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23 メイド


 玄関の扉の前、ごめんくださーいと、扉を叩く。


 待つことしばし、扉が開いて姿を見せたのは、



 メイドさん。



「いらっしゃいませ。 ご用件は?」



「王都から来ました。 佐州さんと梨想さんの友人の秘崎といいます。 こちらは連れのノルシェです」

「近くまで来たので顔を出してみました」



 メイドさんのいでたちへのツッコミを我慢してそれなりにいい感じの挨拶が出来たつもりだったが、当のメイドさんはきょとん顔でフリーズ中………………動いた。



「えーと、アラン様とマユリ様のお知り合いのかたですね」

「申し訳ありません。 ただいま皆さま留守にしておりますので、良かったら御伝言などいかがでしょうか」


 

 何か言葉遣いが妙だが、取り敢えず悪意・敵意の類いは感じられない。


「帰宅時間とか教えていただければ」 と言いかけると、後ろのノルシェが上着のすそを引っ張った。


 振り向くと、涙目の上目遣いでにらんでいる。


 だからその潤んだまなざしはやめてって。



「たぶん御三方ともギルドの依頼中なので帰りは夕方以降ですけど、良かったら中でお待ちに」



「是非っ!」



 ノルシェ、自重しようよ。


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