放課後の教室
百合が苦手な方は、読まない事をオススメします。
放課後......それは学生にとっては至福の一時。
勉強と言う名の強制労働、学校と言う名の監獄から開放(釈放)される時間......それが放課後だ。
ある人は部活動で汗を流し、ある人は友人と雑談に花を咲かせながら帰路に着く。またある人は、シーンと静まりかえった教室でプリントに向き合っている......今の私のようにね。
だいたい何様さ?「日頃の授業態度が悪い為に課題を出す」って......そんなに私の授業態度が悪い? ただ先生の目の前で睡眠学習してるだけじゃない!......はぁー、わかってますよ。私が悪いってことぐらい。でもね、仕方ないんですよ......睡魔には勝てないんですよ!
「ねぇー、まだ課題終わらないの?」
そう聞いてくるのは私の恋人の月夜柚月だ。
え?じゃー、そうゆうお前は男かって?いえいえ、生粋の大和ガールですが何か?愛に性別なんて些細なことなのだよ諸君。それが理解できない内はまだまだお子ちゃまだね!
「何ニヤニヤしてるのよ......」
「いや、ユズの事考えるとつい」
「......バカ」
そう言って手元の本に視線を戻すユズ......だがその顔がほんのり赤く染まっているのを見逃す私ではない!私の目からは逃げられないのだー!!
「ユズ」
「何?」
「照れてるユズ......可愛い」
「っ!? い、良いから早く終わらせなさい!」
「は~い!」
はぁー......全く、こっちだって好きでこんな事やってる訳じゃないのに......まぁ、可愛いユズが拝めたので良しとしよう!
「ね~、ユズー」
「今度はなによ......」
「これあと5分で終わったらご褒美ちょーだい!」
「ご褒美ってなによ......」
「んー......、そうだなー......」
ご褒美って、響きがエロいよね......おっと思考が脱線した。ご褒美か......言われてみれば何が良いかな?
今日は金曜日だから明日は休み......あ!
「今日一緒にお風呂入って、同じベッドで寝よ!!」
「なっ?!」
一瞬で耳まで真っ赤に染め、赤面するユズがすごく可愛い......いや愛しい。
今すぐ押し倒したい衝動をなんとか理性で押さえ込む。この私にここまでのダメージ......ユズ、恐ろしい子。
「......ぃよ」
「ん?」
「良いって言ってるのよ! 何度も言わせないでよバカ!」
「え?!本当に!?」
やばい、ヤルk......げふんげふん!もっといやる気とテンションが上がって来たああああぁぁぁぁあああ!!
「約束だよ!」
「わかってるわよ!!早くやりなさい!」
よ~し、頑張るぞ~!
~4分後~
「終わった~!」
「早?!てか、こんなに早く終わるなら、最初からやりなさいよ!」
「私は"ご褒美がないと本気が出せない病"なのだよ!」
「そんな病気聞いたことないわよ!! あんたクズ!?」
「ナンノコトダカワカリマセン」
邪魔者(課題)は消え去った......後は、
「ユズ?」
「あぁぁあああ! もう、わかってるわよ! ほら、帰るわよ!」
「わぁーい! で......どこに?(ニヤニヤ)」
この照れて最高に可愛いユズをもうちょっと見ていたい......もといからかっていたい。
「わ、私の部屋によバカ!!」
キュン......。
「もう!......帰るわよ、深雪」
「うん!」
ふふふ......今夜が楽しみだな~!
最高にハイになって、灰になってやるZE☆
教室を出て、私の隣で顔を赤くしながら歩くユズを見てるとさっき押さえ込んだ感情が再びこみ上げてきた。
「......ユズ」
「何?」
「愛してる」
「......私もよ、バカ」
チュッ
私達の湿り気を帯びた口付けの音は、放課後の廊下に響く事なく消えていった。