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・ひなびた迷宮町ミタアで固有スキルを大量ゲットしよう! - ×43 -

 そんな嬉しくないドロップもあったけど、俺たちは圧倒的な快進撃で迷宮を進んでいった。


 手分けのおかげで1フロアあたりの滞在時間は約15分程度で、リアンヌという破格のアタッカーもいたのも加わって、俺たちの前進に陰りはなかった。


 4フロア進むごとに休憩をはさみ、魔石からは今すぐにスキルを抜き取る必要もないので全て袋に詰めた。

 経験豊富なレスター様と、全てを切り裂く瞬足の矢そのものであるリアンヌは圧倒的だったけれど、段々に後衛の俺たちの出番も増えていった。


「ウィンドボルトッ!!」


 フロア上空にいたジャイアントバットを、撃てば5連発出る風魔法でやっつけると、レスター様が口笛を吹いて『凄いじゃないか』と感心してくれた。


 元ギルド職員アリクは、憧れのレスター様と肩を並べて戦うのが夢だった。

 その夢は一生叶わないと、彼はそう思っていたようだけれど。


「やるじゃねぇか、アリク。頭の上はお前に任せておきゃ、安心だな」

「やっぱりその魔法いいなぁ……。約束したんだから、いつかは私にちょうだいよ……っ?」

「……うん、いつはかね。でもいつになるかはわからない」


「いいよ、貸してくれるのずぅぅーっと、待ってるから!」


 リアンヌが魔法まで使いこなすようになったら、俺の出番がなくなってしまう。

 それにこれ以上リアンヌを超人的なお姫様に成長させてしまったら、あのおやさしい大公様に、なんて言い訳をすればいいのかわからなかった。


「かわいらしいじゃねぇの」

「ええ、本当に……っ」


 俺たちの快進撃はそれからも変わらずに続いた。

 モンスターたちは一人の大男と、ブロンドの少女に次々と狩られ、残りの余り物を俺とトーマが撃退した。


 やがて地下16層目までやってくると、俺たちは迷宮モノのお約束、ボス部屋とその奥に広がる財宝部屋を発見した。


「ヘルハウンドか……。ありゃ、パーティに死人が出るから好きじゃねぇなぁ……」


 ボス部屋には赤黒い毛並みをした大狼ヘルハウンドがいた。

 片脚に足かせがはめられており、それが壁に繋がっていて危険な大狼を大部屋に繋ぎ止めている。


「えーっ、やっつけようよ! 私たちなら倒せるよーっ!」

「え……っ」


 俺はリアンヌの正気を疑った。

 ヘルハウンドは上下の高さだけでも俺よりもあった……。


「あ、あんなに大きな狼だよ……っ? それにあんなに恐そうに唸ってるよ……っ?」


「だから?」

「リアンヌは怖くないの……っ!?」


「全然! あれやっつけたらレアスキルとか手に入りそう!」


 やっぱりリアンヌは、頭のネジが飛んでる……。

 それも2本や3本じゃない……全部飛んでいる……。


 現役の冒険者さんたちでさえ緊張に顔を青ざめさせているのに、余裕しゃくしゃくだった……。


「アリク、こいつらにスキル合成を施してやってくれるか? 余ったスキルは全部お前にやるからよ」

「え、まさかレスター様もアレと戦うつもりなの……っ!?」


「討っておけば、他の迷宮にもしばらく現れなくなるはずだ。まあ、このメンツならどうにかなる」


 レスター様がそう言って、布袋を俺の手の上に乗せた。

 その中には、ここまで一つ一つかき集めてきた魔石が入っている。


 それらは袋の紐をほどかずとも、布袋越しに触れるだけで虹色の光となって俺の中に消えていった。


―――――――――――――――

 総入手スキル

―――――――――――――――

【子沢山】×43

【採集上手】×1

【焚き火】×1

【HP+50%】×1

【暗視・弱】×1

【ボルト魔法MP消費半減】×1

【盾強化】×1

【狩人】×1

【漁師】×1

【ダウジング】×1

【電撃付与】×2

【炎魔法・下級】×5

【土魔法・下級】×1

―――――――――――――――


 は……ハズレスキルが多すぎる……っ。

 こんなに子沢山スキル要らないよぉっ!! 僕男の子だよぉっっ!!


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