ep.1
ふと、目を開けるとそこには知らない天井があった。ベースの色は白い、だけど、いつも見ている真っ白な天井とは違って、ところどころ金色の装飾がなされており、いかにも高そうな天井であった。
「おおあおおお」
(どこなのここ?)
言葉を発してみたが思い通りに発音することができない、なぜだ。昨日は自室のベットの上でちゃんと寝たはずだ。それとも、記憶がないだけで、お酒を飲んで、知らない人の部屋に!?とかなのかな。ああ、頭痛くなってきたよ、、。すると、部屋の奥の方から、知らない女の人の声が聞こえた。
「あら、アリシア、もう話すことができるの?」
金髪で海の底のような深い青色の目をした、それはそれは美人で、国宝級といっても過言じゃないくらい綺麗な女の人がそう言った。
「おお!それはそれは、将来有望な子にきっとなるぞ!」
続けて、その隣に立っていた青色の髪でエメラルドのような目の色をした優しそうな風貌の男の人が言った。
「あいおおいおあい」
(何この人たち)
「おお!また何か言っているぞ、オリビア!この子は天才なのかもしれない」
「本当ね、エドワード!この子はなにか特別な能力を持った子なのかもしれないわ!」
この二人はさっきから何を言っているんだ?私は成人女性だぞ、初めて言葉を発してからどれほどだったと思っているんだ。それに、この二人には私の言っている言葉が通じないのか、ならば、筆談をするのみ!えーっと、紙とペンはどこだ?そう思って、体を起こそうとお腹に力を入れてみたが、うまく起き上がることができない。それならば、手を伸ばせば届くかも!そう思って、腕を一生懸命に伸ばしたが、届かない。というか、いつもの私の手よりもなんかブヨブヨしてない?あれ、うまく言葉が話せなくて、起き上がれない、更に、手のお肉がブヨブヨしてる、これって私、赤ちゃんになっちゃってる?!なんで?!そうだ、これはきっとなにかの間違えだ、夢だ、寝てしまおう、それがいい、そう思い私はそっと目を閉じた。次に目を開けたときにいつもの風景に戻っていると信じて。