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【序章】プロローグ

はじめまして。突然小説を書いてみたくなって書き始めました。未熟かとは思いますが、少しずつUPしていきたいと思います。温かく見守ってくれる方や感想アドバイス等何か気軽にメッセージ頂けると幸いです。どうぞよろしくお願いします。では。      BY 月葉(つきのは)りんご

挿絵(By みてみん)

 それは――。


 突如、自分の元へ舞い降りてきた。

 驚く間もなく……ほんの一瞬の出来事だった。


 ――記憶に焼きついているのは


 視界をほぼ覆うかの様に

 宙を舞うが如く揺れ動く……

 澄んだ翡翠の様な緑石(りょくせき)色に輝く何か。


 一瞬耳を霞めた気がした

 思わず漏れてしまったが

 息をしただけでもあるかの様な……

 小さくか細いが、とても澄んだ声。


 ――とっさに腕を伸ばした瞬間


 まだ朝靄の漂う薄暗い中……

 朝露の水の雫をその花びらに纏い

 きらきらと時折輝いて凛として美しく咲き誇る

 真紅の薔薇の庭園に足を踏み入れた様な

 煌びやかな幻影が広がった気がする――。


 絶大な存在感に目を奪われるが如く

 体が動かせなくなり……

 優雅な憂いの果てにある妖艶さをも感じさせる

 甘美な香りに心をも奪い取られるが如く

 意識が遠のいていく様な……

 それは不思議な感覚だった――。


 その美しい花の風貌からは忘れてしまいそうで

 触れてから気づく事もある

 優雅に咲き開いた花びらの部分以外に

 細やかにその身に纏わせる様に

 無数に存在する……


 ――“棘”――。


 見る者を魅了しては

 自分に触れる者全てを傷つける

 それは――……


“決して、簡単に触れる事を許す者などいない”と――。

 そう はっきりと拒絶されている様であるが故

 女王に君臨する者の高貴さをも感じさせる…

 ――誇り高き真紅の花。


 口にはせずに ただ……

 静かにその身をもって表わし

 拒絶の意志を揺るがす事はないのだろう――――。


 ――隼の如く飛び込んで来たとはいえ

 自分の腕で受け止めたそれにも、

 無数の“棘”が存在していようとは……

 その時、一体、誰が想像出来たであろうか――。


 そこに漂わせた人々を魅了するその高貴な香りからは

 想像も出来ない強い衝撃――――。


 ……それは“棘”の代わりなのだろうか。


 その拒絶の前に成す術もなく

 後ろに倒れ行く

 たった一瞬という短い時間(とき)の流れの中…

 そのまま床に身が打ちつけられんとしている

 と――そう確信していた時も

 花は……ただ静かに……

 より一層強く――。

 その誇り高き高貴さを示すべく

 辺りに香りを漂よわせていた――。


 ルーセスト大陸の南東に位置する

 エンブレミア王国、マールシェスタ城。

 東棟2階階段前廊下にて――。


 階段と廊下が合流するこの場所に

 城の中を見て回っていて

 偶然通りがかっただけの

 ――とある男。


 大急ぎで階段を駆けおりて来て

 不意に足を踏みはずしてしまって

 廊下へ落ちていってしまうと

 覚悟までしていたという 

 窮地に立たされていた

 ――とある少女。





 ――――かくして 全ての物語は


      この偶然の出来事がきっかけで


              始まったのだった…………。







                                             

【第一章】 強敵現わる――!? ††††††††††††

†††††††††††Episode0 へ……

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