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自由の楽譜 〜音を禁じられた時代に〜  作者: 如月
第3章:友愛の楽譜編
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楽譜43.言葉の向こう

 舞踏会の騒動から、数時間後。私たちは警察で事情聴取を受けた後、レシタルさんの会社が所有する拠点のパーティールームに集まっていた。


「皆、今日は迷惑を掛けてすまなかったな」


 レシタル開口一番、深々と頭を下げた。もちろん皆は気にしていなかった。政府に邪魔されることは、政府に邪魔されることは薄々分かっていた。結果は皆受け入れている。


「自慢の料理人を呼んだ。好きなだけ食べて楽しんでほしい」


 舞踏会は中止となったが、急遽開催された食事会。参加は任意だったが、皆参加を決めた。それが、レシタルさんに応える形でもあった。


「では、乾杯」


 グラスが高く掲げられ、食事会が始まった。しかし、私はその場を心から楽しむことができなかった。その理由は、友人のイロハだった。


「あの、レシタル様」


「ディアリマ、素晴らしい踊りだったぞ」


「ありがとうございます。あのイロハは…」


 城の脱出を無事にした時、イロハは大量の血を流し、意識を失って倒れていた。適切な処置のおかげで命に別状はなかったものの、救護が終わるまでには長い時間を要した。それがようやく済んだのが、つい先ほどのことだった。


「そうだったな、行くとしようか。他の皆も行くか?」


 レシタルさんは優しく頷き、他の皆もイロハの元へ行くと思ったが、シナヴリアさんは首を横に振った。


「俺たちは念の為会場の様子を見るよ、ディアリマ行っておいで」


「わかりました」


 まだ安心するにはまだ早い。パーティー会場をシナヴリアさんたちに任せ、私はイロハの待つ部屋へと向かった。


 廊下は大企業らしく、楽器のサンプルや古い楽器が展示され、目を奪われるものばかりだった。普段なら時間を忘れて見入ってしまうだろう。だが、今日はそういう気分ではなかった。


「ディアリマは楽器は好きか?」


「はい、好きです」


 勿論好きだ。演奏したり、聴いたりすること。なんでも好きだ。今日のような出来事があったとしても、好きだと変わらない。


「その、好きを忘れるなよ」


 レシタルさんは、私達の戦いを知っている。まだ私は政府とレーテの関係を知らないが、一つ確かなのは、自由な音楽を守ることだけだ。


「もちろんです」


 長い廊下を歩いた先には、[救護室]と扉のプレートが掲げられている。あの部屋にイロハが居る。


「そこのにイロハが居る沢山話すと良い」


「ありがとうございます」


 レシタルさんは、静かに立ち去り、私は扉の前で一瞬足を止めた。。最後に見たイロハの姿を思い出すと、扉を開ける勇気を振り絞る必要があった。


「よっし!」


 意を決して扉を開けると、そこにはベッドに横たわるイロハの姿があった。彼女は私を見つけると、笑顔を浮かべた。しかし、その笑顔の裏に隠された疲労や痛みが伝わってくる。


「あ!ディアリマ」


 私の姿を見ると私の見舞いに、笑顔がパッと出た。しかし、身体には巻かれており痛々しそうだ。


「皆から聞いたよ、凄い踊りだったって私も観たかったな」


 イロハは嬉しそうに声を上げる。その姿に、私は安堵する反面、ふつふつと怒りが湧き上がってきた。


「イロハは大丈夫なの」


「私?うん見た目派手だけど、大丈夫!誰も怪我がなくてよかったよ」


 なんで?そんなに平気そうなの?その言葉は彼女の言う「平気」とは、どういう意味なのか。意識を失い、大量の血を流していた姿を思い出すたび、彼女の無頓着さに怒りが込み上げる。


「良くないわよ」


「え?何で」


 イロハは不思議そうな顔をする。その様子に、静かだった部屋の空気が一気に変わった。


「皆どれだけ心配かわかる?」


「それは、私が悪いけど考える時間なかったし」


 今度は言い訳?なんのための集団の作戦にしたのよ!私は溢れ出す感情を抑えきれず、彼女に詰め寄った。


「方法はあったはずよ!初めて音楽をわかりあえる友人をやっとあえたのに!」


 私達は政府と戦っているのは、わかっている。それを覚悟して私はレーテに入った。それでも!


「死んじゃったら、イロハと音楽ができなくなるじゃない!」


2日投稿無くてすみません!二人の会話を上手に出来ませんでした。まとまりしたので投稿出来ました。

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