2.クッ、死ぬ前にパフェを…パフェを食べたかった……!
私はその細道に走っていった。車一台通れるかどうかの迷路のような入り組んだ道を通り、カフェの近くの公園に出た。
カフェまで走っていこうとしたその時
「あ…………」
私は目の前に現れた男を見て立ちすくんだ。男は私に気づいて、ニタリと笑った。
男はTシャツに黒のズボン、ジャケットとどこでも見かける服装だ。しかし、その男の手にはボーガンが握られていた。しかも、男のギョロリとした目は血走っており、頬は痩せこけ、肌は青白く、余計に不気味さを際立たせていた。
男はボーガンをゆっくりと持ち上げた。私は全く動くことができず、ボーガンが持ち上がる様を見ていることしかできなかった。
ボーガンは私の方を向いて、ピタリと動かなくなった。男はボーガンにカチリと矢をつがえた。
ザシュッ
何が起こったのかよくわからなかった。地面がゆっくりと近づいてくる。
ドサッ
何?一体何が起こったの?
混乱して声も発せずにいると、目に自分の手が映り込んだ。手には赤黒いねっとりとしたものがついていた。
何これ?血?
地面に私を中心にして広がる血が見えた。
これ、私の?ああ、そうか。あの音は矢が私を貫通した音だったんだ。
あれ?てことは、私死ぬの?
……まあ、いいか。どうせいつかは死ぬものだし。私は他の人より早かっただけ。死ねば、勉強しなくて済むし、両親達に殴られなくて済むし。あ〜、友達と会えなくなるのは寂しいかも。でも、別に思い残すようなことはもう何も………
はっ、私のパフェちゃん!!
今日こそは“はちみつとあんこのあんかけスペシャルデラックスパフェ”を食べようと思ったのに!!
そう考えている間にも目の前が真っ暗になり、寒くなってきた。痛みはなぜだかあまり感じない。
フッ、もう終わりか……。それにしても私、まだピチピチの中学2年生、14歳なんだけど。
クッ、最後に“はちみつとあんこのあんかけスペシャルデラックスパフェ”を食べてみたかった。
無念…………!!
ガクッ
転生前の話はこれで終わりです。
気づいた方もいると思いますが、主人公は虐待を受けています。親だけじゃなく、妹2人からもひどい扱いを受けている設定です。
そんな中で明るい正確に育った主人公はすごいですね。
次から転生後の話となります!