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第三話「神の力の兆し」
エリスと出会った翌日から、田中の周囲ではさらに奇妙な現象が頻発するようになった。
朝の通勤中、電車の扉が田中が駆け込むタイミングで自然と開き、遅延を免れた。会社に着くと、急に上司が彼の残業を免除するという不可解な発表をした。
「何かが確実に変わり始めている......」
その夜、田中はエリスに問いただした。
「これって、全部あんたがやってるのか? それとも、俺に何か力があるのか?」
エリスは静かに首を横に振った。
「これらはあなた自身の力が目覚め始めた証拠です。神の力はあなたの意志に反応し、現実を少しずつ変化させるのです。」
「そんな大層な話、俺には荷が重すぎるって......」
エリスは微笑みながら、田中の肩に手を置いた。
「心配することはありません。この力を正しく使うための試練が、これから訪れます。まずは、力をコントロールする練習を始めましょう。」
田中は半信半疑ながらも頷き、エリスと共に力の練習を始めることを決意した。だが、この決断が後に予想外の波乱を引き起こすとは、彼はまだ知らない。