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自由の楽譜 〜音を禁じられた時代に〜  作者: 如月
第2章:快楽の楽譜編
23/45

楽譜23.100もの

 汽車に備わっているオン源砲は、辺り一体のオン源を過剰反応させる。

 オン源で動く機械は一時動きは止まる。それは、コロディアの剣も該当していた。


フィレオー•プロト(友愛の一番目)


 この止まっている時間を無駄にさせない。作り手のコードは不協和音に影響しない。楽器を介してオン源を生成している物と違い。


 俺達の楽譜は、コードを使用することでオン源が生成される。


「シンフォニア!オン源を送る!逃げる準備だ!」


『了解、オン源を吸収します』


 コードを再び出し、辺りにオン源を巡らせる。七色の粒子達は、汽車外装に掃除機のような、装置でオン源を吸い込まれていく。


「逃げるのは当たり前だよね」


 オン源砲を使用した後、コロディアは逃げられることを確信して、撤退したのだろう。だが、あれは力の半分も出てない。


「楽譜は絶対に使わないんだな」


 コロディアはオン源を生成する剣のみ。楽譜を使えば更に恐ろしい存在になるのに、使わない理由は一体なんだろうか。


「さて、皆の元に帰ろうか」


 まずは、無事に敵から逃げられたことだ。いつも以上に沢山演奏してくれた。イロハやエレオスと新しいメンバーがいる中最後までよくやってくれた。


 ーー✳︎ーー✳︎ーー✳︎ーー


 凄まじい不協和音の響きで、思わず演奏の手を止めてしまった。しかし、セレナーデさん達は演奏の手を止めている。


「あの、演奏してなくて良いのですか?」


「オン源砲を使ったからいいんだよ」


「オン源砲?」


 セレナーデさん曰く、シナヴリアさんのサポートも作戦内だったが、今放ったオン源砲が一番の目的だったようだ。


「オン源砲…すごいですね、一時だとしてもオン源で動く物が止まるなんて」


「だが、膨大なオン源を使う。どうしても時間は

 掛かるんだよ」


「なるほど…それにしてもすごい音でした」


 まだ耳がキーンってする。それほどに膨大なエネルギーを使ったのだろう。ヴァイオリンを椅子に置き、窓の景色を見ると、敵が追ってくる様子は無い。


「お待たせー皆お疲れ様」


 シナヴリアさんは、疲れた様子が一切なく悠々と姿を表す。なんとか逃げ切って良かったと、安堵すると、忘れた傷が痛み出した。


「痛い…すっかり忘れた」


「大丈夫?」


「あー結構痛いかも」


 集中していて、痛いという感覚は無かった。でも、今は肌を熱で刺しているような、痛みがあって顔を怖ばせる。


「イロハお疲れ、痛みがある中頑張ったよ、テトライロハを救護室に連れて行って」


「わかった、行こイロハ」


「うん」


 テトラに案内される形で、車内の道を歩く。先程までは、迎撃で騒がした車輪の音は今は、穏やかな音をたててガタンゴトンと空を走っている。


「イロハ?抱っこしようか?」


「ん?」


 何故急に…思わず首を大きく傾げていると、テトラは至極真剣に理由を発する。


「だって、凄く元気なさそうだから」


「私幼稚園児だと思っている?」


 このテトラが無表情デフォルトで発せられる天然発言には、考えが狂わされる。でもこれも彼なりの励まし方なのだろう。


「イロハは幼稚園児じゃないでしょ?」


「いや私十六歳だよ?」


「うん、そうだと思ったけど、イロハは演奏終わった後から、ずっとその顔してたから」


 あっ、そう言うことね。言葉が毎回足りないと言うか…こんな時セレナーデさんが居たら、補足してくれただろう。


 噛み砕いて言葉を伝えるって難しいな…話を切り替えて今の気持ちをテトラへ伝える。


「色々考え事してた」


「考え事?」


「うん、皆の演奏が凄くてね」


 全部は聴けなかったけど、今までに体験した事のない演奏があった。それに圧巻されて自分の演奏を忘れてしまうほど


「自由に演奏するって言うことが分からなくてさ」


「最初はヴァイオリンだから、皆を音で引っ張らないとって張り切っていたけど、」


 組織に入って、無意識のうちに役に立たなきゃって、思っていた。だって退屈な日々を変えてくれた皆んなには、感謝をしているから、余計な力が入ってしまった。


「演奏って失敗なしのイメージが強くてさ」


 学校の行事の一環で、演奏会は多くあった。音楽社会になって、それは当たり前の行事。私は演奏だけは磨いていた。


「私歌ができない分、演奏はいつも仕上げてたの」


 歌は下手なのは知っていた。学校行事だから将来の進路に大きなアピールポイントになる。その分誰よりも正確な音を意識していた。


「演奏は楽譜通りにして、変わりない音」


 失敗しない=楽譜通りの音、それが演奏の評価ポイントだった。実際に私のクラスは演奏会は上位を取っていた。


「だから、こんなに変わった演奏、初めてで戸惑って」


 シナヴリアさんに自由に弾いてほしい、という考えは何も思いつかなかった。皆は楽譜にない音を演奏していた。しかも、顔色変えずだ。


「俺達の演奏良く無かった?」


「その逆、楽しくなっちゃって、皆の演奏夢中に聴いたら、変なこと考えてさ、


 楽譜以外の音なのに楽しくて仕方なかった。正確な音しか、知らない私にとって、皆が当たり前のように演奏してることに違和感を持った。


「それで、失敗しててんやわんや」


 あの時はどうすれば良いか、分からなくなった。今まで出来ていたことが、出来なくなる。それは、私は何もできない人間。と頭の中を巡った。


 その考えが周り手が止まってしまった。


「それでも、テトラやシナヴリアさんが声を掛けた。止めてた手をまた動かしてくれた」


「それは、イロハが皆の音を聴いていたからだよ」


「そうかもね、周りの音を聞いて、自由に演奏する答え探しをしてた」


 自由な演奏はまだ知らない。皆の音を聴いて自分の思う音を奏でた。正解のない自由な音は、こんなにも難しいことに気づけた。


「イロハ途中からいい音出てたよ」


「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいな」


 これが自由の楽譜を導く答えの一つなら、私はこれから先もっと、苦労するけど、楽しみが増えただけた。


「自由な演奏がもっと、出来ると喜びの楽譜が更に良くなると思うんだ」


「うん、俺もそう思うよ。また一緒に演奏しようね」


 また演奏をしようか、やっぱりこの当たり前に音楽に自由に弾ける喜びは、ここでしか見つからない。慌てずに自由な演奏の答えを探そう。


本日も見て観てありがとうございます。明日も投稿しますので、よろしくお願いします。

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