を静かに奏で進む船。

 今は穏やかなウェルクス海域にいるが、明日はロンダルト海域に入る。

 少し潮の匂いを含んだ風が吹き、緑石色の髪を静かに揺らしたのでレティシアは髪をかきあげる。

 そして不機嫌そうにため息をひとつ吐くと、騒がしい後ろの皆の声を背にしたまま、レティシアは心落ち着くまでしばらく海を眺めていたのだった。


 明朝――。

 甲板へと朝早くから出ていたレティシアは、ロッドからここからロンダルト海域だと教えられた。

 天候が悪く、海は少しずつ荒れ出している。

 レティシアは船の先端で目を閉じて精神を集中させた――。

 船が淡い金色の光に包まれていく。

 ふぅ…と息を吐くとレティシアは視線を前に鋭く向けて言った。

「シーシェルの父上、光の防壁を張ったから水面に触れているようでこの船は触れていない。だから嵐が来ても大丈夫だから、心配しなくていい」

「え!? な…えと、あ…え?」

 ロッドはイマイチ理解が出来ていない様だったが、レティシアは水面に意識を集中させていた。

 どのくらい時間がたっただろう。

 海は荒れに荒れている。しかし船はちっとも揺れずに進んでいた。

 ロッドは不可思議なと最初は困惑していた様子だったが次第に落ち着いていた。

 その時だった――。


 来る――!!


「ミュイエ! 船員やシーシェルの父上を船の中へ!」

 レティシアのその叫びに、ミュイエは事情はともかく言う通りに中へと船員達を非難させた。


 ザッと目の前の水面から水しぶきをあげて飛び上がってきたその姿は、水色がかった銀色の髪を二つに結わえた女だった――。

 その背には白い飛竜の様な翼が生えている。

 水面から水を巻き上げて自分の周りに纏わせた女は、くくっと微笑んだ。

「あら…船が全然びくともしないから様子を来てみれば、緑石色の髪…あなたが不穏因子のお嬢ちゃんなのねぇ……これはこれは、我が陣地に自ら入ってきてくれるなんて好都合。もっとも、そのうち現れると思っていたケド…」

 相変わらず魔の者って奴は見下した様に物を言う――。

 本当気に入らぬっ…。

 きっと睨みつけてレティシアは上昇した――。宙で睨みつけてレティシアはため息を吐いた。

「水の魔の者はお前か」

「あら…知っているの。話しが早い。でも、これを言わせてくれなきゃ、何のために登場したかわからないわ――大魔王ザロクサス様の配下――殺戮の四天王、海に現る水龍の息、渦巻くその中に人は死す…水魔のブルガローズとはわたくしのこと……さて、やっと言えたところで、覚悟しなさい? ふふふっ、あっはっはっはっはっ…!」

 ――あぁもう、いちいちキャッチフレーズとか別にどうでもいいのに…。

 面倒くさい。一気に片付けるか……。

 レティシアはその高々な笑い声がおさまる前に炎の力をその身に集め、人差し指をちょいっと突き出した。

 はっきり言ってやる気なしである。

 途端に炎上するブルガローズの様子に、ルクチェは驚愕していた。

 攻撃も全く放てないまま、ブルガローズは黒い灰となりかけている。

「なッ………ッお、お前ッ…――ま……さか…、セイ……レ…ッッぐぅッ…!」

 レティシアはふっと呆れた様に微笑むと、ゆっくりと灰になっていくそのブルガローズの身の側で言った。

「――舐めてるから痛い目に遭う……」

 冷淡な目を浮かべて黒い灰から現れた魔鏡を受け取るために手を差し出した。

 ぽとっと落ちてきた黒い魔鏡をその手に握り締めてレティシアは呟いた。


「あと2つ――」


つづく。

さぁて、エピソード1がやっとUPできました。

少し余裕がみられるレティシアでしたが、これからどうなるのでしょう。

読んでくださる方ありがとうございます。

ではでは。次をお楽しみにっ

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