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この世に幽霊なんていないってお母さん言ったよね!?  作者: 澄泉


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3/3

手毬

あれは中学生の頃。

少し離れた所に住んでいる友達がいた。


その子の家はバスで20分の位置にある。

家庭の事情でウチの区域の中学に通っていた。


家庭環境が似ていた私はその子と意気投合し、仲良くなってよく家を行き来する仲になっていった。


その頃になると私の霊感の噂は学年中に知れ渡っていたので、もちろんその子も知っていた。

私は何も言ったことが無いのに、理不尽だと思う。

自称霊感あります☆不思議ちゃんキャラにされるのは正直たまったもんじゃない。


でも中学生というのは残酷なのでよくそれで私は弄られていた。


迷惑な話だよ全く。


ちなみにその子も幽霊なんて信じないスタンスだった。

だからそんな話しなかったし、今ハマってる漫画や芸能人の恋沙汰、クラスのスキャンダルに花を咲かせていた。


ある日、友達が

「今日テスト終わりだし、学校終わったら遊びにおいでよ!一緒にお昼ご飯たべよ!」


と言ってくれた。

嬉しくなった私は二つ返事で了承した。


バスに揺られ、友達の家に歩いて向かう。

友達の家はもう数回遊びに行ったことがあるので慣れたものだ。


友達の家は二階建てのハイム。一軒一軒横に繋がってるスタイルの家。


その斜め前に駐車場がある。

ふいにそちらに目線を送った


すると……オカッパ頭の、ちびま〇子ちゃんスタイルの服装の今どき珍しい女の子が立っていた。

私からは斜め後ろの方向を向いて。

無意識に人を観察する癖のある私は何気なくじっと見ながら歩いていると、その女の子はテンテン……と手毬をついて遊んでいた。


へぇ〜珍しいなー。おばあちゃんとかからもらったのかな?綺麗な手毬だなぁ。


なんて呑気に考えながら通り過ぎて友達の家の呼び鈴を鳴らす。

笑顔で出てきた友達について行き、2階の友達の部屋に入った。


先程の駐車場がちょうど窓から見える。


「そうそう、さっきね、今どき珍しく手毬で遊んでる子がいてさ〜ここの近所の小学生かなぁ??」


「え?そんな子いた?何処に?」


「ほら、ももちゃん家の前の駐車場だよ。さっきいたでしょ?」


「……いや?誰もいなかったよ?」


「…………」

ふいに窓に近付いた私。

駐車場の方を見た。……誰もいない。

もう帰ったんだろうな

そう思って友達の家の前に無意識に目線を送る


俯いた状態の先程の女の子が友達の家の前に立っていた。

顔は見えない。

するとゆっくり手を上げ……こちらに指を差す

俯いたまま、手だけ上げて確実に。


ばっと窓から離れた

(まずい……あれはさっきのあれは……人じゃなかった!!!)


「?どうしたの?」


「……いや、何でもない。」


きっと気のせいだ、何も見なかった。そう、気のせい。

そう思って友達とあそび始めた

私はこの頃、頻繁に幽霊を見るようになっていた。

頻繁すぎるし、一瞬見えて消えるというのがニュートラルだったから、記憶にすらあんまり残ってない。


大体3分くらいしたらいつもその事自体忘れてたので、この日もそんな感じだった。

私にとって幽霊は注射みたいなもの。

刺したその時はチクっと痛い(ゾッとする)けど、3分したら痛み(怖さ)忘れる


みたいな。


夕方頃まで遊んだ私はすっかり先程の事を忘れ帰路についた。

友達に先程の出来事もなにも言わないまま。


バスに乗って家に帰る道すがらに昔からあるクリーニング屋さんがある。

あと15mほどで通り過ぎる距離、更に奥からぺちゃくちゃ話に夢中になっているおばちゃん達が2人歩いて私の方向に向かっていた。


ふと、クリーニング屋さんを見ると、店の前でオカッパの女の子が、斜め後ろを向いたまま、一人遊んでいた。

手毬をついて。


(へぇ〜今時珍しいねぇ古風な女の子だ)


なんて思いながら10...9...8mと近付いていく。

奥から来るおばちゃん達も近付く。

するとそのおばちゃん達は話に夢中になり過ぎてその女の子とぶつかりそうになっていた。


(あ、危ない!なんで気付かないの!?)

ギョッとしながら見ていたら


何かのマジックみたいに……おばちゃん達は女の子を通り過ぎる。その身体を。

彼女はそのまま消えていき、おばちゃん達は何事も無かったかのように歩いて行った。


そこで私は昼のことをやっと思い出す。

さっきの子……駐車場で手毬で遊んでたあの子。


……私に付いてきたんだ

夕方、オレンジ色に染まる景色の中、私はゾッとして、走って家に帰る。


窓は怖くて見られない。もし彼女が立ってたら……怖いから。


そしてまた、さっきみたいに時間が経つにつれ、忘れていつもの日常に戻って行った。


夜、食事が終わった頃、今日遊んだ友達から電話がかかってきた。

何かなーと思いながら電話に出る


「もしもし〜?」

軽い口調で話す私。

いつもなら彼女も同じ口調で話してくれる。

だけど、この日は違った


「……ねぇ、かず。あんた今日来た時何か言ってたよね?」


「……ん?何が?」


「女の子がいたって。駐車場で遊んでたって。」


「……うん。」


「その子、オカッパだった?」


「……うん。」


「その子……手毬で遊んでた?」


「……うん。」


「……窓から見た時その子いた?」


「……」


「正直に言って」


「……下からももちゃんの部屋を俯いたまま、指さしてた。ごめん、ももちゃん幽霊見えんし、言うと怖がると思って言わなかった。……でもなんで言ってないのに特徴知ってるの?」


「さっき、チャイム鳴ったから、下に降りたら……いた。」


「え?ど……どこに?」


「玄関の中。俯いたまま……指さしてた。」


「それ、どうしたの?」


「慌てて上に上がっておばちゃんに手を合わせてお経唱えたよ!!!!どうしてくれるの!?私幽霊なんか見えなかったのに!!かずのせいで見えるようになっちゃったじゃんか!!!!最悪じゃん!!!」


うん、理不尽。


「えええ!?そっちに行ってると思わなかったんだよ!!だって夕方私の方に付いてきてたから!!」


「知らないよ!!帰ってきてたよ!!こっちに!怖かったよ!!死ぬほど怖かったよぉぉぉ」


あまりの恐怖に電話越しに泣き出す友達。

クレームの為に私に電話したらしい。


「ご……ごめんってば!!よく分からんけど!」


理不尽さを感じながら私はこの日、ひたすら友達に謝った。

しばらくして友達が落ち着いた頃に笑って言った。

心配ないよ〜という意味で。


「……でも……どう?注射みたいでしょ?ほら、もう怖くない」


「怖いわ!!!ずっと怖いわ!!!!」


物凄い怒られた。

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