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03 ササエ


 あの愛らしい衣装を着た女性たちこそがメイドなのだそうだ。


 もちろん知識としては知っていたのだが、実際に動く姿は何というか、たまらん。


 自分があれを着た時の姿を少しだけ想像してしまい狼狽しているうちに部屋へと着いた。



 程よい狭さのその部屋を見て、ここに呼ばれてから初めて安心を得た心持ちだった。


 実は私は広い部屋が苦手だ。


 修学旅行で大部屋で寝付けずに勝手に布団部屋で寝たせいで大騒ぎになったことを思い出した。




 案内してくれたメイドはササエと名乗り、私の専属世話係であると告げて頭を下げた。


 召喚者と呼ばれる自分と同じ立場の人たち全員にメイドがついてるのかを尋ねると、否とのこと。


 どうやら槍持参で来た自分は過剰な期待を持たれているようだ。


 期待されているということは要するに戦争の最前線に放り込まれるということ。


 

 これはまずい。



 槍を振るう相手は自分で選びたいし、こんな国に命を捧げるなんてまっぴらだ。


 正直知恵は無いが、無いなりに策を練らねば命が幾つあっても足りないだろう。



 先ほどの固有スキル確認の儀で、ある程度の身体能力の値は把握されてしまったようで、ステータスと呼ばれるその数値はなかなかに高いとの評価を得ていた。


 自身のこれまでの修練をなかなかに高いの一言で片付けられたのは豪腹だったが、連中がそれ以外の情報を知らないのは朗報である。



 私が修めてきた武は身体能力が全てでは無い。


 獲物を使う体捌き、相手と向かい合う心構え、師匠より受け継いだ秘伝の技。


 これら全てを統合した時の自分の姿を連中に気取られる前に、何としてもここを脱出しなくてはならない。



 ササエさんはとても素直で良い人だが、出来れば荒事や厄介事に巻き込みたくは無い。



 腹の底から何でも話せる協力者を探さねば。


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