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第1編 Justice of Bullet  作者: SEED
第3章 革命を行う者
19/28

沙紀


目の前にいる少女は可憐さを兼ね備え、





なおかつ、ネットの中にあるような2次元的美しさを持っていた。





「こんにちはっ、久しぶりだね。カケルくんっ!」



俺は記憶のおくそこから一人の少女の名前が出てくるのを感じた。


「結衣・・・・なのか?」


「そうだよっ。覚えていてくれたんだね、うれしいっ。」


そして目の前にいる少女、結衣は俺に向かって抱きついてきた。


「4年ぶりだな、結衣。」


「うんっ。ほんとに・・久しぶり。」


結衣は俺の胸に頬を擦り付けるように抱きついている。


「ところで、結衣はなんでこんなところにいるんだ?」


「私?私はある待ち合わせをしてるんだよ。」


「そうなのか、俺もなんだ。手紙にここが待ち合わせ場所に指定されてて、東京から今日飛んできたんだ。」


「え・・・・・」


「どうした?」


「カケルくん。もしかして、『あの』手紙を・・・見たの?」


「な・・・・・それって。あ、暗号文のことか?」


「うん。」


「あれ、結衣が出したのか。でもどこであんな高度な暗号方式を?」


「私は今4年前におきた事件・・・・・一人で調べてるんだ。」


「でも、あの事件は・・・・」


「うん。終わったよ。でも、私の中ではまだ終わってないんだよ?カケルくん。」


「そっか。俺は今、東京のP.J.F.Aってところで一応アルバイトってことで働いてるんだ。それで、情報処理やってて、暗号文の解読を頼まれてアレを開けたんだ。」


「P.JF.A.・・・聞いたことあるよ。対テロ部隊なんだよね。・・・そっか、そうなのか。カケルくん。私今からひどいこと言うかも知れない。でも、カケルくんには大事なことだから、ちゃんと聞いてね?」


「・・・・・・ああ。」


そこから結衣は語りだした、今ままでのこと。そして、俺の彼女、沙紀は敵・・・・テロリストだということ。




「嘘だ。あいつが・・・そんなこと!!」


「嘘じゃない!!嘘じゃないんだよ、カケルくん。」


「その、情報はどこからきたんだ?」


「私の信頼できる情報屋からだよ。必要なら番号も教える、カケルくんほどのハッカーならすぐに特定できるでしょ。」


「そうか。俺のことも知ってるんだな。」


「カケルく・・・「ごめん」・・・・え?」


「一人にしてくれるか?」


「わかった。ホテルの番号だけ教えて。」


適当なメモに殴り書きし、手渡した。


「ありがと。」


「また明日ね。」


「ああ。」




そして俺は結衣と分かれたあと、どこに行くでもなく、島の端っこ、俺が昔いつも行っていた。入り江に向かった。



電話を取り出し通話履歴から沙紀の名前を見つけ、リダイヤルする。


(プルルルッ、プルルルッ、プツッ)


短い電子音の後、通話を知らせる音が聞こえた。


「沙紀......か?」


『うん』


「もう家にはいないんだろ?」


『うん。』


「なんで・・・・・なんでなんだよ。」


『天翔には分かんないよ。』


「でも!今までずっと一緒だったじゃんかよ!」


『偽りの世界でね』


「...................ッ!」


『天翔なら、Trikeなら知ってるはずだよ。この世界の汚い部分も。裏からいつも手をだして隠蔽する国家。それをすするように報道するメディア。』


「だが、それがあるからこそ世界はなりたっているとも言える。」


『そうだね。だけど私たちBoJ(Bullet of Justice)はそれを壊し、創造するために生まれた。』


「そんなのは、傲慢でしかない!」


『天翔。【私たちがいる側】と【あなたがいる側】は違うんだよ。』


「そうだな。」


『さよなら、天翔。次はネットワークの中で会いましょう。私はBoJのハッカーGHOSTよ。』


(プツッ)


「..................ッ!沙紀....なんでだよ、・・・なんでなんだよぉ」












































どれくらいたっただろうか。携帯を引っ張り出し、時間を確認すると時刻は午前5時を回ろうとしていた。海の向こうからは太陽のまぶしい陽光がさしてきた。


もう踏ん切りはついた。おそらく沙紀はもう東京のあの家にはいないだろう。そして、俺の横に戻ってくることもないだろう。


そんなことを考えながらボーっとしていると横の入り口から誰かが歩いてきた。


「誰だ?」腰に挿してあるハンドガンを手におさめながら目で相手を確認しようとする。


「カケルくんっ。」


入ってきたのは結衣だった。


「結衣か。」


腰から手を抜き、緊張を解く。


「心配したんだよ、ホテルにも戻ってないっていうし。さっきの場所にもいないし!」


「ああ、ごめん。でも、ここがよくわかったな。」


「昔・・・・・・カケルくんのこと付けててここに入ってくのが見えたから、もしかしたらここかもって思って。でも、よかった・・・・あっちに戻っちゃったのかと思って・・・・」


「そっか、わりぃ。」



「うん。とりあえず私の家にいかない?今日までは滞在できるんでしょ?」


「ああ、行くか。」















その後、俺はホテルから荷物を引き上げ、結衣の家に居候させてもらうことにした。


そして東京の学校から種子島の高校へ編入した。




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