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第1編 Justice of Bullet  作者: SEED
第1章 裏の自分
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正義

俺と紗紀は今生徒会室に向かって階段を上っている。この学校は北校舎、南校舎によってできている。二つの校舎は一階と三階の渡り廊下によって繋がっている。生徒会室は南校舎の4階にある。俺と沙紀はその渡り廊下を歩いている。窓からは桜が見える。


「綺麗だな。」


「えっ!!(カァァ)」と横で赤くなる。


「いや.......沙紀のことじゃなくて、桜なんだけど。」


「(………)」思いっきりガッカリしてるし。仕方が無い。


「桜と同じ位綺麗だよ、沙紀。」とフォローを入れる。


「うん!」そして俺の腕に抱きついてくる。何を言っても離れそうにないのでそのまま歩く。





生徒会室に着いた.........しかし、沙紀は離れようとしない。


「沙紀、もう離れろ。な?」とあくまで優しく言う。


「いやだ。」と頬を膨らます。


「後で帰りに手をつないでやるから。」とぎりぎりの譲歩を取ると沙紀は素直に?離れてくれた。


(コンコン)


「失礼します。」


「どうぞ〜〜」と中から優月会長の声が聞こえてくる。


(ガラッ)


ドアを開けると正面から衝撃がきた。確認すると会長が俺の胸に飛び込んで来ていた。


「な、なにしてるんですか!」と焦る俺。


「いや〜、スキンシップも大切だと思ってね。私と天翔くんの仲じゃない♪」


「いや、ちがくて!」


「私とあんな事やこんな事もしちゃったしね♪」


「いやいやいや!」


「へー。あんな事や.....こんな事ですか。」と後ろから冷たい視線が刺さる。


「いや、ちがくてだな沙紀!」


「私にはそんなにかまってくれないのに優月会長にはかまってあげるの。いくら会長が可愛いからって酷いよ(泣)」


「(どうするんですか、会長。この状況!」とアイコンタクトで伝える。


「(いや〜、インパクト強すぎたかな?)」と微笑んでくる。


この人はホントに(怒)

俺は沙紀に近づき、優しく抱きしめる。


「俺は......沙紀が一番好きだよ。」


「ホント?」見上げてくる目を俺もまっすぐみる。


「うん。」そして頬にキスをする。


「分かった、もう拗ねない。」よし、何とか回復したな。そして会長の方を向くとなぜか涙目になっている。


「君たちは〜、彼氏のいない私に見せつけているのかな?(泣)」


「いや、そういうわけでは.....って!元々会長のせいじゃないですか。」


「そういえばそうだね....アハハッ」この人は(怒)


そして今日呼ばれたのは会計の仕事が終わらないので手伝ってほしいというものだった。今年度の予算を計算し、今回の仕事は終了。会計係がいるのだが、終わらないらしい。幸い少なかったのですぐに終わった。そして


「おつかれ〜♪今日はホントに助かったよ。」と会長がお茶を飲みながら言う。


「いえ、俺たちはこれで帰りますね。」


「うん♪またね〜、あと沙紀ちゃん。」


「ほぇ?」ととぼけた声を出しながら振り向く。


「さっきはごめんね〜。沙紀ちゃんの天翔くんを取ったりしないから。」


「はい。」


「それじゃ、またね〜♪」


そして俺たちは教室を出る。時刻は2時半だ。俺たちは昼食を食べていなかったので学校の食堂へ足を運んだ。


そこで俺はサラダと唐揚げ定食。沙紀はカレーを頼んだ。この学校の食堂はなかなか味がいいので外で食うよりお得だ。


全部食べ終わり、俺は自動販売機で缶コーヒーを買う。沙紀にも何か買っていってやろうと思い沙紀が好きなアップルジュースを買う。


席に戻ると沙紀が携帯を弄っていた。何をしているんだ?と気になったが聞かない事にした。そうするといきなり沙紀がガタッと席を立つ。どうしたのだと俺は沙紀を見ると目が喜びに満ちていた。


「天翔くん!」


「ど、どうした?いきなり立ち上がって。」


「今日うちのお母さんとお父さんが温泉旅行に行くんだって!」


「ああ、今日から3連休だもんな。」そう、明日と明日は土日。そして月曜日は祝日で3連休だ。


「それがどうしたんだ?」


「私が家に一人になっちゃうじゃん!」


「...........そうだな。」


「だからお母さんに天翔くんの家に泊まりに行ってもいい?って聞いたらいいよって言われたの!」


「へぇ。それで?」もはや内容は完璧に分かっていたがあえて聞く。


「だから今日と明日は天翔くんの家に泊まりに行くね!!」


「マジで?」


「うん!ずっと一緒に居られるね!」


「(普通いいって言うか?)」


そして今日の夕食は沙紀が作る事になり買い出しに行く事になった。






自宅近くのスーパーにより買い物を済ます、スーパーを出る頃には4時をまわっていた。



手をつなぎながら歩いていると俺の携帯がなった。画面には『非通知』と書いてある。ある程度相手は予想できていた。沙紀に断りを入れ、少しその場からは慣れて電話にでる。


「もしもし。」


「私だ。ずいぶん久しぶりだね、碓氷くん。」


「ええ、本当に。できればこのまま声を聞かない方がよかったんですがね。」


「はは、そんなことを言わないでくれ。」


「それで、今回の用件は?」


「電話では言えない、明日あるホテルの一室に来てくれるかな。場所は携帯へ送っておく。」


「分かりました。」


「それと、ある人を追って場所を確認してほしい。手段は問わない、できれば接触は避けてくれ、どうしても居場所が分からなくてね。」


「分かりました。もう一つの方は明日お会いするまでに済ましておきます。」


「ありがとう、助かるよ。報奨金は前と同じ口座に振り込んでおくかい?」


「ええ。それでお願いします。」


「分かった。何かあったら相談してくれ、君の頼みならある程度聞くからね。」


「ありがとうございます。それでは。」


「ああ。」


(プッ、ツー、ツー)


「ふぅ。」今の電話の相手は現内閣法務大臣の久山くやま 元陽げんようだ。俺の上司にあたる人だ。俺は日本政府に情報セキュリティ面で協力している、政府なだけあって報奨金もそれなりにもらえるからいいアルバイトにはなってる。


協力する事になった経緯、それは俺が中学生の頃にアメリカFBIの情報セキュリティ科に攻撃をしかけ、成功したものの手段が悪く見つかり日本の警察に捕まった。そして今の法務大臣に「協力するなら無罪にしてあげよう」と言われ。俺は納得し、解放された。条件付きで、関係のないサーバーに攻撃をしかけない。政府の依頼は絶対。周りに自分がハッカーだとはバレてはいけない。政府に不利益な事はしてはいけないとりあえずはこの4つだけだ。


「めんどくさいな」と空を見上げる。


「天翔〜。はやく〜」


「ああ。今いくよ。」だけど自分は後悔していない。こんな形でも幸せだし、力が役に立つことも多少はあった。


だから俺は今を楽しく生きようと思う。

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