楽譜23.100もの
汽車に備わっているオン源砲は、辺り一体のオン源を過剰反応させる。
オン源で動く機械は一時動きは止まる。それは、コロディアの剣も該当していた。
「フィレオー•プロト」
この止まっている時間を無駄にさせない。作り手のコードは不協和音に影響しない。楽器を介してオン源を生成している物と違い。
俺達の楽譜は、コードを使用することでオン源が生成される。
「シンフォニア!オン源を送る!逃げる準備だ!」
『了解、オン源を吸収します』
コードを再び出し、辺りにオン源を巡らせる。七色の粒子達は、汽車外装に掃除機のような、装置でオン源を吸い込まれていく。
「逃げるのは当たり前だよね」
オン源砲を使用した後、コロディアは逃げられることを確信して、撤退したのだろう。だが、あれは力の半分も出てない。
「楽譜は絶対に使わないんだな」
コロディアはオン源を生成する剣のみ。楽譜を使えば更に恐ろしい存在になるのに、使わない理由は一体なんだろうか。
「さて、皆の元に帰ろうか」
まずは、無事に敵から逃げられたことだ。いつも以上に沢山演奏してくれた。イロハやエレオスと新しいメンバーがいる中最後までよくやってくれた。
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凄まじい不協和音の響きで、思わず演奏の手を止めてしまった。しかし、セレナーデさん達は演奏の手を止めている。
「あの、演奏してなくて良いのですか?」
「オン源砲を使ったからいいんだよ」
「オン源砲?」
セレナーデさん曰く、シナヴリアさんのサポートも作戦内だったが、今放ったオン源砲が一番の目的だったようだ。
「オン源砲…すごいですね、一時だとしてもオン源で動く物が止まるなんて」
「だが、膨大なオン源を使う。どうしても時間は
掛かるんだよ」
「なるほど…それにしてもすごい音でした」
まだ耳がキーンってする。それほどに膨大なエネルギーを使ったのだろう。ヴァイオリンを椅子に置き、窓の景色を見ると、敵が追ってくる様子は無い。
「お待たせー皆お疲れ様」
シナヴリアさんは、疲れた様子が一切なく悠々と姿を表す。なんとか逃げ切って良かったと、安堵すると、忘れた傷が痛み出した。
「痛い…すっかり忘れた」
「大丈夫?」
「あー結構痛いかも」
集中していて、痛いという感覚は無かった。でも、今は肌を熱で刺しているような、痛みがあって顔を怖ばせる。
「イロハお疲れ、痛みがある中頑張ったよ、テトライロハを救護室に連れて行って」
「わかった、行こイロハ」
「うん」
テトラに案内される形で、車内の道を歩く。先程までは、迎撃で騒がした車輪の音は今は、穏やかな音をたててガタンゴトンと空を走っている。
「イロハ?抱っこしようか?」
「ん?」
何故急に…思わず首を大きく傾げていると、テトラは至極真剣に理由を発する。
「だって、凄く元気なさそうだから」
「私幼稚園児だと思っている?」
このテトラが無表情デフォルトで発せられる天然発言には、考えが狂わされる。でもこれも彼なりの励まし方なのだろう。
「イロハは幼稚園児じゃないでしょ?」
「いや私十六歳だよ?」
「うん、そうだと思ったけど、イロハは演奏終わった後から、ずっとその顔してたから」
あっ、そう言うことね。言葉が毎回足りないと言うか…こんな時セレナーデさんが居たら、補足してくれただろう。
噛み砕いて言葉を伝えるって難しいな…話を切り替えて今の気持ちをテトラへ伝える。
「色々考え事してた」
「考え事?」
「うん、皆の演奏が凄くてね」
全部は聴けなかったけど、今までに体験した事のない演奏があった。それに圧巻されて自分の演奏を忘れてしまうほど
「自由に演奏するって言うことが分からなくてさ」
「最初はヴァイオリンだから、皆を音で引っ張らないとって張り切っていたけど、」
組織に入って、無意識のうちに役に立たなきゃって、思っていた。だって退屈な日々を変えてくれた皆んなには、感謝をしているから、余計な力が入ってしまった。
「演奏って失敗なしのイメージが強くてさ」
学校の行事の一環で、演奏会は多くあった。音楽社会になって、それは当たり前の行事。私は演奏だけは磨いていた。
「私歌ができない分、演奏はいつも仕上げてたの」
歌は下手なのは知っていた。学校行事だから将来の進路に大きなアピールポイントになる。その分誰よりも正確な音を意識していた。
「演奏は楽譜通りにして、変わりない音」
失敗しない=楽譜通りの音、それが演奏の評価ポイントだった。実際に私のクラスは演奏会は上位を取っていた。
「だから、こんなに変わった演奏、初めてで戸惑って」
シナヴリアさんに自由に弾いてほしい、という考えは何も思いつかなかった。皆は楽譜にない音を演奏していた。しかも、顔色変えずだ。
「俺達の演奏良く無かった?」
「その逆、楽しくなっちゃって、皆の演奏夢中に聴いたら、変なこと考えてさ、
楽譜以外の音なのに楽しくて仕方なかった。正確な音しか、知らない私にとって、皆が当たり前のように演奏してることに違和感を持った。
「それで、失敗しててんやわんや」
あの時はどうすれば良いか、分からなくなった。今まで出来ていたことが、出来なくなる。それは、私は何もできない人間。と頭の中を巡った。
その考えが周り手が止まってしまった。
「それでも、テトラやシナヴリアさんが声を掛けた。止めてた手をまた動かしてくれた」
「それは、イロハが皆の音を聴いていたからだよ」
「そうかもね、周りの音を聞いて、自由に演奏する答え探しをしてた」
自由な演奏はまだ知らない。皆の音を聴いて自分の思う音を奏でた。正解のない自由な音は、こんなにも難しいことに気づけた。
「イロハ途中からいい音出てたよ」
「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいな」
これが自由の楽譜を導く答えの一つなら、私はこれから先もっと、苦労するけど、楽しみが増えただけた。
「自由な演奏がもっと、出来ると喜びの楽譜が更に良くなると思うんだ」
「うん、俺もそう思うよ。また一緒に演奏しようね」
また演奏をしようか、やっぱりこの当たり前に音楽に自由に弾ける喜びは、ここでしか見つからない。慌てずに自由な演奏の答えを探そう。
本日も見て観てありがとうございます。明日も投稿しますので、よろしくお願いします。




