表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世に幽霊なんていないってお母さん言ったよね!?  作者: 澄泉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

トンネル

私はトンネルに良い思い出がない。


特にこの中学の時の部活の遠征について行った時の事が1番トラウマになってる。


この人陸上部の遠征があった。

部活の顧問の先生の運転するバンに7人ほどで乗り、隣の県まで行った日の事。

私は元陸上部で、直ぐに退部した人間なのだか当時仲良かった友達が来て欲しいと言うのでついて行った。

もちろん顧問の先生に確認した上で。

滞りなく大会は終わり、私たちは先生の運転する車に乗り込む。1度学校に戻って車を置いてから近くのお好み焼き屋さんにご飯を食べに行こうと言う先生の提案に浮かれた私たちは車の中でキャッキャと雑談をしていた。


大会への緊張感からも解き放たれ、はしゃぎ倒したせいで急に眠気に襲われた生徒たち。

皆お疲れ様だったね。そんなふうに思いながら私は窓の外を眺めて静かに1人移り変わる景色を楽しんでいた。


少し辺鄙な所に今回の大会会場があった為か、途中何度か長いトンネルがあった。

行き道と同じくそれをまた折り返す。


(ここ、本当にトンネル多いな。……古いトンネルばっかりだなぁ)


そんな風に思いながらふと、あるトンネルに入った時にまじまじと眺めてしまった。


湿気のせいか、壁面に沢山の苔が付いたボロボロのトンネル。

有名な映画のオープニングで使われてそうな朽ち加減


スっ

一瞬だった。


(……ん?……人がいる。)


こんなとこで何してるんだろう。目が合った気がしたが顔は見えない。女の人?


黒っぽい服装でトンネル内の壁面に立っていたその人。

ボサボサの髪の毛で顔はよく分からない。


あまり気にも止めず景色を楽しむ。

だってトンネルを歩く人くらいいると思ったから。そんなのいちいち気にしても仕方ないしね


周りの友達のα波に当てられ、いつの間にか私もウトウトと眠りについた。


パチッ

ハッと目を覚ます

変わらず運転する先生、友達は皆起きたようだった。

だけどみんな俯いている。


隣の子は小声でずっと何か言っていた


「……どうしたの?」


「ぶつぶつぶつ……」


私の声が聞こえてないように……手をガタガタ震わせながら。

窓の方に視線を向けようとした途端先生から怒鳴られる


「窓を見るな!!!!下を向いてろ!!いいか!!絶対見るな!!!」


ビクッとする私

意味が分からない


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

その先生の声を皮切りに生徒たちが悲鳴をあげる


ダンダンダンダン!!!!

車の天井から音がした


(ん?トンネル内の水滴が落ちる音?)

にしては大きいなぁ。めっちゃ大きな水滴


そんな風に呑気に構えていると予期せぬ方向からも音が───


ダンダンダンダン!!!!

今度は左側面


ダンダンダンダン!!!!

次は右側面


ダンダンダンダン!!!

最後に後ろをかけずりあがるように。


私の横の窓の外から白い手がへばりついている。


60kmで走っているはずなのに。


ダンダンという音はこの手からだった。


白い手が窓を叩く

体は見えない。手だけ。

左の後ろの窓、右の後ろの窓、左助手席の窓、

順番に周回するように叩いてくる。


悲鳴で溢れかえる車内、先生も必死の形相で運転する。


私は理解した

さっきのアレ、人じゃなかったんだ……私に着いてきたのか

……ごめん、皆……。


心の中で謝罪する私

私のせいだけど、厳密には私のせいではない。

不可抗力というやつ。


最後の長いトンネルを抜けた途端空気がフッと軽くなる。

先程までトンネルに入る度に起こっていたポルターガイストは嘘のように無くなった。


皆狐に抓まれたような顔をして呆気に取られている。

そう、幽霊なんて実際そんなもん。

承認欲求の塊。人に認知して貰えたらそれでOKなのだ。

……もちろん、私の経験した事のある、出会ったことのある幽霊に限るけど。


「いっ……今の何!?マジで怖かったんだけど!!!」


「わかんない!怖くて外見られなかった!!!」


「来週学校でみんなに話そ!!!あたしこんなの初めてだよぉぉぉ!!!」


「お前ら落ち着け!さっさと帰ろう……本当に何だったんださっきのは。」

先生が興奮する生徒を落ち着かせようと言った。もちろん先生も理解できてない。そんな感じだった


(まぁ、着いてきたりはしないだろう。ほったらかしてて大丈夫だね!)

楽観的に考えていた私その数分後、いつも通りその出来事すら忘れていた。

ただ1人、助手席の友達が何も発言していない事に気づ気もせずに。


翌週、助手席に座っていた友達が私のところに来て真っ青な顔で話し始めた。


この頃私は霊感があると風の噂でとても有名になっていたから。

原因は私だろうとクレームを言いに来たらしい。


「あの日……見えてたんでしょ。」


「…………。」


「正直に言え!!」


「うっ……バレたか……」


「バレたかじゃないよ!!!!どうしてくれるんだよ!!!最悪だよ!!今日家にお坊さん来てる」


「え!?どういうこと!?」


「……その幽霊、女?男?服装分かる?」


「……あたしがトンネルで見たのは女の人、黒っぽい服装で」


が 「そいつだよぉぉぉぉ!そいつうちの家にいるよぉぉぉ」


「えええええ!?嘘でしょ!?」


友達の話はこうだった。

あの日の夜家に帰って一人で留守番していたらしい。

親は共働きで2人とも夜遅いから。


すると、今まで聞いたこともない音が廊下からした。

キィ……パタン

なんだろうと思って廊下を見ても……誰もいない。

今度は反対側


キィ……パタン

今度は……窓

タン……タン

そして……2階から足音


怖くなった友達は自室に籠ることにしたそう。

すると、音はそこに集中し始めた。

タン……

タン……

ダンダンダン……

あれ、この音……

聞き覚えのある音。


そう、トンネルで聞いた音。

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン

恐る恐る音がする窓の方に目を向ける

するとそこに助手席の窓から目が合ったあの女がこちらを見ながら窓を殴っていた。

ボサボサの髪の間から目を見開き薄笑いを浮かべながら


2階の出窓なのに。足場など無いのに。


「きゃぁー!!!!!!」

慌てて友達は部屋を出ようとする。しかし何故か開かない。

鍵もかけてなかったのに。

必死で力を込め開けようとした。するとフッと扉が軽くなる

やった!!!


そう思った瞬間

扉の隙間からあの女がこちらを見ていた。

至近距離で。


開けて……開けて……

小声でそう呟きながら。


……という話だった。


「あの日付いてきたんだなぁ……君の家に」


「そうだよ!!!助手席の窓にずっと張り付いてこっち見てたよぉぉぉ!!!だから窓見られなかったよ!先生には見えてないし!!!」


「それで大人しかったんだ。」


「あーゆー時どうしたらいいんだよ!?」


「……いや、ごめん。私見えるだけだから全然分からん。にしてもそれは災難だねぇ」


「お前のせいだろうがぁぁぁ!!!使えねぇぇぇぇ!!」


大会に付いてきてっ☆て言ってきた友達。私は良かれと思ってついて行ったのにあまりにも不本意。

だって分からないよ!人か幽霊かなんて!同じなんだもん!一瞬普通に人なんだもん!!脚がない?そんなの幻想だよぉぉぉ!あるよ普通に靴下も靴も履いてるよ!幽霊だって履いてるよ!!


除霊!?そんなの知らないよ!!見えるだけだもん!!!ソルトアタックでもしたら消えるんじゃない!?


この友達は、1回来てくれたお寺さんでは除霊成功出来ずこの後、2人程また違うお寺さんを呼んだらしい。


この後も普通に友達だった私たち。

私と友達になったせいで霊感が付いたと、ことある事にクレームを受けていたのは言うまでもない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ