17話「決戦!王立魔導学園VS科学幼女部隊――『エネルギー保存則って知ってます?』」
17話「決戦!王立魔導学園VS科学幼女部隊――『エネルギー保存則って知ってます?』」
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王立魔導学園の広間。
今日、学園の教員たちが集まり、先日の「火球事件」を巡って会議が開かれた。
「科学幼女たちの異端的な魔法応用をどう扱うべきか」
議論は白熱していた。
「彼女たちは魔法の根本原理を物理的法則として捉えている……それ自体が問題ではない」
校長は穏やかに言った。
「しかし、その理論が我々の教えとあまりに異なるため、誤解と摩擦が生じている」
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一方、科学幼女たちの拠点、魔王城の研究室。
コノハが分厚いノートを広げながら言う。
「これが我々の説く“魔導量子場理論”だ。魔法は単なる脳波や精神エネルギーの発露ではなく、物理的なエネルギー保存則に従う現象だ」
ユイが壁のホワイトボードに複雑な数式を書き加えた。
「だから、エネルギー保存則が破綻しない限り、魔法は理論的に再現可能で制御できる」
「でも学園はそれを異端と見なしてる」
サリーが不満そうに眉をひそめる。
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その日の午後、科学幼女たちは特別に校長と一部教員の前でプレゼンテーションの機会を得た。
「では、私たちの理論をご説明します」
コノハが落ち着いて口を開く。
「魔法現象は量子レベルのエネルギー場の操作です。つまり物理法則の一種として理解できます」
ミレイナが質問した。
「それは魔法の根本を科学で置き換える、ということですか?」
「はい。異世界の魔力も、物理法則の一部として解析できます」
ユイが続ける。
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プレゼン中、騎士団教官グルファードは険しい表情で聞き入っていた。
「だが、そんな理論で本当に実用的な魔法を扱えるのか?」と突っ込む。
ハルナが小さな声で、
「わたしの火球も、実は化学反応を使った理論的な魔法……だから実用的!」
リリカが支えるようにハルナを見つめた。
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議論は白熱し、やがて校長が静かに言った。
「わかりました。異端であろうと、結果が示せるならそれを認めるしかありません」
「ただし、我々魔導学園の伝統と調和させることが条件です」
四人は深く頷いた。
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夜、拠点に戻った科学幼女たち。
「ついに、少しは理解してもらえたみたい」
サリーが微笑む。
「でも、これからが本当の戦いだよね。魔法と科学、どちらが世界を支配するのか」
「うん!私たちの科学魔法革命は、まだ始まったばかりだ!」
ハルナが大声で叫び、みんなが笑顔で応えた。