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魔王アングラージ

アレクセイは、邪悪な空気を読みとった。

「魔王アングラージ様の気、とうとう動きだされたのか。」


赤い魔石だけでなく、呪いの書まで使われたのか。


「くそっ、このままじゃレイチェル達があぶない」





ああっ、最近ティアの様子が急激におかしいわ。

アレクセイ様が、ティアと殿下を接触をしないようにしてくれていたのに、そんなこと臆せず、どんどん殿下に付きまとい、殿下を思いのままにしている。


「私には、何がなんだか分からないわ。」


顔を近づけて話したり、腕を絡ませ密着して殿下の腕に胸を押し付けているのに、殿下は無表情で何も言われない。


殿下は、ティアにされるがままなんですもの。

悲し過ぎます。



向こうから、殿下とティアがやってきたわ。


私は殿下に駆け寄り、「殿下酷いです。私と言う婚約者がありながら、公の場で女性と密着されるなんて、どうしてなんですの?

そう訴えていると頭に流れるように、ウインディーネの声が聞こえる。


私の守護神、水の上位精霊であるウインディーネが「あの子から魔の匂いがする」と言う。


魔の匂いが、まさかあの赤い宝石は

、魔法石、魔王アングラージの赤の宝石。


私は声に出さず、ディーネと同じように返した。


「ディーネ。じゃあティアは、アングラージの手に落ちたと言うこと?」


「多分そうね、赤は魔王の証だもの、秘めた邪悪が漂っているわ」


これは大変なことになったわ、ティアが魔王と契約するなんて。


どうすれば、契約を解くことが出来るのかしら?

それは分からない。

出来る自信も無い、悪魔を倒すとか無理難題すぎます。

急いで、アレクセイ様に相談しなければいけない。

そう思ったその時

「レイチェル様、リークは初めから貴女なんて興味がなかったのよ。私が

((転生聖女は王子と王国を救う))の主人公なんだから、悪役令嬢のレイチェルはいらないのよ。貴女なんて私の引き立て役よ、断罪されて何処かへ消えてよ。」


ああっ、何てことでしょう。自分で言ったわよ。

こんなの聖女じゃ無いじゃない、どうみても、悪役令嬢はティア。悪魔はティアじゃないの。


「いい加減そこをどきなさい。」ティアの体は赤い炎に包まれ、そしてキッと睨み付けられた時、私の体は動けなくなった。


「行きましょう、殿下」と言い更に腕を絡ませ、殿下を連れて歩いて行く。

殿下は何も言わず、無表情のままティアにされるがままの状態であった。


その姿は見るからにおかしかった。


レイチェルは、ハッと体が動いた。


「これも、ティアの宝石の力なのね。」


私は急いで、アレクセイの居そうな場所を探しにいった。


暫く探していると、中庭にアレクセイの姿が見えた。

彼は綺麗なので直ぐに目立つ。

赤毛に小麦色の肌、切れ長でスカイブルーの瞳、背が高くとても美しいのですもの。


でも大好きなのは、リクイド殿下だけですけど。


いや、今は関係ないわ。私ったら。


中庭にいるアレクセイ様に近寄り、声をかけた。


「アレクセイ様、探しました。ご相談があります。」


アレクセイ様は振り返り、私に言った「何の話しか想像がつくよ、ティアの事だよね」


この異様な空気、魔素酔いしそうだよと、アレクセイ様自信は何事も無いように言われる。


確かにここまで来るまでに、魔力の弱い人達は、バタバタと倒れていた。


「この原因ティアだよね、あの赤い魔石のせいだよね。いや違うな、以前より魔力が増している。」


あのティアだけで、これだけの魔力は不自然だとアレクセイ様は言う。


「はい、ディーネも魔族の力が働いていると感じています。もしもですが、ティアは魔王アングラージと血の契約を交わしたのでは?」


「ああ、そうだと思うね。酷い魔族の魔素量だよ。」


なぜでしょうか?私は全く大丈夫なのですが。とりあえず私とアレクセイ様はティアとリクイド殿下を探すしことにした。


アレクセイ様は、「まず、人探しの魔法で殿下を探すよ」といい魔法の杖を出し呪文を唱えた。


光と共に丸い円の呪文サークルから殿下とティアの姿が浮かび上がった。


「アレクセイ様、講堂のようですね。」


「ああ、急ごう」私達二人は講堂に向かう途中、ティアの声が脳内に語りかけてきた。


((親愛なる学園の皆さん、我学園を支配するティア・マクガイヤーです。私の力でこの学園をより良くいたします。私の言う事は絶対ですのよ。

さあ、学園の皆様講堂へお集まりください。))

ティアの声で頭がガンガンします。


倒れ込んでいた生徒は、ゆらりと立ち上がり、魔力の弱い生徒達は、ゆらゆらと講堂へむかった。


「ティアの魔力に落ちていないのは、私だけなのでしょうか?」


「分からないが、ぼく達も講堂へ急ごう」

「はい!」


ゆらゆらと歩く生徒を避けながら、講堂へむかった。

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