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前世のわたくし

レイチェルの中に存在しております、菊水あかねと申します。

レイチェルも驚いていると思います、行きなり菊水あかねの記憶が流れ混んで来たのだから。

わたくしの事をお話しさせて貰います。

享年48歳。

息子と娘、わたくしの3人暮らしで夫は3年前に他界致しました。

息子は大学卒業後企業に就職し自立しました、娘は息子より6才も下ですのでまだ高校生です、娘の百合子はネット小説の悪役令嬢物や聖女物が大好きで、良くわたくしに話してまいります。

「はい、はい、」と言って聞いてません、興味ありませんもの。そんな日常を過ごしていました。

とあるある日、仕事帰り歩道を歩いていたわたくしは後ろからグオオオオオっと凄い勢いの音で振り返り、そこから記憶がありません。

そうわたくしは、ブレーキとアクセルを間違えてわたくし目掛けて突っ込んできた車に引き殺されたのです。


その記憶と今のレイチェルの記憶で、わたくしはレイチェルとして過ごさねばならなくなったのです。


気がつけば私はベットの上でした。


目を開くと見知らぬ豪華なお部屋でした。

「うっ」


起き上がろうとしたのですが、頭が異常に痛く1人で起き上がる事が出来ません。


「大丈夫ですか、お嬢様」


若い女の人の声が聞こえ、そちらを向くと「アンジェ」私付きの侍女がいたので、私はほっとしたのです。


「アンジェ、私どうしたの?」


「レイチェル様、覚えていらっしゃら無いのですか?王太子殿下を見て、倒れられたのですよ」


「倒れた、どうりで頭が痛い訳なのね」


「はい、倒れられた時に頭を強く打ったようで、たんこぶが出来ておりました、ですが王太子殿下が王宮医師を手配下さり、直ぐ様冷やし手当を施しています、ご気分の方は如何でございますか?


「そうね、気分も悪くないわ。頭が痛い以外今のところ大丈夫なようだわ」


アンジェは、もう一人の侍女に私が目を覚ました事や容態を簡単に伝え殿下に知らせるよう手配した、良く出来た侍女である。


その時


「レイチェル気がついたのか?」ノックもせず勢いよくドアが開いたのです。

私はビクッとしたが、持ち直し何食わぬ顔で

「おっ、王太子殿下、わざわざお越し頂きありがとうございます。本当でしたらこちらから謝罪に伺わ無ければ行けませんのに、申し訳ありません。

後程、王妃様にもお詫びにまいります。」


「いや、その必要は無い。突然気分が悪くなったのであろうから、良いとのことだ。

それについては、レイチェルが気にやむ事はない、母からは養生しろとの事だ」

「嫌、私を見て急に倒れられたのだ。私はレイチェルに何かしてしまったのだろうか?」

「本当に申し訳無い」


殿下は頭を下げられ、慌ててしまいます。


「いいえ、殿下は何も悪くはありません。こちらの方こそ失礼な態度で申し訳ありませんでした。」


ここは、かわいく笑って誤魔化そう。


「ですがこのようにお見舞いに来て下さってとても嬉しいです。」

と頬を染めてふわりと微笑んだのだ。


王太子殿下は目を見開き、数秒固まっていらした。

きっと悪魔なレイチェルが、可愛く微笑んだのだ事にびっくりされたのだろう。


あのレイチェルが、あのように微笑む事ができるのか、私は不覚にもその愛らしい微笑みに見とれてしまった。

あれは見間違いだ、絶対に何かある、これからじっくり観察しないとな。

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