楽譜34.ドリーミング
「楽譜ですか?」
「セラピアの楽譜は、自由の楽譜を導く鍵だ」
自由の楽譜を導く鍵、そんな重要な物が毎年展示されていたとは、驚いた。だが、政府は楽譜があれば、躊躇なく消そうとする。セレピアの楽譜は何故無事だったのだろう。
「楽譜と持ち主は殺されないのでしょうか?」
「殺されないよ」
今まで私たちは、隠れている中大家の場に展示している楽譜が無事だったことに意外な回答をした。
「楽譜の持ち主は、政府に莫大な資金援助している」
「凄いですね、政府を止めるなんて」
楽譜を持っていようと殺さないのは、意外だ。どんな人が資金援助をしているんだろう。
「楽譜の持ち主は、カロス社のレシタル。イロハも一度は聞いたことあるでしょ」
「あの大手楽器メーカーですか!?今や全世界シェア率No.1の」
楽譜の持ち主が、レシタルさんなんて…幼い子供から大人も魅了させる楽器は、手頃な価格でありながらも、ユーザに寄り添った保障やサービスが充実しており、今の楽器販売会を支えている。
一般販売されている楽器の中で、数少ない魅了されるメーカーだ。
「レシタルは、取り壊される城を買い取って、毎年記念祭を開催しているんだよ」
あのお城はそんな意味が、あったんだ。毎年あのお城で舞踏会なんて、想像するだけ楽しそうな記念祭だ。
「それで、最近ホッカイドウとトウキョウの事件で、レシタルがお怒りなのよ」
「あの、その理由って私たちのせいでしょうか?」
私たちの活動で、業界を支えている人に迷惑をかけているなんて、考えもしなかった。
自分の行動の制限をまだ理解していない。申し訳ない気持ちで溢れている。
「気にすることないよ。レシタルは無暗に音楽を排除する政府が嫌いだ。此処数日の出来事でレシタルは、我慢の限界を迎えたわけ」
そうか…政府の行動が許せないのは、私達以外にも居たんだ。まだ顔も合わせたこのない。業界人も才能の原石が殺されるのは、許せないようだ。
「んで、資金援助は停止。今回の記念祭で政府が楽譜を奪いそうなんだよ」
「確かにやりかねませんね」
「明日が記念祭当日もあって、さっき俺たちに自身の護衛、楽譜の保護をお願いされた」
なるほど、そういうことだったのか。明日は記念日なので楽譜は絶対に展示する。しかし、資金援助を止めたレシタルさんの命や楽譜が危ない。
「シナヴリア楽譜の保護は毎年同じだが、レシタルさんは誰が守るんだよ」
どうやら、毎年の記念祭でレーテは楽譜の護衛をしていたようだ。セレナーデさんは、シナヴリアさんに質問を投げる。
「そうだね、出来れば踊りの上手な人にして欲しいね」
「踊りですか?一体なぜ?」
護衛なら周りを警戒して、巡回した方が良い。守るなら目標の近くに居たほう良い、イメージがある。しかし、踊りの上手な人と限定するのは、なんでだ?
「護衛として目立たないためだよ」
「一般参加者に紛れる感じですか?」
「そんな感じ」
参加は私達以外にも、一般人も居る。わずかな行動でも、不審に思わせないためか。舞踏会か、学校で踊りの授業は年に一回ぐらいしかない。残念ながら私の踊りは上手とは言えないな。
「イロハ踊りは苦手?」
「うん、授業で少し知ってるぐらい。テトラは?」
「踊れるけど、多分上手では無いかな」
テトラも踊りは苦手らしい。今から練習しても絶対に怪しがられる。演奏と同じように踊りも、そう簡単じゃない。楽譜の保護も大事だが、命が優先だ。レシタルさんの周りには人を多く入れたい。
全員が護衛メンバーに悩んでいると、ディアリマが手を上げた。その行動は先ほどの緊張を忘れるような、とても堂々とした様子だ。
「私踊りは毎年優秀賞に選ばれるので、今回の作戦最適かと」
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イロハ達が記念祭の話をしている中、自然溢れる北カルイザワのでは、明日の記念祭に備えて、会場であるメガロス城は、全員が慌ただしく動いていた。城の内部は豪華なシャンデリアや美しい、草花が飾られている。
「そこの飾りは、上だ。花を綺麗に見せるんだぞ~」
「はい。レシタル様直ぐに直します」
「頼んだぞ」
準備している人間にテキパキと指示を与えている。その人物の服装はこの城にふさわしい、紺色のドレスを着用しており、言うならば城の姫のようだ。
「レシタル様もう、ドレスを来ているのですか」
「あぁ、記念祭りでシナヴリアが来るんだ。楽しみでならない!」
レシタルは記念祭が明日であるが、舞踏会用のドレスを既に着用しており、気合が入っている。
「そうですか、しかし、明日は政府に命が狙われます。気を付けてください」
レシタルが政府の資金援助の停止をしてから、数日が経過した。幸いにもまだ政府の襲撃がない。だが、命はいつ狙われても可笑しくない。
「心配することはない。あのレーテが護衛だ。親友のお…私が信じなくてどうする?」
「そうですね、記念祭必ず成功させましょう」
レーテの圧倒的信頼を持つレシタルとは、一体どんな人物なのか、イロハ達の記念祭は刻一刻と迫っている。
今回も観ていただきありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。




