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さっさと帰宅。 ちょうど日が沈み切った時間帯、いそいそとハンバーグを焼いていると 水晶に反応があった

「なんだ? 早くも緊急事態か?」


亜空間倉庫に入れると気づけないので、水晶を入れる専用の袋をぶら下げていたんだが どれどれ、ミラに渡した方が反応してるのか


水晶を取り出し魔力を通し、顔の前に掲げて声をかける

「どうした?何かあったのか?」

「あらあら、本当に声が聞こえますわ。 あ、トーヤ殿 セリーナでございます」

「あ、うん。 それより何かあったの?」

「申し訳ありません、 この水晶の話を聞いていてもたってもいられなくなり… そうです!これは試験なのですよ! 確かにつながることを確認しました」

「あーそうね…確認は大事だよね」


ぺらぺらと喋り出すセリーナの相手をしてると、気づいたら1時間ほど経過してた…


「はぁ…アリーナとは違う次元で元気だな あの人は」

まさかの長電話ならぬ 長通話。 娯楽が少なく、飢えている部分もあるんだろうけど よくあんなに喋るネタがあるもんだと感心する


まぁそれはさておき、最近ルインズの組合に顔を出してないから そろそろジールが騒がしくなりそうだ。明日はちょっと顔出しに行ってくるかね




王都の防壁の近く、 門から続く大通りから少し脇に入るとすぐにスラムがある。 そこにあった老朽化が進み 放置されていた2階建ての物件を補修し、王都における諜報活動の拠点にしている帝国の部隊5人が いつまでたっても来ない次の指令を待ち続けていた

活動資金は帝国軍部から出ているので、食事に困ることはないが いつ来るかわからない指令を ただまっているだけの状況は なかなか消耗するものだった


「どうする?いい加減こっちから使いを出すか? リーナの護衛の4人も帰ってこないし、 まさかとは思うが 准将閣下が魔の森での素材集めに使ってるんじゃないのか?」

「うーむ あの准将ならありえる話なんだよな。 所属が違うとか考えないからな」

「全く…血縁のみで上層部を固めようとするからこうなるんだよ。 せめて上に立つ資質を持った人間に役職付けて欲しいもんだ」

「そんくらいにしとけ ああいった種類の人間は、自身の才覚は極上だと思い込んでいるんだ。 なんの弁明もさせてもらえないまま 不敬罪で処刑されるだけだぞ」

「本当 役に立たないくせに口だけ一人前な上司を持つと 苦労するなぁ」


待つこと以外やる事の無い諜報員により 愚痴大会が開かれている拠点に来客が来たようだ


コン ココン コン


味方である合図のノックだ、 ドアの近くにいた諜報員が鍵を開ける

「ふー すまないが水をくれないか。 十分な準備もさせてもらえないまま出発する事になってしまってな」

現れたのは 先日准将から伝令を頼まれた部下だった

「ほれ、 あの准将閣下の直属だと大変そうだな」

「そうなんだよ、 それで、リーナをクリモに送るという話はどうなったんだ? いつまでまっても来ないから、 俺が急遽ここに確認に来ることになったんだが」

「え? とっくに出発してるぞ? こっちこそ護衛に4人も付けたのに そいつらが帰ってこないから 准将にコキ使われてるんじゃないかと噂してたんだけど」

「…」


「何か予想外の事が起きている可能性があるな」

「リーナがここを出発したのはもう1月以上前だ、 クリモに着いていなかったって事は途中で何かあったんだろうけど…」

「4人も護衛ついててやられるか? 仮にも軍人が そこらの野盗なんかに後れを取るなんて考えにくいぞ」

「リーナを連れ出すのだって、迅速かつ最速でやったから 王国関係者には気づかれていないはず」

「これは一度王都を離れた方がいいかもしれんな」

「離れてどこに行く?クリモに来るのはお勧めしないが」

「俺達だってすき好んで准将の顔なんてみたくないさ、そうだな 俺達はルインズの町に行く、 なにやら不穏な気配があると准将閣下に伝えてくれ」

「承知した…が ああ 一体なんて言われるか」

「お、おう なんかご愁傷様?」

「リーナを本国に送るよう帝都から伝令が来たんだ2日前に、 それで初めてリーナの事を思い出したみたいでな、急遽俺が伝令に走る事になったって経緯があってな 空振りで帰ったらしばらくネチネチと言われる… 国に帰りたい」

「帝都からの伝令か…って事は陛下の耳にも入ってる話なんだな。 まさかとは思うが…全責任を部下に負わせるなんて事… ありえそうで怖いな」

「とりあえず こっちの現状を帝都に知らせた方がいいな。 リーナに関する事と、今回の連絡が来るのに1ヶ月以上待機してたこと その辺を手紙にしたためて送るとするか。 それでその伝令だが…」

リーダー格の男が振り返り 4人の部下を見る

「俺が行こうか?」

「ダメだ! 隊長が抜けたら部隊として運用できなくなる! だから俺が行く!」

「待て待て、やはりここは戦闘能力の一番低い俺が行くのが一番だろう。 任せてくれ」


どうやら全員帝国に帰りたいみたいだ…

こちらもよろしく

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