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第4話

さて、俺が戻されたこの世界についての話をしよう。

この世界は一言でいえば剣と魔法の世界である。

建物や人の見なりは中世ヨーロッパ風だ。

街を歩く人の中には獣族、ドワーフなどが混じる。

人々は物々しい武器を堂々と担いだり、身に着けたりと、まさにファンタジーらしき自由な格好だ。


それにしても、随分と人族が多い。

昔は大半が魔族だったのに。

千年前の人族はマイノリティ生物の一つでしかなかったのだ。

……と思ったら俺が追放されて千年が経っていた。

いまや世界のマジョリティは人族であるらしい。


増えたもんだ。


で、俺が今いる町は神聖国エルドリアという大陸国家の南部にある。

エルドリアは現在戦争前夜である。

お相手はこの町が望むケンジャン海峡とかいう海鮮料理のような名前の海の向こうの国だ。


戦争に興味はない。

俺は平和主義者だ。

せいぜいお互い潰しあうがよろしい。

……なんて言いたいが、俺の主、リタは戦争と関係がある。

彼女は邪神を召喚するという高度な知識を持った魔導士かと思ったが、

騎士見習いなのだ。

つまり、兵士としてこの町の防衛にあたる任務を負っている。

こんな子供が、と思うかもしれないがこの世界の成人は15歳。

彼女はもう殆ど大人である。


で、彼女が俺を召喚したのだが、

調べて分かったのは、これがただの召喚じゃない事だ。


召喚には契約が組み込まれていた。

その名も、『召喚獣』の契約。

「主人に絶対服従を強いられ、かつ主人の死は自分の死、自分の死は主人の死となる」という契約で、名前の通り召喚された魔獣や精霊に付与される。


解除法は分からない。

調べる目途も立っていない。

邪神なのに、全然自由がない。

飛べない豚はただの豚だが、自由の無い邪神はただの神以下の魔獣に等しい。

これからどうしよう……。



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