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点鼻薬とハンガーの裏技

※これは初投稿作品です。内容が薄くなっている部分もあると思います。ご了承ください。

この世界では勇者と魔王の戦いが何千年も続いている。正確には、n代目勇者とn代目魔王との戦いである。勇者が魔王を倒しても、魔王の子供が成長すれば親と同じことをする。無論、勇者も同じである。そんなこんなで今も戦いが続いているのだ。そして、今からの物語は今までの歴史上の勇者の中でも少し特殊な勇者の話である。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

勇者の家系に産まれたロイルは常に鍛錬を欠かさなかった。ロイルの父は勇者であり、かつて魔王と戦った者の1人である。父は魔王討伐に出掛けたっきり帰ってくることは無かった。魔王に負けたのだろうか。だが、魔王はそれ以来行動を起こしていない。なので、世間では魔王と相討ちになったのではと囁かれている。もし新たな魔王が現れれば次はロイルが勇者になる番だ。いつその時が来てもいいように努力していたのだ。そして時は流れる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

遂に魔王が動いた。

「この時が来たか…」

この街、ネリウムの勇者、ロイルは自分が呼ばれた場所、王城へと向かう。ロイルの見た目は、黒髪で高身長、上手く表すことは出来ないが勇者の風格を漂わせている。

「おう、ようやく来てくれたのう」

見た目は白髪で少し弱々しいが、その姿は王だ。

「勇者ロイル、参りました」

そして、隣に、

「勇者ソウジ、参りました」

こいつ、ソウジは俺の親友的ポジションの奴だ。青髪で顔の整っている美男子。近所の女子達にもモテる。いいなあ、俺なんか勇者の風格があるだけでモテないぞ。そんなことは置いておき、こいつの家系も勇者だから呼ばれるのは分かっていたが、久しぶりに顔みたなぁ。このように、1つの街に勇者が2人いるということもある。

「早速で悪いが、魔王の討伐に行ってきてくれ、討伐してくれないと、街の貿易なども困るからなあ。勿論報酬は出す。一生困らないぐらいの金をやろう。頼む、行ってきてくれ」

「「勿論です!!」」

2人は元気よく賛成した。

「あと、他の街にも勇者がいると思うからよければ仲間にしてやってくれ。では、頼んじゃぞうー」

こうして勇者の魔王討伐の旅は始まった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

魔王城にて

「遂に勇者共が動き出しましだぞ、魔王様」

「うむ」

彼らは、魔王幹部の呪術師と魔王である。呪術師はローブを被った骸骨で、歯を、カタカタ鳴らして話している。魔王は少し”高齢”だが、背丈は3mほどあり、圧倒的な存在感がある。

「どうしますか?」

呪術師が聞く。

「お前は、遠くからでも対象を認識すれば相手を呪えるのだったな?」

「はい。このように、使い魔の目を通して見ております。ですがなぜ?」

魔王が答える。

「我々の一族が勇者に倒されたなかで、どうして我々が負けるのかを考えてみたのだ。そして、1つの結論に至った。勇者が旅だってすぐになぜ先手を打たなかったのか。先手を打つだけでも有利さは変わるというのに。」

「それと私、何が関係するのでしょうか。」

「まだ分からぬか。お前が今の内に奴らを呪い、先手を打つのだ」

「なるほど、そういうことでしたか。ですが、私は呪いで相手を即死させるほどこ力はありませぬ」

そこで魔王は考える。

「我々が奴らに手こずらされるのは、多種多様の武器を使われるからではないか?なら、それに制限をかけてしまえば良い。お前、そんな呪いをかけれないか?」

我ながら名案だと思った。かつての先代たちは、剣、銃、斧、その他もろもろによって敗れた。だからこそ、それを制限する事で勇者側の行動を多く削減できる。

「最後に使用した道具の種類しか使えなくする呪術ならあります」

「よし、やれ」

呪術師がよく分からない言葉を紡いでいる。魔王にはそこら辺の知識はあまりない。

「ほげなはやかひぬそはさきなたは¥$&*はあおおおおおおお、ほりゃーーーー」

もう本当に何言ってるか分からない。

「これで奴らに呪いをかけられました。あとは道具を使用すれば問題ないかと」

「これで我が軍の優勢なり」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

勇者サイド

「久しぶりだな。また格好よくなったな、ソウジ」

「ロイルこそ勇者の風格が出てるじゃないか」

2人は今、街の外の目の前にいる。

今から討伐の旅が始まるのか…。冒頭だととても熱心に鍛錬していたとあったが、正直母に言われてやってただけなんだよなぁ。行きたくない…。……。…。行くしかねえか。

「おい、忘れものはないか?」

ソウジに言われて気がついた。

「やべぇ、点鼻薬忘れた。あれがないと凄い鼻が詰まるんだよ」

俺、重度の花粉症だから点鼻薬がないと生きていけないわ。点鼻薬こそ命の源と言っていいね。

「ちょっと取ってくる。ついでに母にも挨拶してくるわ」

「俺も母に挨拶してくることにするよ。また、しばらくしたらここに集合な」

「了解」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「忘れものした」

「あんた何してるの!勇者なんだからしっかりしなさい」

はぁ、なんで忘れもので怒られるんだ…。点鼻薬持ってさっさといくか。

「よし、しっかりと予備も20本くらい持った。これでしばらく行けるな」

長い旅になる。旅先で点鼻薬が売ってるとも限らないし、多く持ってくに越したことはないだろう。

「あんた、またすぐ戻ってこないでよ。ちゃんと忘れものないか確認した?」

「大丈夫。しっかりと討伐もしてくる」

「生きて帰ってきなさいよ」

「何とかなるから大丈夫、心配し過ぎ」

このように、母は厳しいところもあるが、根はとても優しいことは知っている。

「行ってくる」

「行ってらっしゃい」

ドアを開ける。そして外にでて、点鼻薬を取り出す。そして使用。雰囲気壊さないように点鼻薬をさっき使わなかったが、マジで鼻やばかった。この、スっとする感じたまらんなぁ。

この時の俺は知るよしもなかった。この些細な行動が勇者人生を狂わせることを。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「さっき挨拶してくると言ったが、やっぱりまた戻ってきたの?と言われそうだからやめとこう」

ソウジは自宅に戻ってきたものの挨拶は躊躇ったようだ。

「最後に親孝行しておくか」

ソウジは自分の洗いたての服をハンガーにかける。

「じゃあな、生きて帰ってくるぞ」

ソウジは静かに自宅を去った。だが、彼も些細な行動で勇者人生を変えてしまった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

魔王城にて

「魔王様!呪いが発動致しました!」

報告を聞いて魔王は疑問におもう。

「奴らはさっき見た時にはまだ武器など使っていなかったぞ」

「それが…。剣などに反応したわけではなく………………」

それを聞いて魔王は笑う。

「ふはははは、それは滑稽。奴らの反応が楽しみだ」

高齢なのに年甲斐もなく笑ってしまった。いや、あれはさすがに草。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

勇者サイド

今、俺達ロイルとソウジは森の中にいる。森は旅にでて最初に行くフィールドだ。森はたいして強い魔物もいないので、腕慣らしに丁度よい。だが、俺は森が好きではない。花粉が凄い飛んでいるからな。頻繁に点鼻薬を打たなければやばい。

「遂に旅が始まってしまったな。だが、俺はお前と旅ができてとても嬉しいぞ」

ソウジにそう言われて、こっちも嬉しい気分になった。

「ああ、俺も嬉しいよ」

俺は、勇者だが、1人では絶対に旅に出たくないと思っていた。ソウジがいるからこそ、勇者をやってられると言ってもいいと思う

う。

それから、とにかく歩く。ひたすら歩く。適度な休憩を挟み、また歩く。森に入って何時間かたったとき、1人の男が現れる。

「兄ちゃん達、旅人かなんかだろ?なら金もってんだろ?置いてけや」

その、ナイフをもって髭を生やした男がそう言ってくる。恐らく、こいつは山賊的な奴だろう。丁度いい、魔物ともまだ戦っていないから少し不安だったが、こいつで肩慣らししておくか。

「やるか、ソウジ」

「ああ」

そう言って、腰にある鞘に手をのばし、剣を抜く――事が出来なかった。抜く事が出来なかったというより、弾かれたというのが正しい。嘘だろおい、なんでだ?それはソウジも同じく、戸惑っている。剣が駄目なら予備のナイフで…。………それも弾かれた。やべぇよやべぇよどうすんだこれ…。

「なんだよどうしたんだ?ビビってんのか?」

なんか煽ってくる。だが、どうしようもない。くそっここまでか…。その時、頭に何かかたりかけてくる。

「………い。……えるか?」

誰だこいつ?よく聞き取ろうとする。

「おい、聞こえるか?我は魔王というものだが」

なんで魔王が話しかけてきてんの?疑問に思う。

「今、魔法でお前達の脳内に直接話しかけている。よく聞け、今のお前達は呪いにかかっている。我々がかけたものだ。」

この武器が使えないのってこいつのせいなの?

「我はお前達に呪いをかけてから最初に使った道具しか使用できない呪いにかかっている。お前達を困らせたかったのだ」

冗談じゃない。これでは本当に困る。てかなんでそんなこと教えてくれるの?教えなければよかったのに。

「なぜ教えてくれるのかだって?それは、こんな所でやられて欲しくないからだ。確かに、このままやられるのを見てもよい。だが、それでは謎の虚無感があるのだ。魔王なのにこんな勝ち方でいいのかと。前回もそうだった…」

俺は驚いた。魔王がそんな感情を抱くなんて。だが、確かに納得できるところもある。大会で不戦勝したときと同じ気持ちなのだろう。割とこいつ人間臭いな。ん?こいつ最後に気になることを言ったぞ?前回もそうだった?意味が分からない。

「おい、魔王。前回もとはどういう意味だ?」

魔王は笑う。

「なに、会うことがあればわかるだろう。それよりいいのか?今の状況だぞ?そんな話をしてていいのか?」

完全に忘れてた。なんか山賊が騒いでいる。てか、マジで襲って来そうなんだか。

「俺達が最初に使ったものはなんだ?いつ呪いかけられたか分かんねえから教えてくれ。いや、教えてください」

俺は少し言葉遣いを丁寧にして頼んだ。

「ここでやられるのは嫌だからな、教えてやろう。黒髪のお前は、点鼻薬。青髪の方はハンガーだ。これで教えた。頑張って我のもとへ辿り着け。待ってるぞ」

そこで交信は途切れた。…………………………………………………………。は?は?俺は2回もは?と言ってしまった。てかそれが誰もが抱く感想だろう。いや、無理じゃね?点鼻薬だぞ?鼻の通りを良くするあれだぞ?無理じゃん。これあげるから見逃してとでもいうのか?俺も俺だが、ソウジもソウジだ。ハンガーとかwww.そこで俺は考える。駄目だ。俺達の旅はここで終わる。チャンチャン。………………。やっぱり死にたくねえ…。隣でソウジがなんか言っている。

「逃げるぞ。そして一旦王のところへ戻るんだ」

俺は頷く。そして、2人は全速力で来た道を戻る。だが、山賊もおってくる。やべぇ、山賊なだけあって道に慣れてやがる。後ろを振り向くと、手が届く距離まで迫っていた。諦めるか!俺はとっさに、点鼻薬を山賊の目に、ふきかける。やっぱり点鼻薬は使用できるようだ。だが、使用の注意には人の目にかけてはいけないとある。すまない、だが、仕方なかったんだ。

「目、目がぁ~~~↑」

山賊は目を抑え、転げ回っている。これで逃げ切れる!(確信)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺達は何とか街に戻ってきた。

「何とか逃げ切れたな、はあ、はあ」

「ああ」

今、王城へと、向かっている。どう説明すんの?呪いで点鼻薬とハンガーしか使えませんとでも言うのか?ダサすぎる。そうこうしている内に、王城へ着いた。

「お前達、なんで戻ってきたんじゃ?」

俺達はことの経緯を説明する。

「そうか、そんな事があったのか…。困ったのう」

それは俺達もだ。どうしてくれるんだ。と、しばらくして、ソウジが口をひらく。

「呪いを解く魔法とか無いのですか?」

確かにそうだ。かける魔法があるのだから、解く魔法があってもよい。だが、

「あったとしても儂にできることは無い。無論、お前達もじゃが。魔法は確かに存在する。だが、それは魔物たちにとってじゃ。人間には到底使うことは出来ぬだろう」

その通りだ。魔法は、空気中にあるエネルギー的なもので使うらしい。だが、俺達人間にはそれを、感知できないのだ。でも魔物はそれを感知できる。悲しきことだ。

「では、どうすれば?」

「う~む」

王が考える。そして、何か思い出したような、素振りをする。口を開いた。

「儂の古くからの知り合いに霊媒師がおる。そいつはお前達が向かう次の街、メデナに住んでいる。向こうに着いたらそいつに、何とかしてもらってくれ」

霊媒師は魔法使いとは違う。魔法を使うことはできないが、エネルギーの、流れ的なものが分かるらしい。そんなことができるのは本当に一部の人だけだ。この際、そんな事はいい。この呪いか解ければ。

「とにかく、そいつに会うまで頑張ってくれや」

無責任だなぁ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺達は再び旅にでる。俺は点鼻薬を腰のホルダーにさし、ガンマンのような姿だ。ソウジもハンガーをあるだけもってきた。その際に家に行ったのだが親にハンガーしか使えないと言ったところ凄く笑われたのこと。可哀想に…。ちなみに、旅にでるまでの空いた時間を使って色々検証してみた。点鼻薬以外にも使えるものがないかと。一応コップや皿などの食事に使うものは使えた。だが、コップはコップでもガラスが素材のは弾かれたし、皿も紙のやつしか使えなかった。他にも詳しく調べたところ、呪いの判定は、殺傷能力があるかないかのようだ。プラスチックのコップで魔物を倒せるとか明らかに無理だからな。

「はぁ、こんなことになるなんてな」

俺はため息をつきながら言う。

「まあ、次の街までの辛抱だ。我慢しよう」

そう言うけども、やっぱり無謀だろう。こんな時にまた山賊でもあらわれたらどうしよう(フラグ)

「兄ちゃん達あの時の奴らだな、目に点鼻薬吹きかけたあの。許さねえ。フーフー」

本当に出やがった。俺は腰の点鼻薬を構える。ソウジもハンガーを二刀流のようにもつ。剣だったら格好よかったのだが、やっぱり少しダサいな。

「逃げてばっかもダメだよな。ロイル、いくぞ」

「おう」

2人は山賊に、向かって駆け出す。あらかじめ、どのように戦うのかは考えておいた。それを実行する。

「くらえい!」

俺は点鼻薬を山賊の目に向け、吹きかける。だが、

「もうその対策はできてんのよ」

奴は食らう寸前に目を閉じた。まあそりゃそうだ。この攻撃は初見殺し。2回目はない。だか、その目を閉じさせるというのが作戦だ。

「もう1人はどこへいった!?」

山賊の、後ろにソウジは立っていた。そしてハンガーをやつの頭部に――――――はめた。

「なんなんだよ、なんで、なんで、首が勝手に回る!?」

ソウジは答える。

「ハンガーを頭にはめるとよく分からんがそうなる。小さい頃によくやっていた」

山賊はハンガーを取ろうとする。その隙に、シュッ。水の音が鳴る。

「あ~~~~!!目がぁ~~~~~!!」

ハンガーを取ることに集中させ、こっちの存在をないと思わせたところで、点鼻薬を、吹きかける。完璧な作戦だ。そして、この隙に、逃げる。なぜ殴って攻撃しないのか?やれば倒せると思った人もいるだろう。何故なら、殴ったら痛いからだ。殴られた方も殴った方も痛い。そして、全速力で走る。本気で走る。道中、魔物と出くわしたが、無視。魔物はやはり森の奥にいたようだ。無視できずに攻撃してきた奴もいるが、点鼻薬を目に吹きかけて撃破。ソウジもハンガーを投げて攻撃している。魔物もコウモリとかなのでハンガーぶつけるだけで落とせるのだ。

何分も走った。見えた!森の出口だ。向こう側には街の光が見える。森の中で分からなかったがもう夜になっていた。

「上手くいったな。ここまで上手くハンガーを的中させるなんてな」

「お前も、点鼻薬のクイックドロウも凄かったぞ」

そうお互いを褒めあい、霊媒師がいる街、メデナに入る。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

霊媒師の場所について聞き込みしようと思ったがもう夜なので当然人は家にいるようだ。なので聞き込みは明日にしよう。だからまず、宿へ向かう。

「へい、2名様ですか?部屋はどうします?」

店員だ。若く、アルバイトのようだ。

「2名で安い部屋にしてくれ」

旅に出る前に金は多少もらった。だが、魔王討伐まで予算が足りなそうだ。向こうも経営者だからな。相手が勇者と言えど商売はせねば。だが、俺達が勇者というのはほとんどの人が知らないからな。普通に接すればいいか。でも、やべぇな。点鼻薬や、ハンガーの補充もしないといけないのに、これじゃすぐに金欠だ。最悪、バイトとか、物売ればいいか。

「じゃあ、1500gね」

「はい」

金(単位はg)を渡す。そして部屋へ案内され、入る。見た感じやっぱりなという感じで壁が少し剥がれてたりしている。まあ、安い部屋にしたからな。仕方ない。

俺とソウジは、

「「くは~~~~」」

早速部屋で寝転がる。ベットがあれば良いのだが、敷布団。寝れれば問題ないか。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺とソウジはそれぞれの布団に入りながら、ここまでの旅について話す。

「ここまで何とか辿り着けて良かったな。最初終わったかと思ったね」

「同感だ」

そして、これからの方針を立てる。

「まずは霊媒師だな。何とかして呪いを解くぞ」

「その次は仲間だな。2人じゃキツいだろう」

仲間か…。増えるのは当然嬉しいし、賑やかにもなる。でも、ソウジと2人でいる時間も減ってしまう。だが、第1の目標は魔王を討伐する事。それが終わるまで頑張るか。ソウジはどうだろう。

………。もう寝よう。その前に点鼻薬をうつ。これで完璧だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「寝たか、俺は仲間が増えたらいいなと思っている。だが、仲間が増えたとしても、ロイル、お前が1番の友だからな。……。俺も寝るか」


朝になった。朝飯はパンとフルーツ。金がないからな。贅沢は敵だ。ちなみにソウジはご飯派。

さて、飯も食ったし、聞き込みにいくか。

「この街にも役所があるだろう。そこで聞くのが手っ取り早いと思う」

「おっ、そうだな」


役所に着いた。やっぱり広いな。色々な人もいる。早速受付に聞いてみる。

「すみません、霊媒師の人ってどこにいますか?」

「あっ、霊媒師の方ですね。この街の地図で見ると、この場所ですね」

「ありがとうございます」

俺は会釈をしながら役所をでる。

「ロイル、どうだった?」

「地図で見ると、ここからそう遠くないようだ」

「路地裏にあるのか、いかにもそれっぽいな」

ひとまず、そこへ向かうとしよう。

しばらく歩き、

「ここだな」

The霊媒師と看板にある。もっとマシな店名はなかったのか?

ドアをノックし、入ってみる。

「失礼しまーす」

「おう、お前達が呪いをかけられた者じゃな?王から聞いておるぞ」

その霊媒師はコートをきていて、少しヨボヨボの老婆のようだ。確かに霊媒師みたいだな。

店を見渡すと、水晶やら、御札やら、関係あるようなものばっかだ。店はそんなに広くないな。奥を覗いてみると、生活風景が浮かぶ、リビングがあった。他に人はいない。1人暮らしか?色々見ていると声をかけられる。

「ここにはそんなめぼしいものはないぞ。この老いぼれ、後先短いのだ。もう夫もいない。静かに生涯を終えたいのう」

この老婆はもう霊媒師をする気はなかったのかもしれない。そこで俺達が押しかけてしまったのか。なんか申し訳ないなあ。

「気にすることわない。まあ、あの王に頼まれたことじゃ。やらんわけにはいかんだろう。とにかく、こちらにきたまえ」

俺達は老婆の前へいく。老婆は俺達を一通り観察して、

「お前達は確かに呪いかかっている。だが、あまりにも強力なゆえ、完全に解くことは出来ぬだろう。これ程とは、相当な呪術師じゃのう」

まじか、でも、少しは緩められるということだろう。やってもらった方がいいに決まっている。俺達はそれでもいいと頭を下げる。

「では、お願いします」

「おう、任せなさい。できる所まで頑張ってみよう。では、後ろを向きなさい」

老婆が意味不明な言葉をいい始める。

「ほわ~カハタサツハチハタtdp、はひ)ざ@いまかやなほおーーー、きえーーーーーーーー!!」

ドン!!痛え!!変な言葉いい始めたと思ったら思いっきり叩きやがった!うわあソウジも叩かれてる…。なんか背中ヒリヒリする…。

「これで少しは良くなっただろう。色々試してみるとよい。これからは気をつけるんじゃぞ?後、さらに先の街だが、儂よりも良い腕の霊媒師がいるぞ。そいつに頼んでみれば呪いがさらに解けるかもしれん」

「「ありがとうございます!!」」

ホッホッホッ。呑気に笑いやがって、マジで痛かったぞ。

俺達はThe霊媒師を後にする。そして、宿に戻ることにした。

宿に戻った後に、背中を、みせあったが、お互いにてのひらの痕が残っていた。ただの服を着ていただけとはいえ、服の上からでこれかよ…。たまげたなあ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次の日、俺達は何が出来るようになったか試していた。なんと、今まで使用することができたのは市販の点鼻薬だけだったが、病院で貰える点鼻薬まで使えるようになったのだ。これは大きな違いだ。病院の点鼻薬には市販のものより小型のものがあるのだ。つまり、持ちやすい。さらに衝撃の真実が発覚する。そもそも点鼻薬というのは箱の中にある液体であるため、必ずしも専用の箱の中の点鼻薬を使う必要が無いのだ。そう考えた俺は行動を起こした。おもちゃ屋で、水鉄砲を買ってきた。これに点鼻薬を入れれば射程が伸び、命中率も上がるだろう。ただ、水鉄砲に、入れるほどの点鼻薬は今の本数ではすぐに無くなるだろう。できるだけ使わないようにする。

ソウジの方も変化があった。元々プラスチックの、ハンガーしか使えなかったが、なんと、ソウジが鉄のハンガーを手に入れ使用することができた。プラスチックから鉄というのはかなり大きい。さらに、鎖をハンガーに取り付ける事でハンガーを振り回して攻撃できるようになった。問題は、あくまで攻撃できるのはハンガーで、鎖側で攻撃はできない。

「いや~あのバァさん本物だったな」

「ああ、おかげで戦うことは出来るだろう。だが、ハンガーも無料ではない。しかも鉄だ、できるだけ使い捨てはしたくないな」

俺達は森で魔物を練習相手として腕を磨きつつ、魔物の素材を売って金を貯めている。そして、しばらくはこれで過ごしている。今は、もう森の魔物で手こずることはない。金も十分に貯まってきたので、そろそろ次の街にいってもいいのかもしれない。

「そろそろ帰るか。疲れてきたし」

「そうだな」

実際俺達は昼から夜までずっと森にこもっていた。そして、戦い続けていた。呪いの変化などは色々と疑問に思ったことを試していた。その結果今に至る。 そして、帰り道。

「俺、役に立ってるか?お前がいなけりゃただ点鼻薬吹きかけてるただの変な人だぞ」

今日、戦い続けて思った。呪いが例え弱まったとしても俺なんか所詮もとの武器が点鼻薬。俺なんか居なくてもソウジだけでなんとかなるのでは?と。だが、ソウジは笑って言葉を返す。

「そんなわけあるか。確かに変な人に見えないことはないが、今日の中で何回も助けられた。それに、役に立つ立たないじゃなく、俺はお前がいるかいないかなんだ」

「なんか格好いいじゃねえか」

思わず、頬が緩み、にやけてしまう。その後は適当に話をして街に戻る。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

同時刻魔王城にて

「魔王様、奴らが呪いの一部を解いたようです」

「予想はしていたが意外と早いな。だが、奴らはあの武器とも言えないもののみで戦っているのだ。さすがに限界は来るだろう。ただ、今の奴らの力を見ておきたい。お前、奴を、スカルライダーを勇者共にぶつけろ。スカルライダーなら丁度よいくらいだろう」

「ははぁ!」

さあ、今のお前達の力を拝見させてもらおうか。魔王は心で微笑む。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

勇者サイド

次の日も、森にこもっていた。だが、これで最後だ。もう十分に、金は手に入り、武器(?)の腕もあげられた。

「よし、帰るか」

「おっ、そうだな」

明日にはこの街をでる。まあ、楽しかったよ。そして、いつも通り帰る。

…………………………………。ヒュッ!矢がとんできやがった。

「何やつ!!」

俺は叫びつつ、水鉄砲を構える。点鼻薬は手に入れた金で十分に買えた。遠慮なく使うぜ。また、ソウジもハンガーを構える。

「お前達が勇者だな。魔王様から聞いたぞ。俺は魔王様の幹部の右腕、スカルライダー。討ち取らせてもらう!!」

見た感じ、名前の通り骸骨だ。背丈は俺より少し高いくらいだな。そして、凄そうな弓を持っている。あと、なんでライダーとあるのに馬に乗ってないんだ?まさか乗れないのか?いや、そんなことはいい。やべぇよ、幹部の右腕だと!?今の俺達はまだ雑魚ぐらいしか倒したことがない。いけるか?俺はソウジと目を合わせ、アレをやるぞとアイコンタクトをおくる。そう、アレだ。山賊に使ったあのコンビネーション技。いける!俺は走る。そして、ソウジが回り込む。その時、スカルライダーは弓を捨てた。近接戦になると分かって捨てたのだろう。

「くらえやー!!」

俺は点鼻薬を放つ。よし!当たった!目に直撃だ!

「なんだそれは?」

なんで効いていない?俺はスカルライダーをよく見てみる。

はっ!骸骨だから目がないんだ!だから染みたりしない!完全に忘れていた。だが、ソウジはハンガーを持って回り込んでいる。「、、、、!!」

よし!これならいける!(確信)

「残念だが、少し遅いな」

「ぐはっ!」

ソウジが吹き飛ばされる。

「さすが幹部の右腕、簡単には倒せないか」

その通りだ。まず、骸骨の時点で俺はほぼ役に立たない。ソウジも足は速いほうだ。だが、それに奴はついてこれている。そして、体術。骸骨の癖に意外と起用だ。ソウジの吹き飛ばされた感じからして、人間よりも数倍は硬い体だ。やばいな、これは作戦を立て直すしかない!そう思い、ソウジと共に茂みの奥へと逃げる。

「なんだ、逃げるのか?私はここから動く気はない!もし戦うのならば待っていよう。だが、そのまま逃げればその程度だったということだ」

くそっなんとでもいいやがれ!でも、このままほうっておくのもやばいな。ひとまずソウジと作戦を考える。だが、いい案が思いつかない。やはり、俺が役ただずなのではないか?そう再び思い始めてしまう。

「前、ソウジは俺は役ただずじゃないと言ってくれた。だが、今回完全に足を引っ張っているのは俺だ。どうしたら?」

ソウジは真剣な眼差しでこちらをみる。

「そんな事はない。俺達は仲間だ。誰1人役ただずなんかにはしない。その為の作戦を考えるんだ」

…………………………………。何分もたった。駄目だ。どうしようもない。俺は………、役ただずだ。俺はまともにも戦うことができない。スカルライダーにも無視されるだろう。ん?無視される?何故無視されるんだ?それは俺の攻撃が役に立てないからだ。いや、それを利用すればいけるのでは?

「おい、ソウジ」

俺は声をかける。

「なんだ?作戦でも思いついたのか?」

俺は自信ありげに言う。

「ああ、役ただずだからできる作戦がな!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「よく逃げずに来たな。その行動は褒めてやる。だが、勝機があるのか?」

勇者は全速力でスカルライダー目掛けてはしる。水鉄砲を持って。

「また同じ戦術か、先程も通用しなかっただろう?」

勇者がこちらへ走ってくる。そして、後ろにはもう1人の勇者。目の前の水鉄砲はまずこちらには効かない。なら、後ろのもう1人の勇者に遠慮なくカウンターを狙える。勇者、この勝負はもらったぞ!

「うおおおおぉ!!!!!!」

やはり同じ攻撃、きかんな。……………………………。!?………なんだと!?俺の体に抱きついて!?水鉄砲は!?抱きつく寸前に捨てたのか!?くそっ、このままではカウンターが出来ず、攻撃を、受けてしまう!

「おい、離れろ!!」

勇者は離れない。思いっきり抱きついてやがる。だが、よく考えればもう1人の武器はハンガー、それなら大したダメージにはならないだろう。そして、攻撃の後の隙を、つく!来たぞ!もう1人が!

「ぉぉおおおおおお!!!!!」

………………………!?、こいつ、ハンガーを、ぶつけるのではなく、頭にかけやがった!?だが、それだけ。終わりだ。

「ロイル!頭を引っ張れ!」

こいつ、これが狙いか!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「この作戦は俺が奴にとって無害だと思われてるからこそできる」

「どういうことだ?」

「もし俺が先程と同じように水鉄砲を持って走ったらどうなると思う?」

「そりゃ無視されて俺の方を叩くだろうな」

「そうだろうな」

だからこそこの作戦だ。

「奴は俺に必ずノーマークになる。そこで俺が奴に飛びつき、行動を止める。そこで奴にハンガーをひっかけ、引っ張って奴の頭を粉砕するんだ。これで行くしかない!」

そう言い、俺は点鼻薬で鼻の通りを良くする。

「これで準備万端だ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「うぉぉおおおお!!砕けろーーーー!!」

ピキッ、スカルライダーの頭部にヒビが入る。

「くそっ、小賢しいまねを!」

スカルライダーは何とか振りほどこうとするが、俺は必死に掴む。

「あと少し!踏ん張れーーーーーー!!!!」

バキンッ、遂に頭部の骨が割れる。そして、体が崩れていく。その勢いで俺は吹き飛ばされる。

「ぐおおおおおおお!!!」

やったか?

「まだだ、せめてお前だけでもおぉぉぉぉ!!!!」

スカルライダーが俺に手を伸ばす。勝ったと思ったのに、くそっ。

だが、その手は届くことはなかった。ソウジの鎖つきのハンガーが奴を完璧に砕いた。

「残念だが、それは無理だな」

俺は安堵する。またソウジに助けられた。俺が立ち上がれずにいると、ソウジが手を伸ばす。そして、俺はその手を掴み、立ち上がる。

「こいつを倒せたのはロイル、お前が諦めず立ち向かう勇気があったからだ。ありがとう」

ありがとうはこちらのセリフだ。お前が最後まで役割を俺に与えてくれたからだ。

「ソウジ、お前には感謝してもしきれないな」

「なんだよ、仲間だろ?」

「そうだな、よし、帰るか」

「ああ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

魔王城にて

「魔王様!スカルライダーがやられました!」

魔王は驚く。スカルライダーは丁度よいレベルといったが、本来奴らより1段階は強い。

「さすが、あのときの奴の息子だな。我と親子の戦いといっても過言ではないだろう。せいぜい頑張ることだな」

魔王が謎の虚無感を抱いたのは前の勇者との戦い。つまり、ロイルの父との戦いだ。お互いに、死力を絞り出して戦った。だが、魔王が押され、最後の一撃となるだろう攻撃を受ける瞬間、勇者が足を捻ったのだ。バランスを崩し、倒れる勇者。その隙を魔王は逃さなかった。何とかギリギリで勝てたのだ。誤算は、魔王の息子を勇者が先に倒してしまったため、後継者がいなくなってしまったことだ。でもそんな事は魔王にとってはささいことだ。勇者との戦いで傷ついた体を治すためにしばらくの休みをとる。だが、その度に思い出してしまう。あの時の感情を。だから、魔王はそのモヤモヤの感情を無くすために今回の戦いに臨んだ。呪いをかけたときも、本当に勇者とこのままいって戦えるのか?と疑問に思った。だが、奴らはその障害を乗り越え、向かってきている。奴ら、勇者の息子達と戦えるのでは?と期待を抱く。そこで魔王は悩む。勇者がここに来るのを阻止し、世界を征服する。それが本来の魔王の在り方なのでは?自分の悩みはそれを根元から否定してしまっているのでは?と。そんな事を考え、魔王は玉座に着く。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

勇者サイド

「いい朝だ」

そう言ってロイルは目覚める。昨晩のことを思い出し考える。

俺は役ただずではない。俺には俺にしか出来ないことがある。俺にだけできて、ソウジには出来ないこと。それを頑張って行こうと思う。これからもこんな事があるかもしれない。でも、それを俺、ソウジ、増えるかもしれない仲間で乗り越えて行こうと思う。

「おう、ようやく起きたか。もうこの街をでるんだろ?急ごうぜ?」

俺は素早く服を着替え、持ち物を持って宿をでた。ソウジと共に。忘れものはないだろうな?もう1回宿を出たあとで確認する。

出たあとでは遅いのだが。よし、忘れもの無し!

「行けるぜ!」

「よし、いくか」

そんな会話をし、鼻が詰まっていた俺は点鼻薬をうった。






こんにちは。投稿者です。本作品は初投稿で、おかしな部分などが多くなってしまったかもしれません。謝罪する点として、所々内容が薄くなってしまっているかもしれません。あと、ソウジと言ういかにも日本人じゃないかと思った方すみません。思いつかなかったんです。キャラクター考えてる人は凄いと思いました。戦闘シーンももっと格好よくできたらなあと思いました。何故魔王が前の勇者の、息子ということを知っているのか?という部分は、勇者の家系の仕組みを知っているからです。変なストーリーですが、読んでくれた方、ありがとうございます。

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