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ep.10

いそいでキッチンの方へ向かうと、そこにはキッチン長のリックがいた。リックはどうやらかなり前からこの屋敷で調理師として雇われているらしく、ここの料理長を勤めている。


「ごきげんよう、リック」

「ああ、アリシアお嬢様。どうなさいましたか?」

「実は、ギルちゃまにクッキーを上げたいなーーって思いまちて」

「ギルお坊ちゃまにですか!?それなら、私が用意しましょう」

「ううん、自分で作りたいの!だめ?」


そうして私は自分の必殺うるうるおめめでリックを見上げた。これでいいって言ってくれるはず!そう思いながらリックを見つめていると、


「ですがお嬢様、お嬢様が料理をしなさるのはいささか危ないかと」


なかなか認めてくれないな、そうなればこっちも最終手段だ!私はうるうるおめめに加えて頭を横にこてんっと倒してリックを見上げた。すると、


「うう、わかりました、お嬢様、今回だけですよ」


そういって、リックは折れてくれた。


それからリックに材料のグラムを測ってもらい、リックと一緒にクッキー生地を捏ねた。ちなみに、どうしてギル様にあげるお菓子をクッキーにしたかというと、ギル様は原作では確かクッキー、それもマーマレードジャムが入ったものが特に大好きだったのだ。だから、妹はギル様の誕生祭をするときにわざわざケーキと、自分でマーマレードジャムクッキーを焼いていた。私はそのマーマレードジャムクッキーを妹からお裾分けでもらったことがあるから、ギル様が好きだということは覚えてたんだ。こんなところでこの知識が役に立つなんてラッキー!やっぱり、お菓子作りはいつしても楽しいなー、ギル様は喜んでくれるかな、料理は気持ちだって言うし、ギル様が喜んでくれますように。そう気持ちを込めながら作業を行なっていると、いつのまにかクッキーを捏ね終わり、クッキーの型抜きまで終わっていた。


「あとは焼くだけだ!」


ただ、まだ私は五歳、クッキーを作りたいと言ってもそんなにさせてはもらえず、させてくれたのはこの捏ねる過程と型抜きの過程だけだった。だから、この先のクッキーを焼くという工程はリックにしてもらい、ついにギル様にあげるクッキーが完成した。


「よち!今からギルしゃまのお部屋に突撃だああ」


そう意気込み、私はクッキーを片手にギル様の部屋に駆け出した。

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