ニュースを見ては、、。
ある日家でニュースを見ていた。
どこかで殺人事件があったらしい、、、。
まだ犯人は捕まっていないと。
僕の頭の中に不安がよぎった。
犯人が逃げているかもしれないから?近くだったら危険かも?
いやいや、そうではないのだ。でも次の続報を聞いてホッと安堵した。
記者が言うには、昨日の夜8時に埼玉県で事件があったらしい。
現場付近から逃げる白いワゴンを見たとの情報があったらしい。
僕は東京に住んでいて、昨日の夜8時は会社の同僚と飲みに行っていたのだ。
あぁ。良かった。飲みに行っていてアリバイがあって不安にならずに済んだ。
そう、何でもかんでもニュースを見たらまず自分を疑ってしまうのだ。
なぜだかその癖がいつからかついてしまっていた。
そうだ。たぶんあの怖くて長い夢のせいだろう。。。
夢の中では殺したくないのに間違いで殺してしまった?とでも言うくらい懺悔をし、後悔しているのだ。
ある日の朝僕は歯を磨いている時に自分の歯が少しだけ欠けているのに気がついた。
昨日見た時は欠けていなかったのにどうして?
そして腕をみると引っ掻いたような傷が何箇所かできていたのだ。
「何だよこれ。。。」
僕は急に不安になった。
その時テレビから流れてくるニュースが耳に入ってきた。
「今日未明に東京の〇〇で女性の変死体が発見されました。女性には噛まれた後があると言うことです。野生の動物に襲われた可能性と事件の両面で調査中とのことです。」
噛まれた??野生の動物??事件?
未明だったら僕は夢で寝ているし、自分じゃないとの確証が持てない。
一人暮らしだしアリバイもない!!どうすれば。
でもまだ僕と言う確証はないし、全く記憶もないのだ。
でも東京の〇〇は近所だから行けない距離ではないのだ。
僕は実は夢遊病を患っている。幼いころからだが大体は大人になったら無くなるらしい。
でも僕はたぶん、治ってないのだろう。
きっと今までの夢は全部自分がやったことなのかもしれない。
公になっていないだけで、きっと僕はやっているんだろう。
あぁ。この腕の傷はきっと被害者の女性が抵抗した時についたものに違いない。
もう後戻りはできない。
それが僕の願いなら欲望のままに生きよう。
夢が本当ならもう2年近くは事件が公になることがなく捕まっていない状態なのだ。
ただならぬ自信がみなぎり僕は夜の街へ勢いよく飛び出した。
「続報です。今朝起きた未明の事件ですが、野生の動物によるものだと言うことです。」
もう少しニュースが早く流れていれば、、。