1.面倒な1日
はじめまして!海堂春と申します。この作品を書こうと思った経緯は、脱力系の女の子が王子様から溺愛されたら面白そうだなと思ったからです。これから起こる波乱な恋物語にお付き合い頂けたら幸いです。
「ほらお嬢様、起きてください!今日も礼儀作法、ダンスのレッスンと語学、経済学、地理、歴史の授業があるのですから。いつまでも寝ていないでください!」
メイドのリジーの声が耳をつんざくように聞こえる。朝からうるさいなぁと私は思った。
私の名前は、アンネル=ロックハート。王家に代々仕えていて、王家からの信頼も厚い公爵家の令嬢だ。自分で令嬢というのは少し恥ずかしい。それは、私が令嬢らしからぬ生活をしているからだ。まあそのことはおいおいわかるとして…。私が今一番嫌なものは、妃教育だ。9歳の時に王太子の婚約者になってから私の生活は一変した。16歳になった私は本格的な妃教育が始まり、ぐうたらと寝る時間も、お気に入りの推理小説を読む時間も、猫と戯れる時間も無くなってしまった。私は王太子妃になんてなりたくないのに。あぁ、面倒だな…。
「ねえ、リジー…。私、何だか頭が痛いの。もしかしたら風邪をひいてしまったのかもしれない。
今日の予定は、全部キャンセルしないと…。」
「何をおっしゃっているのですか!ここ一か月ずっと同じことをおっしゃって、何度も何度もレッスンや授業をお休みしているじゃありませんか!今日という今日は、許しませんよ!」
あぁ、もう仮病は使えないな…。ダメだ…。だるすぎる…。面倒くさいし、やる気も起きないし…。
そんなことを考えているうちにリジーはみるみるうちに私の身支度を済ませていく。最悪な気分だ。仕方ない、今日はぼーっとして耐えよう…。そんな決意を固めている私の気持ちを知ってか知らずか、リジーが爆弾発言をする。
「そういえば!お嬢様、今日のダンスレッスンは、王太子様がいらっしゃるみたいですよ!来月のパーティーで初めてお嬢様とダンスを踊ることになっているから、その確認も含めてお嬢様とダンスの練習をする予定になっています。」
リジーはとても可愛らしい笑顔でそう告げるが、私は全く嬉しくない。そもそもパーティーがあることすら忘れていた。あぁ、最悪だ…。




