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通信機器の故障により更新が止まってしまってた事をお詫びします。
新品のルーターが届いたおかげで復旧しました
『アイシス、これから異世界人を連れてそっちに行くから 異世界人特有の力ってやつを見てもらえるか?』
『はい、承知しました。 お待ちしております』
一応アイシスに念話を飛ばし、客がいるので速度は控えめで飛んで行く
「ここが俺が拠点にしている場所だ。 この森にいる魔物は非常に強くてな、ここまで辿り着ける人間種はほとんどいないんだ。 あそこにいるのがコカトリス、卵の供給源だな」
「コカトリスですかー、RPGとかに良く出てくるアレですよね」
「そうそう、野生の奴はこの森の中層にいるんだ。 ここにいる奴は 俺が拉致して調教したから大人しく無精卵を産み続けてくれるんだよ。 とはいっても 1個1個大きいから消費に困ってな、料理やお菓子作りに必要なら卸してやってもいいぞ。 ちなみに普通に買うとなれば、卵1個で バイクの新車並みのお値段するけどな」
「うわー なんでそんなに高いんですか?」
「コカトリス自体が強い部類の魔物だし、何より冷蔵という概念が無いうえに 輸送するのは馬車だったり獣人が走ったりだから高いんだよ。 その点俺は、時間経過の無い亜空間を倉庫にしてるから腐らせる事は無いから 伯爵家に色々と卸しているんだよ」
原生林を開墾して作り上げた 自慢の畑とコカトリスや魔牛を飼育している牧場を見せてやる。 牛乳も賞味期限の都合で満足に市場に出ない事や、バターも自作しないとどこにも売っていないことを説明してやる
「つまり、この世界において 日本と同等レベルの物を作りたければ、トーヤさんに頼るしかないという事ですね」
「まぁそうなるね。日本というか地球の料理人の知恵と知識がどれほどすごい物だったのか、身に染みるようになるよ」
「な、なるほど」
世間話をしながらアイシスの小屋の前まで来る
「じゃあちょっとここで待っててくれ、この世界の創造神アイシスを連れてきて ケンジが持ってる加護がどんなものか見てもらうから」
「わかりました」
ケンジはどことなく緊張した面持ちになっている、神託で聞こえていたのは声だけ その言い回しは割と尊大な雰囲気が出ていたので、多少の恐れもあるのだろう
まぁ気にしても仕方がないので、さっさとアイシスを呼びに行く
「この人間種に与えられた加護は、『空間魔法適正』でございます。 とはいえ、あくまでも適正であって 修練しないと身に付かないものですね」
アイシスがケンジを鑑定して出てきた言葉が『空間魔法適正』 いいじゃないか、修練すれば俺のような亜空間倉庫が使えるようになるかもしれない。 とはいっても、俺は魔力に関しては異常なほどあるから 適正だけでそこに辿り着けるかは不明だけどな
「空間魔法…ですか。 訓練すればマジックバッグみたいな魔法が使えるんですかね?」
ケンジはアイシスを見て、キョドりながらもなんとか声を出す。 それも仕方がない事だ、日本人の感覚で見れば アイシスは驚くほど美しい女神だ、美人過ぎて逆に近寄り難い程なのだ
「そうだな、実際に俺は使えるけど 適正だけでなく魔力も相当必要になるだろうから修行は必須だな」
「なるほど…でも覚えさえすれば賞味期限の概念を無視できる…と」
「それは修行次第としか言えないな。 この世界にもマジックバッグは希少だけど存在する、でも時間経過のしないマジックバッグは存在しないんじゃないかな。 王家が国宝として持ってる物でも時間経過を多少遅らせる程度の物だって言うし、俺が作ったマジックバッグが20個程あるけど それもあえて品質を下げてあるからな」
「その低品質の物で どのくらいの効果なんですか?」
「時間経過は大体100分の1くらいかな、4日くらいの時間経過で バッグの中は1時間ってとこだな」
「それでも十分すごいですよね! なんかやる気が出てきました!」
「そうか? まぁ才能には違いないからな、それを生かすも殺すもケンジ次第って訳だ」
「それでは 私は儀式魔法陣が集めた魔力を還元しないといけませんのでこれで失礼いたします」
「ああ、手間を取らせたな。 何かご褒美を考えておくから期待しててくれ、なんせこのケンジは 異世界のお菓子職人の見習いだからな、今ある素材で何かおいしい物を考えてみるよ」
「そうですか?それはそれは楽しみにしています」
ニッコリと良い笑顔を見せてから小屋に戻っていくアイシスを見送る、そんな女神のスマイルの直撃を受けたケンジは当然のように惚けていた…
「よし、それじゃあ伯爵家に行こうか。 向こうについてから魔力について教えるよ」
「わ、わかりました。 また抱えられて飛ぶんですね…結構怖いですよねアレ」
「まぁそう言うなよ、この世界の移動手段で伯爵領まで行くとしたら1ヶ月は軽くかかる距離を2~3時間で移動できるんだ、おいしいだろ?」
「そんなに遠いんですか?」
「遠いというより この森が広すぎるんだよ。 今いるこの場所がほぼ中心地で、ここを起点に半径250㎞はあるからなぁ、その上で強力な魔物がいるから森を出るだけで20日とか普通にかかっちゃうんだ」
「そうなんですか…わかりました。お願いします!」
どうやら覚悟は決まったらしい
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