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色々なジャンルの短編

1000文字でミステリー

作者: イトー

 せっかくのイベントだから、ひねりを加えつつ、ワンシチュエーションで短く1000文字ぴったり。

 という自分で決めた規定の中で書いてみました。


 ある夜、女子大学生が路上で刺殺された。

 亡くなる間際の「恋人に刺された」という言葉をもとに、警察は被害者のスマホから交遊関係をあらった。


 すると、親しかった男の中で、犯行当時のアリバイが立証できない者が2人いた。


 現場の近所に住む、彼女の大学の同期である山田と田中だ。

 彼らは、同じく同期で被害者の女友達でもある佐藤と3人でアパートをシェアしていた。


 事件当時、3人は口を揃えて家にいたと話した。

 誰も外出したのは見ていないと。


 直感的に何かあると感じた刑事は、アパートの隣人に聞き込みした。


「犯行があった時間、隣から何か変わった声や物音がしたりしませんでしたか?」


「変わったことは別に。ああ、ヤッてる声はしてたかな」


「ヤッてる、というのは、つまり、性的な?」


「ええ。別に盗聴とかじゃないですよ、壁から聞こえてくるもんで。お隣さん、3人で住んでますけど2人が付き合ってるんですよ」


「え、そうなんですか」


「若いから、酒盛りの後とか、そういう声がよく聞こえるんですけどね。1度尋ねてみたんですよ、恋人同士で盛り上がってる間、もう1人は居づらくないかって。そしたら、その間だけ別の部屋に行っててもらうんだそうですよ。もう暗黙の了解って感じで」


「別の部屋に……? それじゃあ、その時間だけは2人の目には触れていないということですよね!? 気付かれずに外出することだって」


「え、まあ、できなくはないんじゃないですかねえ」


「教えてください、あなたはさっきの話を一体誰に聞いたんですか?」


「え? 山田さん、ですけど」

「山田!? じゃあ、彼が恋人と行為にふけっている間、部屋にいなかったのは──」





 刑事は隣人の証言をもとに、目星をつけた者を参考人として、事情聴取を行った。


 決して責めるような厳しいものではなかったが、良心の呵責(かしゃく)()えられなかったのか、はたまた完全に観念したのか。


 その人物は犯行を自供した。




 犯人は佐藤だった。

 彼女と被害者はともに友達を装っていたが、以前から恋人の関係にあった。


 動機はいわゆる痴情のもつれ。

 佐藤は被害者がバイト帰りに通る道と時間帯を緻密に調べたうえで、タイミングを見計らって計画的に犯行に及んだらしい。


 返り血のついた上着、顔を隠す帽子やマスクなどは、凶器と一緒に処分するため、隠してあったところを押収された。



「恋人は男女である、という先入観にとらわれてはいけないな」

 と刑事は捜査の方針を少しだけ改めることにした。

 1000文字、なんとかギリギリで物語にはなったかな。


 結構前から海外ドラマなどで見ますよね、恋人は男女、という先入観を使ったどんでん返し。

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― 新着の感想 ―
[良い点] たしかに恋人が同姓同士というのは、いかにもミステリーって感じですね!
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