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完璧令嬢は今日も必死です  作者: 周音


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第12話 大いなる陰謀

 魔法適性試験から一週間。


 私の周りの空気が、明らかに変わった。


「エリアナ様!魔法を教えていただけませんか!」


「一緒に訓練しませんか!」


 多くの生徒が、私に話しかけてくる。


「ご、ごめんなさい。今日は用事があって……」


 逃げるように図書館に向かう。


『疲れた……』


 注目されるのは、こんなに大変なのか。


「エリアナ」


 図書館で、レオンが待っていた。


「レオン!」


「大変そうだな」


「うん……みんな、魔法のことばかり聞いてくるの」


「そうか。でも、お前の才能は本物だ。誇っていい」


 レオンが優しく微笑む。


「でも……私、まだ魔法をちゃんと使えないの」


「え?」


「適性はあるみたいだけど、実際に使うのは怖くて……」


 前世の記憶が邪魔をする。


 魔法なんて、使ったことがない。


「なら、俺が教える」


「え?」


「俺も魔法は得意だ。一緒に訓練しよう」


 レオンが手を差し出す。


「……ありがとう」


 手を取ると、温かかった。


 その日の午後、レオンと訓練場に来た。


「まずは、基本的な火の魔法から」


 レオンが手本を見せる。


 手のひらに、小さな炎が灯った。


「イメージすることが大切だ。炎の形、温度、全てを」


「……わかった」


 深呼吸をして、集中する。


『炎。温かい、でも危険な……』


 手のひらに、意識を集中する。


 すると――


「わ!」


 大きな炎が噴き出した。


「うわっ!」


 慌てて魔力を止める。


「だ、大丈夫か!?」


 レオンが駆け寄ってくる。


「ご、ごめん!加減がわからなくて……」


「……お前、本当に才能あるな」


 レオンが苦笑する。


「初めてでこの威力は、異常だ」


「でも、コントロールできないと意味ないよね……」


「大丈夫。少しずつ慣れていこう」


 レオンが私の手を取って、一緒に魔力を流してくれた。


「こう、ゆっくりと。焦らずに」


「……うん」


 レオンの手の温もりを感じながら、再び集中する。


 今度は、小さな炎が灯った。


「できた!」


「ああ。素晴らしい」


 レオンが笑う。


 その笑顔が、本当に嬉しそうで。


 私も、嬉しくなった。


 訓練を終えて、中庭で休憩していると。


「あら、エリアナ様」


 冷たい声が聞こえた。


 振り向くと、イザベラとベアトリス夫人が立っていた。


『……この二人が一緒に?』


 嫌な予感がした。


「こんにちは」


 警戒しながら挨拶する。


「レオンとお楽しみでしたのね」


 ベアトリスが意味深に笑う。


「訓練をしていただけです」


「まあ。全属性魔法の才能、羨ましいですわ」


 イザベラが言う。


「でも、才能があっても、使いこなせなければ意味がありませんわよね」


「……それは、そうですね」


「ところで、エリアナ様」


 ベアトリスが一歩近づく。


「来週、王宮で夜会が開かれます。出席なさいますか?」


「はい、出席する予定です」


「そうですか。楽しみですわね」


 ベアトリスとイザベラが、意味深に笑う。


 そして、去っていった。


『……何か企んでる』


 確信した。


 来週の夜会で、何かが起こる。


 その夜、エマから緊急の連絡が来た。


「エリアナ様!大変なんです!」


「どうしたの、エマ?」


「ベアトリス様とイザベラ様が、何か話してるのを聞いてしまって……」


 エマが震えた声で言う。


「夜会で、エリアナ様を陥れる計画をしているみたいなんです!」


「やっぱり……」


「どうしますか!?夜会、欠席した方が……」


「いいえ。行くわ」


「え!?」


「逃げても、次がある。なら、正面から向き合う」


 私は決めた。


 もう逃げない。


「でも……危険です!」


「大丈夫。レオンも、お兄様もいる。それに、あなたもいるでしょ?」


「……はい!」


 エマが力強く頷く。


「私、エリアナ様を守ります!」


「ありがとう、エマ」


 翌日、レオンとアレクに事情を話した。


「……そうか。やはり動いてきたか」


 レオンが険しい表情になる。


「エリー、無理しなくていいんだぞ」


 アレクが心配そうに言う。


「大丈夫。もう、逃げたくないの」


「……わかった。なら、俺たちが守る」


 レオンが私の手を握る。


「何があっても、お前を一人にはしない」


「俺もだ。妹を守るのは、兄の役目だからな」


 アレクが微笑む。


 二人の言葉が、心強い。


「ありがとう」


「それで、どんな罠だと思う?」


 レオンが聞く。


「わからない。でも、きっと私の評判を落とすような何かだと思う」


「なら、先手を打つか」


「先手?」


「ああ。こちらから、罠を仕掛ける」


 レオンが不敵に笑った。


 来週の夜会まで、あと数日。


 私たちは、作戦を練った。


「まず、エリアナは普通に夜会に出席する」


 レオンが説明する。


「そして、俺とアレクが監視。エマも、周囲の動きを見張る」


「何か起きたら、すぐに対処する」


 アレクが続ける。


「でも、一番大切なのは――」


 レオンが真剣な目で私を見る。


「エリアナ、お前は堂々としていること。何を言われても、動揺しないこと」


「……うん」


「お前は、何も悪くない。それを忘れるな」


「わかった」


 私は、覚悟を決めた。


 夜会で、何が起きても。

次回予告:

ついに訪れた、王宮での夜会。華やかな舞台の裏で、ベアトリスとイザベラの罠が発動する。そして、予想外の展開に。エリアナは、この危機を乗り越えられるのか――

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