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第27話〜新たな仲間〜


 鮮やかな赤の鎧を纏った騎士が、僅かに鎧が擦れる音を立てながら俺達の前を歩いている。

 

 赤鎧せきがいナイト・オブ・ブラッドリィ。またの名を、赤井さん。はじめての実戦編だ。

 HPは全回復といかないまでも8割方は回復しているから充分に戦えるはず。

 

 そもそも、そのサポートをする為にカーくんに雷魔法を覚えさせたんだ。

 今回の作戦としては赤井さんを主軸に、ドルベロスの俊敏性に対抗出来る様にヨシコ達をサポートに回す。


 俊敏性の遅いボタンちゃんや一太郎達は後方で俺とセンセーの護衛役に徹してもらう。

 今の陣形としては、俺とセンセーの後ろにボタンちゃんと猪助。そのボタンちゃん達の肩にカーくんとすーちゃんは乗っている。

 左右に一太郎達。少し前にヨシコとゴンザレスが並び、一番先頭を赤井さん。


 蛇丸にスネちゃまは幅を取るうえに咄嗟の行動が人型のモンスターに比べ遅れるから外には出していない。

 

 今出来る鉄壁の陣形を保ちつつ、俺達はドルベロスを探しダンジョンを彷徨っていた。


「グルァッ」


 前を歩くヨシコが「うわっ」というイントネーションで鳴き、俺達を止める。


「キャリオン・ハウンドか?」

「アウ」

「どっちだ?」


 指を真っ直ぐに伸ばし、さらに強調するように前を指す。


「直線か……じゃあ、さっきの左に曲がれた場所に一度戻って道を変えよう」

「探すと、見つからないっ、ですね」

「な〜。物欲センサーってやっぱあるわ」


 一度通った道を戻りながら、さっきまで散々小馬鹿にしてきた3体の犬が全く出てこないことに愚痴をこぼす。

 赤井さん導入の前に戦ったドルベロスの元に臭いを元に突撃してやろうかと思ったけど、キャリオン・ハウンドの腐臭が強すぎて無理らしい。


 あのゾンビ犬〜……六郎の鼻をやっただけでなく邪魔までしやがって。

 どちらも犬型のモンスターなだけに、なんか犬が嫌いになりそうだ。

 ただ、この二種と赤鎧以外のモンスターの魔獣結晶を【醜人商会】で確認出来た。


 数は少ないながらも、キャリオン・ハウンドにドルベロス、赤鎧以外のモンスターも確かにいるんだが……全く出くわさないな。

 宝盗ほうとうドロップス・ホビット……と言うらしいんだが。


 赤鎧よりは魔獣結晶が落ちているから、そこら辺にいそうなもんだけど全く出会わない。

 ……というか、俺達が同じ場所をグルグル回ってるから、何のモンスターともエンカウントしていない可能性もある。

 景色がまったく変わらず、薄暗い通路が延々と続き、不規則に左右へ曲がる通路がたまに出てくる程度。

 

 俺達が進んでいるこの通路も、果たして合ってるのか。それするも分かっていない、と通路を曲がった瞬間――。


「……!」

「ギャワワワンッ!」


 曲がり角の死角から、先頭に立っていた赤井さんに向かい何かが突然襲いかかった。


「ッ! ドルベロスだ! あと二体いるぞ! カーくん、出番だ! 電撃麻痺パラライズを!」

「ガァ!」


 流石はD−級の赤井さん、突然の急襲にも動じず盾で防ぎきり迎え撃っている。

 

 鈍色の体毛に黒の斑点、端に寄った目つき。舌を口の横から出してヨダレをボタボタ垂らす、ハイエナに似た姿。

 間違いなく三位一体ドルベロス。その一体だ。


 蛇丸とスネちゃまも召喚し、万全の布陣を整える。

 カーくんは赤井さんと交戦するドルベロスの元に飛び立ち、赤井さんはそれを察したのかタックルでドルベロスを壁に突き飛ばして大きな隙を作る。


 そこへカーくんの鋭い鉤爪がドルベロスの脇腹に突き刺さり、バチっというスタンガンのような音が離れていても聞こえてきた。


「ギャァンッ」


 ビクンッと身体を大きく跳ねるが、強引に俺達と慌てて距離を取る。だが身体は思うように動いていないのは明らかだった。

 1体では分が悪いと、隠れていた残りの2体も電撃麻痺を食らった1体を庇うように参戦。


「良いぞぉ、電撃麻痺パラライズゥ! 効果覿面ッ!」


 身体を震わせ、覚束ない足取りの一体のドルベロス。

 軽快なステップで俺達を惑わし、挑発してくる姿は全く見られない。

 だが所詮は初級魔法。D−級のドルベロスだ、守備魔力も相応に高い筈だから、あの効果もそう長くは続かないはず。


「今がチャンスだ! 分断させて1体ずつ戦うように仕向けろ! 麻痺している奴を守ってるってことはソイツを狙われたくないんだ、狙うフリして隙を誘い出せ! 蛇丸とスネちゃまも体の大きさを活かして壁を作って助ける邪魔をしろ!」


 三位一体という名を冠しているドルベロス以上に、俺達の連携は迅速。かつ的確。

 赤井さんの徹底的な詰めと、逃げようとするドルベロスを逃がさないヨシコ達。

 見事に壁役となり助けようとするドルベロスを阻む蛇丸達。


 そこから数分程、ドルベロスと戦って分かったことだが……アイツ等、“HPを共有”している。

 1体のドルベロスに傷をつけたら、3体全てのドルベロスが同様の痛がり方と怯み方をした。


 数度そのやり取りがあり、確信した。

 確かに、3体を合わせて1体のモンスターと数えるならHPが共有されていても不思議じゃない。

 

 三位一体ドルベロスの弱点を発見した以上、そこからの捕獲テイム劇は早々に方がついた。

 想像通り電撃麻痺の効果は長くなく、約15秒ほどだったが他2体のドルベロスと引き離しているから再び麻痺を付与するのはそう難しいことでもない。


 最初の戦闘とは打って変わり、勝利、否。完勝。

 どうだ、これが“対策”。これぞ“攻略”。

 赤井さんの圧力で1体の動きを封じ、1体を麻痺、1体を蛇丸の壁で隔離。

 これが一太郎やボタンちゃん達だと俊敏性に差があり、壁役になりきれずどうしても多対一の状況に持っていけなかった。


 雷魔法と赤井さんの導入。この2つが三位一体ドルベロス捕獲の鍵だったな。


 俺の手には水色の匣水晶が淡く輝いている。

 もちろん! 中に入っているのはドルベロスだ。

 

「ふふふ、この新たに捕まえたモンスターのステータスを見るのが堪らなく楽しいんだわ」


*******************************


 ・種族名/名前/三位一体さんみいったいドルベロス/未名

 ・性別/♀

 ・階級ランク/D−

 《身体的能力》

 ・Lv.51

 ・HP3010/5080(状態異常・麻痺)

 ・MP80/80

 ・攻撃力=490(+20)

 ・守備力=410

 ・俊敏性=520(+40)

 ・攻撃魔力=0

 ・支援魔力=0

 ・守備魔力=390

 《特殊技能スキル

 ・【挑発】

 ・【トリプルアタック】

 ・【俊敏性上昇・Lv.4】

 ・【混乱の牙】

 ・【喪失強化ブースト・オブ・ザ・デッド

 ・【攻撃力上昇・Lv2】

 ・【幻惑の牙】(Lv.58に到達で取得)

 《装備》

 ・なし

 《レベルアップ必要経験値》

 ・3920/5050

 《進化》

 ・Lv.55到達=俊敏性600以上/攻撃力610以上=双犬獣そうけんじゅうオルベラム/階級ランクD−→D

 ・Lv.65到達=攻撃力1200以上/俊敏性1200以上/モンスター撃破数200体=双頭煉獣そうとうれんじゅうオルトロス/階級ランクD−→C


*******************************

気づけば日間ランキング3位に入れていました!

本当に、ブクマ・評価をしてくれた読者様。本当にありがとうございます!

このまま行けるとこまで突っ走ります!


明日も夜19時頃に投稿します。

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