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やってきました伯爵領の領都グリモア、さてさて まずは組合探しからだな。 知らない町の探索は正直好きではない、 正確な地図があり どこに何があるか分かったうえで動く方がいいね。 面倒なのでサクっと道を尋ねて場所を特定、 門から続く大通り沿いで見つけることが出来た。 まぁこういう組織は分かりやすい所に拠点を置くもんだからね


組合に侵入…依頼が貼り付けてあるボードを見に行く。 商人の護衛、探し物と探し人、手紙の配送、街道沿いの魔物の駆除。 この町は採集や収集の仕事は少ないんだな、 まぁ近隣に森とかないからなぁ 川ならあるけど。 王都方面からアマンダ連合国に向かうのに中継するような場所にあるから護衛とかが多いんだね。

組合の中にいる冒険者も、護衛をする前提があるためか そこそこ小綺麗な格好をしているものが多かった。それはともかく、俺にとっては特に面白い仕事はないな よし撤収


ブラブラと時間をかけて伯爵邸に向かう、途中にある露店を冷かしながら進み とうとう伯爵邸に着いてしまった。 伯爵家は起きるの遅いからなぁ…


「おはよう、通るよ」

「どうぞお通り下さい」

門衛に声をかけるとすぐに門を開けてくれた、すっかり顔パスになったようだ。 門からお屋敷まで歩き、豪華な玄関に辿り着くと 勝手にドアが開いた。

「おはようございます、お待ちしておりました」

いつもの執事カルバーが迎えてくれた。 というか玄関前で待機してたのかよ!ってくらいの迅速な対応、これが執事か 俺には無理だな

「おはよう、起きてるかい?」

「いえ、まだでございます。 先に厨房で調味料の買い取りを済ませたいのですが」

「わかったよ、厨房に行こうか」

毎度のごとく砂糖を卸す、値段が高いので少量ずつだけど 頻繁に買ってくれるから俺の亜空間倉庫も金貨がずいぶん増えてきた。 もう角とか売る必要性は感じられないけど、そこはそれ せっかく仲良くなってるんだから交流は止められないよね。 他に友達いないし…


厨房での用事が済み、いつもの応接間まで歩いていると…

「ん?ミラか? ずいぶんとカッコ良くなったじゃないか」

「ふえ?トーヤさん? いやこれは 奥様とお嬢様からどうしてもこの服で仕事してくれって言われて」

なんかあわあわしながら説明してくる、 どうやらこの家の女性陣の趣味が採用されているようだ

「いやいや、似合ってるからいいんじゃないか? しかし靴が…なんか動きにくそうだな」

「うん、見た目はいいんだけど固いし歩きにくいし、足も痛い」

「うーん 似たような見た目で素材を変えて作ってやるか。 ミラのような戦闘スタイルだと足元が一番重要だしな」

「いいの? うわぁありがとう! あ、お代はちゃんと払うよ 足りないだろうけど必ず返すし!」

「おう そうしてくれ。 んじゃあちょっとそこに座ってくれ、足のサイズを測るから」

「仰せのままにー」

「ふんふん、24センチか 小さいのか普通なのかはわかんないが、とりあえず作ってみるわ」

「お願いしまーす」


応接間を出て庭に向かう、 庭というか庭園だけどね。 隅っこに移動して人目に付かないところで亜空間倉庫から色々と素材を引っ張り出す

「やっぱり南の森の深部にいたワニの革が色も耐久性もいいな、むむっ 結構いい仕上がりだな、 自分用も作るか!」

放置してた素材を使い 思いのほか良い物が出来たので満足しつつ屋敷に戻った


「ほれ、ちょっと履いてみて?」

「え?もう出来たの? ありえないんですけどぉ」

つい先ほど作ったワニ革の靴…うん、着ている服と色合いもいいな

「わわ これすごく動きやすいよ! 今まで履いてた靴はなんだったんだって思っちゃうよ」

「良いみたいだな、これ一応の予備な」

「ありがとう!部屋に置いてくるね」

ミラは予備の靴を受け取ると応接間を出て行った。 しかし貴族も大変だな、あんな硬くて靴擦れしそうな靴を常時使わないといけないなんてな。 そこまでして見栄を張りたいんだろうか… まぁ関係ないか


そうこうしてる内にアリーナが起きてきた

「トーヤ殿、来ていたんですね。 いつも早いですわね」

「何言ってんだ、農業も冒険者も日の出から行動が基本なんだぞ。 明るい時間は限られているからね」

「確かにその通りですわね、 それはそれとして お願いがありますの、聞いていただけませんか?」

「内容を言う前に聞いてくれってかい、そういう所はそこらの我儘貴族と同じ考えなんだな」

「あ、いえ 言葉が足りませんでした。 お話を聞いていただけないかと言いたかったのですわ、 確かに今の言い方ですと 我儘貴族と言われても仕方ありませんわね」

「つい最近、帝国の公爵令嬢ってのと話をしたが、自分の思い通りになって当たり前って態度が丸出しの奴で 聞いてて腹立ったばかりだからな」

「帝国貴族ですか、それも公爵家 さぞかし傲慢なんでしょうね。 いえ、詳しくは知りませんが」

「個人的に俺は帝国のやり方は嫌いだからな、偏見は大いにあると思うぞ」

「それで、先ほどの話なんですが 今、お母様を呼んで来ますので 少し待っていてくださいませ」

「あー… なんか嫌な予感がするな」

アリーナは俺のつぶやきを聞かないふりをして出て行った。 何を言い出すのやら…

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