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受付嬢ジールの説明だと 犯罪ダメ横取りダメと、普通の一般常識と組合ランクの仕組み FからDまでは実績で勝手に上がっていくけど、Cからは試験があるそうだ。 Cランクになると、指名依頼を受けれるようになり 結構稼げるようになるらしい
後、Cランクからは組合の出す強制依頼に必ず参加しなければならない責任がつくらしい 面倒そうだからDランクで止めるのが吉かね
依頼表を見たり露店を覗いて物価をチェックしたいところだけど、読み書きが先だな 一度戻って勉強と少し素材も集めておこうか
「はいこれ 仮入場証返すよ、そしてこれが組合証」
「おっ、朝の奴だな…よし確認した。 ま、色々と気を付けて稼いでくれ」
「そうするよ それじゃ」
門の脇にある詰め所に顔を出すと、朝話した門兵がいたので入場証を返却 露店で串に刺さった何かの肉を食べながらルインズの町を出た
時間的にまだ昼前なので、この平原で翼にかけた魔法を解くわけにいかない 南にいけばちょっとした森があるんだけど、この森は町の採集者がいっぱいいるそうなので却下 北に向かって歩き出す
まぁ人間より体力もあるし日が暮れるまで歩くか
夕暮れになり見通しが悪くなったあたりで飛び立ち自宅へ向かう 空を移動すれば20分ほどで帰れる
そしてせっかくなのでもらったブローチを介してアイシスに念話をしてみる
『あー聞こえるかい?』
『はい聞こえております』
『今戻ってきたんだけどちょっと頼みごとがあるんだよ』
『なんでしょう?私に出来る事ならお聞きしますが』
『この世界の文字の読み書きなんだけど』
『わかりました、資料を作りますので30分ほど時間をいただけますか?』
『30分ね、わかったよ』
30分か ちょっと大きめの皮袋でも作ってみるかな
「お待たせいたしました これがこの世界で使われてる文字を表にしたものです」
「おお、手間かけて悪いね」
「いえいえこの程度 それでは読み方を…」
こうして勉強会は終わった これで依頼表や商店の値札が見れるな
よし、それじゃ角と牙を集めに行くかな この周辺の魔物の素材はたくさんあるんだけど、この世界の者には難易度の高すぎる魔物ばかりだっていうから 暗いうちに外側の魔物を狩ってこよう
「俺はまた外に出てくるよ わざわざありがとうね」
「承知しました お気をつけて」
猪っぽい魔物の長い牙と鹿っぽい魔物の角を5体分ずつ手に入れ 肉とともに亜空間倉庫に入れ今日は戻った
2~3日は時間空けないと不自然だよな 魔の森の素材だって気づかれてたし、それと魔物の名前も聞いとかないとだめだな
『ちょっとごめんね 質問があるんだ』
『なんでしょうか?』
『今そっちに行くね』
『承知しました』
「これなんだけど、名前わかるかい?」
「こちらは牙猪 こちらは長角鹿 これはゴルドアプルですね」
「見たまんまかい…いや、ありがとう」
「いえいえ」
アイシスに礼を言って自宅に戻った
「しかし…誰が名付けたか知らんけどセンスないな ゴルドアプルも分かりやすいな 次町に行ったらこれの価値も調べておくか とっても希少だと思うし 中心地周辺にしかなかったからなぁ」
うっかり買取に出して問題が起きても困るしな
4日後
ルインズの町へやってきた、組合に入りイケメンエルフ君のところへ行く
「おはよう これ頼むよ」
「おはようございます 査定するので少しお待ちください」
「角が5本で銀貨15枚、牙が5本で銀貨5枚 合計で銀貨20枚の買取になります」
「うん、それでお願いするよ」
「わかりました、組合証を… それでは今回もお疲れさまでした それで、今回の買取でEランクへ昇進となります。 一番奥のカウンターで更新してくださいね」
「わ、早いな わかったよ」
「Dランクまでは査定額で判断されますので…その辺の説明はありませんでしたか?」
「あったと思うけどあまり気にしてなかったよ」
「そうですか、ではついでに 累計銀貨100枚でDランクですので、牙猪や長角鹿を狩れるのなら またすぐに上がりそうですね」
「んで、Cになるのに試験があるんだよね?」
「はいそうです では頑張ってください」
「はいよー」
奥へ向かって歩いていくと 獣耳の受付嬢ジールと目が合った
「はい、伺ってますよー 組合証をこちらへ」
「よろしくね それとちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかい?素材の話なんだけど」
「いいですよー 何か珍しい物でもあったかな?」
「いや、話に聞いただけなんだけど ゴルドアプルってどのくらいの価値になるの?」
「ゴルドアプルですかー あれは魔の森の中心部にしか木が生えないらしくて、記録では120年ほど前に一度数個出回った記録がある程度で、値段はちょっと付けられないかなー」
「そんなにかい…」
「ですー それを食せばあらゆる病魔、怪我が治るみたいで 白金貨1000枚でも買う人はいると思いますよー」
「うへぇ 万能なんだね」
「そういった記録は確かにあるかなー」
「ところで、白金貨ってのは?」
「他の貨幣と同じですよー 銅貨100枚で銀貨1枚 銀貨100枚で金貨1枚 金貨100枚で白金貨1枚」
「見ることの無さそうな感じだね」
「そうですねー大手商会や貴族、王家が取引で使ってるくらいですかねー」
そう言いながら組合証を出してきた
「更新は終わりですよ 気を付けて頑張ってくださいねー」
「はいどーも」
危ない やっぱりゴルドアプルは持ってこなくて正解だったな
さて…市場調査といきますか 野菜の種を探して