表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/92

81

出発して7日目、帝都を目指してた部隊は 獣人の足で走れば後1日で着く…という場所まで来ていた。 ここから先は平原となっているため身を隠せず、作戦当日までこの界隈で待機となる

この部隊のリーダーはミューが引き受けており仲間に指示を出す


「じゃあ最短で3日ほど この辺で待機になるわね。 5人ずつ分かれて少し散りましょうか」


今いる場所は、街道からだいぶ離れており 人気も無く木も多い 潜むにはちょうどいい場所と言っていいだろう。 ささっと分かれて距離を置く、 マジックバッグに入れてある食料があれば 3日くらいなんて事は無い

「さぁて いよいよね。 虐げられていた同胞を やっと解放することが出来るわ。 気持ちは逸るけど 失敗しないように冷静にやらなくちゃね」


ミューを含めた15人は、3日も待機という事に焦れながらも 同胞を救うために奮い立たせていた




俺はと言うと、帝都にやってきていた。 隠蔽をかけて獣人奴隷がどの場所に、どれくらいいるのか偵察に来ていた


「帝都内はほとんど商家の倉庫で使われているな、体力の必要な作業は全部奴隷にやらせるとか 帝国人は体力無さそうだな」


観察してみると、倉庫内での荷物に関する作業は ほぼ全て獣人がやっていて、人間種はただ見てるだけ もしくは奴隷に対し暴力を振るっているだけだった

その他、土木系の作業もそう。 現場の規模にもよるが、基本的に監督役の人間種が2~3人に対し 獣人奴隷が20人ほどだ。 どこを見ても監督役は偉そうに命令してるのみだ


ざっと見た感じ、帝都内には獣人奴隷が300人は見かけたな。 とりあえず仕事が終わった後 収容されている場所を掴んでおいた方が 当日楽になるだろう。 ん? 水晶が反応してるな、 仕方ない 場所を変えて対応するか


場所は移動しないで そのまま上空に上がって返事をする事にした


「なんかあったか?」

『あ、聞こえますか? ガッシュですが、 公爵領の獣人奴隷約500人確保しました』

「お?早いな。 もしかして?」

『公爵令嬢さんが集めてました、いつでも解放できるそうです』

「ほほぅ、それじゃあ解放させてくれ。 それから飯を食わせて体力の回復だな、 夕刻までに大鍋を持ってそっちに行くから それまで持つようにしてやってくれ」

『わかりました。 後、令嬢さんが 奴隷の解放をもって謝意を なんて言ってました』

「そうか、んじゃ俺が夕刻に行くことを伝えといてくれ」

『わかりました、それでは』


500人もいたか、とはいえ、帝都や他の町でも解放作業を手伝わせるには 肉体的にも精神的にも疲れ切っているだろうから無理だろうな。 休ませる場所を作らなきゃいけないな…こんな肝心な事をすっかり考えてなかった、 まぁ仕方ない グラスに言って 魔の森の近くにでも仮集落を作った方が早いな


とりあえず急いでやる事が出来たので 偵察を中止し、一度自宅に戻る事にした


砂糖制作用の大鍋を洗浄して亜空間倉庫に入れ、敷地内に山積みしてある木材もしまう。 収穫してある野菜や狩った肉は 元々亜空間倉庫に入れてあるので食材は大丈夫だ。 少し早いが公爵領に向かってグラスと話をして、領内に仮集落の場所を提供させるとしよう。 とりあえず雨風防げて 体力が回復できればいいから、簡素な物で十分だろう。 回復したら 勝手に大陸中に散る事だろう


ドルス公爵領の領都に到着した。 すでに何人か解放されていて 周囲を警戒していた。 まぁ領都の防壁の外側だから、多少魔物が来ることもある。 ガッシュを見つけたので近づく


「ガッシュ、進捗はどうだ?」

「ええ、公爵家のお抱え魔法使いが総動員で解放作業をしているので、2日で全員終わるとの事です」

「そうかそうか、 それじゃあ炊き出しをするか。 大鍋を4個持って来たから具沢山シチューを作ろう」

「手伝います!」


周囲に転がっている岩をカットして竈を作り 肉野菜を大量に放り込んで煮込み始める


そんな事をしている内にグラスが現れたので、食事の手配と 今後、住む場所などどうしたいかという聞き取りをガッシュ達に任せた


「来てもらえてうれしいですわ」

「あんたらに会いに来たわけじゃないんだけどな」


グラスは なんとなくやつれた感じになっていたが、まぁ気にしたってしょうがないのでスルー


「愚かな父は 拘束して爵位を兄に移し、現在幽閉してあります。 先日言っていた温情を、何卒賜りたいと願っております。 どうかご再考を」

「それをやる事に何か価値はあるのか? 俺としては、この地に獣人達の町を作り 今までされてきたことを帝国人に味あわせてやる…という選択肢もあるんだが。 帝国人が自らやって来たことだからな、当然同じ事されても文句はないよな?」

「言いたい事は理解できます、しかしながら 我が公爵家では、皇帝陛下に睨まれながらも それらを改善しようと動いてました。 今回の事も、奴隷を扱う領民が納得したうえで解放への動きとなりました、なのでどうか お願いします」

「その件の返事は 解放された獣人達に聞き取りしてからだな。 とりあえず500人もいるから、この領地のどこかに仮の集落を作る、 その辺を周知しといてくれ」

こちらもよろしく

https://ncode.syosetu.com/n3892fz/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ