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「なんで… なんて事をしてくれたのですかお父様! 私は言いましたよね? あの者には逆らってはいけない何かがあると!」

「い、いやしかしだな」

「今更言い訳しても手遅れですね、お兄様 私が指揮を執ります、 お兄様はお父様を拘束してください。騎士達はお兄様の令に従い動くように! 護衛として4~5人私と共に来てください」


グラスがテキパキと令を出し動かしていく、そしてクロードの令により現当主アギスは拘束された


「儂の首一つでどうにかなると思うか?」

「どうでしょう、しかし何もしないよりは可能性はあります」

「そうか…ならば現時点を持って爵位をお前に譲ろう。 クロードよ、せめて地下牢ではなく塔の方に幽閉してくれるとありがたいな、儂も年だから地下牢は堪えるわ」

「善処しましょう」

「しかしまさか、創造神様の上司であるとは…見た目は普通の青年なのにな」

「豪胆な部分は何度か見ましたけどね、私が公爵家の嫡男と知りながらも 蹴り飛ばされましたから」

「なんだ、すでに一戦交えてたのか」

「いえいえ、もう睨まれただけで竦んで動けなくなりましたよ。一戦交えたなんて烏滸がましいです」

「そう言う事は報告しておいてくれ…」

「してあったはずですが」

「そうだったか、まぁ仕方あるまい。 指揮系統はグラスに任せておけば問題はないと思うが、何か思う所はあるのか?」

「トーヤ殿は獣人達に与しているように思えますので、まずは領内にいる獣人奴隷を集めて解放させるつもりだと思います。 そこら辺はグラスに任せておりますので」

「そうか、では 儂は大人しく幽閉されるとしよう。 後は任せる」


元公爵、アギス・フォン・ドルスは隔離塔の最上階に幽閉される事になった。 この対応は 従者達にとっては非常に軽いと思われ、新たな領主となったクロードにも悪感情を抱く者もいくらかいた。

その反面、女性なので爵位は継げなくとも 的確で行動的なグラスの支持率は上がり、帝国が滅ぶのなら いっそこれまでの慣習をも変えてしまい、グラスを当主にしてしまった方があんていするのではないか…とまで言われ始めたのだった



「よーし それじゃあ出発するかー」

「はい、15人を帝都に向かわせ 混乱と同時に帝都に侵入させます。 残る5人は北から解放させていく感じですね、 まぁ帝国の北側はドルス公爵領ですが」

「あいつらならガッツリと脅してやったから、少しでも頭が回るなら 今頃獣人奴隷を集めていると思うがな。 まぁあの当主が陣頭指揮を執っているなら無いかもしれないが」

「ドルス公爵領には俺が行きますんで、状況によっては蹴り飛ばしておきますね」

「ああ、好きにやっちゃってくれ。 ただ わかってると思うが、余りにも非道な真似はダメだからな」

「わかってます、創造神アイシス様に見捨てられた哀れな帝国民をいじめたりしませんって。 戦士として抵抗するのなら 戦士として相手するだけです」


ガッシュと軽く打ち合わせをして、来た時と同じように10人ずつ籠に入れ、魔の森の南側に降ろす。 今の帝国の状況ならば、獣人は国境を越えた途端に捕らえられ 奴隷にされてしまうため、 魔の森に沿って西へ移動し ドルス公爵領に向かう部隊は、森の浅層を移動しながら国境を越える。 帝都に向かう部隊は闇夜に紛れて移動するような作戦となっている



行動開始から7日目、ガッシュ率いる部隊が公爵領に入った。 魔の森に隣接しているボッシュの町の近くまで来たところで領兵が待ち構えていた


「止まってくれ! こちらに争う意思はない。 そなた達はトーヤ殿の配下で間違いないか?」

「ほぅ?トーヤさんの事を口にするって事は 公爵家から何か言われてるんだな? 確かに俺達はトーヤさんに従っている者だ、 それで何か用なのか?」

「グラス様より令が下っている、 ドルス領の外から獣人が現れたら丁重に連れてくるようにと。 グラス様の令により 領内全ての獣人奴隷は領都に集められているので、解放する準備がある との事だ。 領都まで同行願えるか?」

「ふむ」

ガッシュはちらりと仲間を見た。 全員が頷くと 領兵の申し入れを受け、領都に向かう事となった



「ガッシュだったわね、こちらの話を受けてくれて助かったわ。 それに顔を知っている貴方がいて安心したわ」

「なんか盛大にやらかしたって聞いてたけど、あまり堪えてないみたいだな」

「そんな事ないわ、こちらとしては必至で対応しているのよ。 それで単刀直入に言わせてもらうわ、我が領内にいるほぼ全ての獣人奴隷を集めて解放する用意があるわ、それをもってトーヤ殿に対する謝意として伝えて欲しいのだけど」

「まだ解放はしてないのか」

「さすがに開放してしまうと、騒乱を起こされたら対処できなくなってしまうわ。貴方達に立ち会ってもらった方がこちらも安全なのよ」

「まぁそうだろうな、 その話 受けようと思う」

「ふぅ、ありがたいわ。 肩の荷が1つ降ろせたみたいで助かるわ」


グラスの案内で 領都の外に築かれていたテントの山に、およそ500人の獣人奴隷が集められていた

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