楽譜12.ビリーヴ・イン・ザ・マジック
ほのぼのとした時間を過ごしていた私達だったが、車内放送で一気に雰囲気が一変。シナヴリアさんが読んだ理由とは一体なんだろうか?
「修行中にごめん、イレギュラーなオン源が発生したからね、直ぐに目的地へ行く」
「楽譜じゃないんですか?」
「楽譜とは似ている反応だったんだ。可能性は低いけど、至急向かう」
似ている反応、確かに判断が難しい。わからないから、確かめる。可能性のためなら、一筋の糸を手繰るような物だ。
「時間の猶予はない。以前は楽譜が政府に先に越された。作り手も政府に殺害されていた」
「殺されたんですか」
「イロハが戦闘している間にね」
ソナタと戦っている間に、作り手のい命が消えた。私はテトラに救われた。本当に偶然だったんだろう、恵まれていたんだ。
名前も知らない作り手、それでも、素晴らしい曲を作る人は、もう二度と楽譜に音符が書けないんだ。
「イロハ、大丈夫?」
ごめんテトラ、正直大丈夫じゃない。名前の知らない作り手はどんな気分で、殺されたのだろうか。
今の時代を知っても尚、曲を作り続けた。本人でもないのに不甲斐ない気持ちが溢れ出る。
「ごめん、殺された作りての人を考えたら、すごく自分の不甲斐なさにイラついてた」
「だからこそ、今回は何が何でも、楽譜と作り手の保護は絶対だ」
立ち止まってはいられない。絶対に楽譜の持ち主と合う。まだまだ、弱いけどテトラが私を救ってくれたように今度は、私が助ける。
「目的地はトウキョウだ」
「トウキョウですか、大都会ですね」
「こんな街中初めてだから、正直びっくりしてる」
アイチ、ホッカイドウ、楽譜の反応はどれも、大都会ではなかった。街中となると、探すのは、困難だ。
「今度こそ、楽譜の持ち主と会いましょう」
「勿論その気で見つけ出すよ、シンフォニア最速で頼むよ」
操縦席でシンフォニアさんは、タッチパネルで最適解のルートを割り出す。ここから、トウキョウはあっという間だ。
「了解、最速でトウキョウへ発進します」
列車のスピードは徐々に上がる。さて、到着まで気張らないとね!両手を強く入れて、気合いを入れ直す。
「おい、新人トウキョウなら、服装変えるぞ」
「このままじゃダメなんですか?」
「あのなぁ、トウキョウは人も、多いしこっちの情報も回ってる。服装は変えるんだよ」
都会の人だと服装変えるのかな?あんまり世間を知らないのも、あるけど、もし、この制服を街中で歩いていたら、見ちゃうかも。
「TPO?」
「そういうことだ」
「私の服用意されているんですか?」
都会用の服にそもそも、私の分はあるのか?と心配していると、シンフォニアさんがそのアンサーを出す。
「ありますよ、先程イロハさんの都会用の制服を用意しました。セレナーデ案内してくださいね」
会話をしながらも、操作する手は一切止めない。シンフォニアさんは操縦で忙しい。手の空いているセレナーデさんが、案内してくれるようだ。
「わかりました。行くぞ新人」
「はい」
ーー✳︎ーー✳︎ーー✳︎ーー
場所は変わって、汽車内の衣装部屋。ズラリとレーテの制服が沢山あった。ドレスから現代ファッションまで、幅広く揃えられている。
中央部には、巨衣装を作成する巨大な装置が、置かれている。
ミシンのような針が細かく配置されており、タッチパネルで簡単に服が作れるようだ。
「新人これを着ろ」
「カッコいい、シティーガル?」
セレナーデさんから、服が手渡される渡される。色はお馴染みの紺色。
しかし、都会用と言っているので、服装はパキッとした、ジャケットではない。
緩めのダボッとしたものだ。ズボンもカーゴパンツもいつもの制服とは、まるで違う。
「もうすぐトウキョウに着く、さっさと着替えろ」
「わかりました」
先にセレナーデさんが部屋から退出し、渡された服に袖を通す。インナーは白いパーカーで動きやすそうだ。
衣装部屋まで、あるなんて、この列車いよいよ、何がないのか、思いつかなくなる。
『間もなく目的到着』
放送が鳴り響き、着替えの手を急がす。慌ただしく、部屋から退出した頃には都会の空の上だ。列車の速度は落ちていき、小さなビルの上に停車した。
「お待たせしました」
「大丈夫だよさて、トウキョウはいろんなオン源で、溢れている。楽譜の特定は難しい。今回は4人一組だ。俺はシンフォニアと行動する」
セレナーデさんと行動か、数も多いし頼りになりそうだ。皆の服装を見ると私と似たような、系統でとても似合っている。
セレナーデさんは、知らない人が見ると、不良に見えそうだ。
ヘードネもダボッとしたパーカーが愛らしい。テトラは長いロングコート、光に反射しているように見える素材が近未来らしい。
「では解散」
一時解散となり、全員が行動を開始する。やっぱり大都会トウキョウ。
人の多さが段違いだ。歩いているだけで、ぶつかりそうだ。
「トウキョウ初めて、建物がみんな大きい」
ビルは私が首を上げても更に、伸びている。空を浮いている電子モニターの情報も、辺りを埋め尽くいる。行動を忘れて、情報を見てしまいそうだ。
「トウキョウは最新の技術があるから」
「最新って言っても、周りの楽器はやっぱアナログだね」
楽器を動かす機会が精密化された現代でも、楽器は私でも見覚えのあるものばかりだ。
「そうだね、あのビルも打楽器が一定で鳴らされている。反対側のビルは別の楽器を使ってる。二つのビルで一つの曲を奏でてるね」
街中でもオン源が作られている。私の知っている規模とは違う。一つのビルで完結するのではなく、分割することで、曲のスケールを大きくしている。
「街中に音楽で溢れてる」
ビルの間を歩きながら、横を見るとセレナーデさんがヘードネ手を繋いでる。こう見ると兄妹のようにみえる。
「セレナーデさんは、ずっとヘードネと手繋いでますね」
「たりめーだろ、ガキは目を離した一瞬で消える。都会は特にだ」
その言い方は経験談だろうな。ヘードネも同様に景色に夢中だ。私ですら、立ち止まるような風景が多い。ヘードネだったら、何処か走って行っちゃいそうだ。
「なんか、セレナーデさんお兄ちゃんみたいですね」
「セレナーデお兄ちゃんなの?」
「ちげぇよ!」
お兄ちゃんは、流石にダメだった。会話を聴いていたイロハは、意外だったようで、奇妙な物を見ているように目を向ける。
「いつのまにか仲良くなっの?」
「カラオケ特訓かな?」
仲が良くなったかはまだ、わからない。でも、セレナーデさんは、最後まで特訓に付き合ってくれた。音痴な私でも何度もお手本を見せてくれたから、距離は縮まったかな。
「全く反応がねぇな」
「そうだね、ヘードネ楽譜の気配ある?」
「なーい」
街中に入ったのは良いが、オン源が多く溢れている。その中から楽譜を探すのは、苦労しそうだ。テトラやヘードネは楽譜の反応を感じられるが、私には全くわからない。
「ねぇ、あれ」
ヘードネが視線を向ける先には、政府の人間だった。囲われているのは、ヘードネぐらいの男の子。こんな、幼い子に政府が関わっているのは、悪い予感だ。
「ちんちくりん引っ張るな!」
ヘードネはセレナーデの袖を強く引っ張り、路地裏へ入って行った。
別行動はマズイ、二人を追いかけるためにテトラの手を掴んだ。
新章入りました!引き続き見てくれますと嬉しいです。服装ですが、設定を考えて楽しかったです。
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