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第1編 Justice of Bullet  作者: SEED
サイドストーリー
8/28

SS 『恋』後編



天翔からクリスマスの誘いをうけてから2週間がたった。天翔は今でもクリスマスの誘いをうけてるそうだ。私も3人の男子から声をかけられた。


そしてクリスマスイヴ前日、今は冬休みで学校はない。なので私は天翔の家に遊びに来ていた。


「そういえば沙紀。おまえ結局あのあと何人の男子から声かけられたんだ?」


「え、私?私は.....3人だよ。天翔は?」


「俺か?俺は確か16、7人だったはず...」


「そ、そんなに?!」


「ああ、何人か後輩も混ざってたな。」


やっぱり天翔はモテるんだ〜。と思いながら私はテレビを見ていた。天翔はさっきからノートパソコンの画面をずっと見ている。いつもパソコン持ってるけど何を見ているんだろう...


「ねぇ、天翔。いつもパソコン持ってるけど何を見てるの?」


「ん?ああ、ニュースだよ。」


「へぇ〜。」


天翔の隣に行き、画面を覗くとそこにはいろいろなニュースサイトが出ていた。そして天翔はパソコンを閉じ、テレビを見ながら私に話しかけてきた。


「なぁ、明日はどこにいきたい?」


「え.....あ、明日?!」


「おいおい、イヴに出かける約束しただろ?そのために開けておいたのに。」


「(そのために開けておいた.....)」


「どうした?」


「ねぇ、天翔。もし私との約束無かったら他の誰かと約束してた?」


「.......ああ、してたな。」


え.......天翔って好きな人いたの?この選択肢は今まで考えていなかった。


「どうした?沙紀」


「え、い、いや。なんでもないよ。」


「そうか。で、どうする?無難に映画館とかにするか?」


「それもいいな〜。でも、町中も少し歩いてみたくない?」


「そうだな。じゃぁ、映画を見てから駅前をぶらつく位の予定でいいか。」


「うん♪」


とにかく、明日は楽しみだ。そしてそのあと天翔に夕食を作り、私は家を出た。送ると言われたが断った。一人で帰りたい気分だったのだ。


「明日はついに天翔とデート.....か。告白しないと!」


気合いを入れて家に帰る、玄関を開けるとそこには母親がいた。


「こんな時間までどこに行ってたの?」


時刻は9時をすぎている。さすがに怒られるだろう。


「天翔の家に行ってたの。天翔は両親が海外でいないし、だから夕食を作ってあげてきた。」


「ああ!天翔くんの家に行ってたの♪なら別にかまわないわ、元気だった?」


「うん。元気だったよ。」


私の両親と天翔の両親は知り合いだ。昔から知っている。だからか海外に行くとき、息子のことを時々でいいから気にかけてくれと言われているらしい。だから私の母親も父親も天翔には昔から優しく接している。なんせ幼稚園からの仲だ。

私はそのまま部屋に上がり、風呂に入る準備をする。携帯を開くとメールが入っていた。


『あした、沙紀の家に9時に行くから待っていてくれ。』

そう書いてあった。私はその携帯を胸に当て、喜んだ。


「あらあら、天翔くんからのデートの誘い?」


「!!!!!??お母さん!!!」


ドアの前にはお母さんがいた。


「天翔くん。この前スーパーで見たけどホントにかっこ良くなっていたしね。そろそろ告白する時期じゃない?なんていったって小学生のころからずっと好きだったんでしょ。」


「わ、分かってるよ!!私今からお風呂にはいるから。」


そして風呂に入り、そのままベッドに入る。今日は朝から天翔の家に居たから知らない間に疲れていたのかもしれない。


「おやすみ....」


私はそうつぶやいてそのまま深い眠りについた。







そして朝。深い眠りの中で私の体は揺れていた。そして多くからうっすらと声もかけられている。


「い。おき....ろ.......朝だぞ〜。」


私は意識を覚醒させるべく目を開けた。そこには天翔の顔がドアップで映し出されていた。


「か、か、天翔!!!?どうしているの!!!?」


「家に来てみればまだ沙紀が寝てるって沙紀のお母さんが言うから部屋に通してもらったんだよ。」


なるほど、お母さんのせいか(怒)私は心の中で母親を呪った。それよりも今の現状をなんとかせねば!


「そういえば....」


「何?」


「.....寝顔可愛かった...ぞ。」照れた顔で言うからこっちも対処に困る。


「え、、っと。あ、ありがと。」私も顔が熱くなってきた。


「(やばい、これ嬉しい。けど....恥ずかしい!)」


そして着替えを無事すませ、出かける。両親はどちらもいなかった。








映画はアクション系をみた。私も天翔も特に見たい映画もなかったためクリスマス限定映画をみた。


「しかし、クリスマス限定でアクション映画なんだ...」


「そうだね。でも面白かったからいいじゃない。」


「そうだな。」


私たちは今映画を見終わり、駅前をぶらぶらと歩いていた。時刻は7時。


「ねぇ、天翔。」


「どうした?」天翔はビルの壁にかかっている大型スクリーンに目を向けながら返事をする。


「あ、の。行きたいところがあるんだけど。いいかな?」


「?ああ。別にいいぞ。」


「じゃぁ、行こう♪」


私は天翔の手を握って歩き始める。今思うと、なんて軽率な行動だったんだろう。






そして10分ほどあるき、自分たちの家の近くの展望公園にたどりついた。ここは幼稚園のころから天翔と一緒に遊んだ大切な場所だ。展望台からは綺麗にライトアップされている町並みが見える。私と天翔は展望台の上にあるベンチに座り、町並みを見ていた。


「綺麗だな。」


「うん。覚えてる?私たちここで幼稚園の頃からずっと遊んでたんだよ?」


「ああ、もちろん覚えてる。あの頃は楽しかった。」




そして会話が途切れる。.................


周りには人が一人もいない。そして当たりは公園を照らす街灯しかない。

私は意を決して告白を決意する。


「天翔。」


「ん?」


「覚えてる?ここで小学生の時に『ずっと、ずっと一緒に居ようね。』っていう約束。」


「ああ、覚えてるよ。俺にとっても大切な思い出だからな。」


「..........」


「..........」


「私ね、ずっとずっと.......天翔の事好きでした!.....だから、つきあってください。」


「..........」


「私ね、もう幼馴染はいやなの。こんなに思ってるのに、もう.....無理だよ!」


私は泣いていた。気づかなかった、自分でも。でも、言えた。


「沙紀......」


「天翔にも好きな人はいるのかもしれない。だけどね、私は天翔の事だ好き!大好きなの!」


涙があふれてくる、もう止められない。もう......泣くしかなかった。これで断られても、私に悔いはない。でも、幼馴染という関係がこれで壊れてしまうのは.....もっと悲しい。


「お、れは。.......」


「天翔の事はずっと好きだよ。だけど、恋人になれなくても.....私の幼馴染でいてね。」


「.....なんて悲しい事いうんだよ。」


「だって....ヒック、うう。」


「俺も好きだから.......」


「え?...」


「俺も沙紀の事、ずっと好きだった。俺もこの思いを押さえておくのはいやだ。」


そして天翔は私を抱きしめた。夢じゃないかと思った。でも、これは現実で。私たちは小学生のころから...両想いだったんだ。


「私は....天翔の大切な人に....なれる?」


「沙紀はずっとずっと前から....俺の大切な人だよ。」


そして天翔は私の肩をつかみ、瞳を見てくる。私は目を伏せた。


天翔の唇と私の唇が重なり、頭の中が真っ白になった。


唇を離し、


「天翔......大好き!」


「俺もだよ。沙紀。」




そうしてクリスマスイヴの夜は更けていった。










そして冬休みが明けて、学校に行くと大騒ぎだった。なんていったって学年一、ニを争う美人と学年一、二位を争うイケメンに同時に恋人ができたのだから。


私たちは手をつないで学校に登校した。それを誰かが目撃し、噂が広まった。


「沙紀。ホントに恋人できたの?」


クラスにいくとまずそれを聞かれた。私は


「うん、できたよ。クリスマスに告白したの。」


「誰なの?それ!」クラスの女子全員が騒いでいる。男子は聞き耳をたてている。天翔は相変わらず読書。


「え〜と、.....天翔だよ。」


私は言ってから天翔の席に向かって歩く。


「ね、天翔♪」


「なんで言っちゃうんだよ。」


クラス全員....ボー然。


そして女子からは「天翔く〜ん」という甘い声が。男子からは「沙紀さ〜ん」と嘆かわしい声が響いた。


そして隣にいた天翔がいきなり席を立ち、私を引き寄せた。


そして..............キス(唇に)


「「「「「え〜〜!!!!!?????」」」」


「か、天翔!なんでこんな場所でするの!?」


「いや、みんなに言っておいた方がいいかと思って。特に男子にね。他の男子に何かされたら俺の体が勝手に動いてそいつを殺しちゃうかもしれないしね。」


と微笑んでいた。




これが私と天翔が恋人になった経緯だ。そして私たちは今でも両思いのラブラブです♪

これでSSは終わりです。


次回からは第2章開始です!!

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