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第26話〜魔法〜

東京魔王26話


「……あり、ましたっ」

「ナイス〜」


 センセーに【醜人商会】を使ってもらい装備である鉄の剣と鉄の盾を探してもらうことで、擬似的に赤鎧ナイト・オブ・ブラッドリィの居場所を探し当てることに成功した。


 もっと早く思いつけよなぁ、俺。センセーの【醜人商会】は例え装備だとしても強奪出来るメチャ強特殊能力。

 だから人の装備も《盗品一覧》に表示され、その品がどこにあるのかという距離が示される。


 しかし、1.5kmの効果範囲をもつ【醜人商会】であっても鉄の剣、鉄の盾はひとつずつしか見つけられなかった。

 マジでレアモンスター説あるな赤井さん。このダンジョンではじめて遭遇したモンスターがレアモンとか……やだっ、俺の悪運強すぎ?


「つっても、見つけてもどうやってそこまで行くかね」

赤鎧せきがいまでの、距離、中々ありますからね……」

「マジでネックだよな。辿り着くまでに間違いなく何かしらのモンスターと鉢合うし」


 ぶっちゃけ、武器持ちのモンスターとの相性は良いと思っている。

 赤井さんとの戦闘は突然だったのもあり真っ向勝負をしたけど、簡単な話、センセーの特殊能力で敵の武器を奪ってしまえば簡単なんだ。


 赤井さんの特殊能力構成的に、剣が主要だから奪われたら何も出来なくなる。

 むしろ動物に近いキャリオン・ハウンドやドルベロスは今のところ一番やり辛いモンスターのタイプなんだよな。


 ドルベロス、マジでどうする? 捕獲出来るなら捕獲したいモンスターランキング現状1位なんだけど……。


「……魔法、取るか」


 取ろう取ろうとは思っていたけど、匣水晶の作製に魔獣結晶を使ってて今まで取ってきてはいなかった。

 相手が真っ向勝負をしかけてこない今、こっちも戦い方を変えないと戦えないだろう。

 少なくともD級に進化出来ていない今は。


 《特殊能力スキル交換習得》の画面をステータスタブレットで開き、あるひとつの特殊能力を選んで詳細を開く。


 《魔法系特殊能力》

 ・【初級魔法・雷】Lv.1

 ・要求結晶=〇〇の魔獣結晶(小)×18

 《習得能力内容》

 ・Lv.1=電撃麻痺パラライズ

 ・Lv.2=帯電チャージ

 ・Lv.3=帯電送電ギフトチャージ

 ・Lv.4=帯電爆雷ボルテクション

 ・Lv.5=指向性放電ベクトル・スパーク


 現時点で取得可能な魔法特殊能力の中で、一番捕獲に向いている魔法はこれだろう。

 この電撃麻痺パラライズが相手の行動を抑制する麻痺状態を付与することが出来る。

 

 動きを抑制だから完璧に動きを止めることは出来ないけど、戦いやすくはなる。

 上板橋ダンジョンで倒したモンスターの結晶を持っていたから、ちょうど18個。魔法特殊能力1個分。


 この特殊能力を取得したら、もう他の魔法系特殊能力は取得出来なくなる。

 中級魔法を取得出来るほど、魔獣結晶(中)も手に入ってないし。

 本当にこの特殊能力で良いのか? と心の中で葛藤するが……いや、自分を信じよう。

 初級魔法のクセに18個も魔獣結晶を要求する特殊能力だ。弱い訳がない。風魔法だってそれなりに強いんだ。


 意を決し、俺は【初級魔法・雷】の項目にタップする。

 タブレット画面に『魔獣結晶(小)×18を消費して、【初級魔法・雷】Lv.1を習得させますか? ▶︎YES NO』という確認が出てくるが、構わずYESを選択。


 続いて誰に習得させるかという選択が出てくるので、ここも迷わずカーくんを選ぶ。

 攻撃魔力が高く、MPも高いのは現状カーくん以外にいないからな。

 闇烏ヤミカラスの時から空の監視員として優秀だったけど、今じゃ戦闘でも優秀なカーくん。

 空から風魔法も雷魔法も飛ばしてくるとか、爆撃機だろ。


 カーくんのステータスを開き、【初級魔法・雷】を習得しているかを確認する。


「よしよし、ちゃんと習得出来てるな。どうだカーくん。使えそうか?」

「ガァ」


 カーくんのクチバシに一瞬、電気がバチバチという音と共に疾る。

 おぉ、良いじゃん良いじゃん! カッコいいじゃん! 雷を操る鳥モンスターとか、メッチャ良いよ。

 

 現金なもんで、こうやって実際に雷魔法を見ると期待感が湧いてくるな。

 ドルベロスで厄介なのはあのコンビネーションだから、それを抑制出来るだけで魔獣結晶を18個も使った価値はある。


「……試したいな」


 雷魔法の電撃麻痺パラライズがはたしてどれほどの効果を発揮するのかが気になり、試したいという欲求が「ちょっとだけ、ちょっと試すだけ! 先っちょだけ!」と顔を出す。


 赤井さんのステータスを確認すると、HPが4010/5210まで回復していて……これだけ回復していればワンチャンいけるのでは……?


 キャリオン・ハウンドは強烈な臭いをさせているからヨシコ達なら簡単に回避して、ドルベロスだけ見つけることも出来る。

 人間の俺でも多少近づけば漂ってくるからな、あの臭い。


 そもそものエンカウント率も高いしな、あの犬。人を嘲笑うかのように目をはしに寄せて「ヘッヘッヘ」と掠れた声を出す、あの犬な。


 ギュッ、と力強く拳を握る。


「絶対に捕獲して、コキ使ってやるからなぁ、あんの駄犬……!」


 俺等の目の前でケツ振って挑発してきやがったの、ずっと覚えてるからなッ。

なんと日間ランキング5位になっとりました……ありがてぇ、ありがてぇよぉ……。

引き続き頑張りますので、応援ついでにブクマ・評価ボタンをポチッてくださると幸いです。


誤字報告や、文章の変な所などの指摘、本当に助かっております。感謝です。


明日は夜19時の1話だけの投稿になります。

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