最終決戦、魔王アングラージとの戦い①
アデル先生、マーハイヤー先生は前に進み、ティアに向かい話はじめる。
「マクガイヤー、聞いて欲しい。君は今大事な仲間達を魔力を使って、手下として取り込んでいるんだぞ。」
「ティア様、この変わり果てた同胞を見てください。」
「そうね、レイチェル様。あなたの大好きなリクイド殿下も思いのままよ。」
「リークこちらに来て。」リクイド殿下はティアの側まで来る。
「リクイド殿下、私にキスをしてください。」リクイド殿下の目が赤く光。
「さぁ、レイチェル様の見ている前で。」
リクイド殿下は、ティアの頬を触り顔を近づける。
ティアは、「ティアに私達の仲を見せつけましょう。」勝ち誇ったように妖艶に笑っている。
リクイド殿下とティアがキス。
ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメーー。
私の身体から、怒り、悲しみ、苦しみ、リクイド殿下の思いが一気に沸き上がる。
ダメ、ダメ、ダメーーーー。と叫んだ瞬間、体から光が溢れでていた。
聖なる光を放った時、ウインディーネも聖なる水を講堂内に振りかけた。
聖なる光と聖なる水でが生徒達に降りかかり、生徒達は気を失うように倒れていった。
アデル先生は近くに倒れた生徒の首に手をあてた。
「よかった、生きてる。」
マーハイヤー先生も「こっちの生徒も同じだ、気を失っているだけのようだ。」
それを聞いてへなへなっと座り込んだ。
はっ、リクイド殿下は。
壇上の方を見ると、同じように殿下とティアは倒れていた。
私は力の入らない足を叱咤して立ち上がり、リクイド殿下に歩みよる。
その時
「ううっ」とうめきながらティアが立ち上がった。
「よくもやってくれたな。」ティアの声ともう一人の声がダブる。
「許さない。レイチェル、お前はゆるさい。」
「うわーーーーーーーーー。」うめくような、地響きのような声と共に地は揺れ、天は闇に覆われた。
ティアの目は赤く光、体は闇のオーラに包まれて、その後ろには更に大きな闇が広がり魔王アングラージの姿があった。
「この女は我の者。この女は我と契約した、我はこの女の魂に一体化した、これで自由に動けるわ。」
「魔王アングラージ、まだ欠片が残っていたのか。」
「アデル、ゆるさぁーーーーん」
魔王アングラージは破壊魔法エクスパーソルをアデル先生に放った。
アデル先生は保護魔法を唱えたが遅く、吹き飛ばされた。
「アデルーーーーー。」
マーハイヤー先生は、すかさず攻撃魔法をアングラージに何度も打ち付けた。
「よくも、アングラージ。ハーデス、ハーデェースーーーー。」
アングラージは、意図も簡単に攻撃魔法を弾き返した。
「バカ目、そのような攻撃効かぬわーーー。」
アングラージは笑い飛ばし、「どうした、マーハイヤー。そのような魔法で、我が倒せると思ったか。」
「レイチェル、君の聖魔法を一緒にぶつけて欲しい。」
祈ってくれ、魔王アングラージの力を緩めないと
「行けるかレイチェル」
「はい、アデル先生」
私は祈りはじめる。
行くぞ。アデル先生、マーハイヤー先生ふたの「エクスパーソル」黒い稲妻の光をアングラージに放つ
それと同時に私は、祈りの光の矢をアングラージに放った。
重なりあった光は魔王アングラージに当たった。
「わぁぁぁーーーーー。」魔王アングラージの呻きが響きわたる。
光が薄れ、アングラージの赤黒い塊がティアから離れ、ティアはどさりと地面に倒れた。
「ティア様ァァァーーーー。」私は駆けよろうとしたが、マーハイヤー先生に止められた。
「待て、私が見てくる。レイチェルはそこで待ちなさい。」
制止られた私は頷き、下がった。
「マクガイヤー、大丈夫か?」
マーハイヤー先生は、ティアの首筋に手をあてた。
「息がある、大丈夫生きている。」
マーハイヤー先生はティアを抱き上げこちらに戻って来ようとしたとき。
大きな赤黒い影が、崩れた人のような姿に変わった。
「魔王アングラージ」アデル先生とマーハイヤーの声が重なる
あれが魔王アングラージ。
もう人の形を止めていない。
その時
「父上もうおやめ下さい。」
聞き覚えのある声、私は声の方に向く。
「アレクセイ様。」
ですが今、父上って言いましたよね。
アレクセイ様が、魔王アングラージの息子。
何故。