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今日は4人で南の森の深層まで入ってきた。 深層には大きな池があり、両生類の魔物がおおかった。 中でもワニっぽい魔物が非常に素早く 噛みついてからのデスロールは簡単に人体を切断してしまう 南の森に於いての最大の脅威である。 とはいえ、魔の森に棲む魔物に比べるとそれほど強い部類ではない。


「あの手の奴は 口の中に何か物が入ると噛みつくために閉じてしまう習性があるんだ、石でも拾ってぽいっと口の中に入れてやれば…」

迫ってきてたワニの口の中に石ころを放り込むと、 バクン!と、口を閉じた。 そして咀嚼しているところ頭上から刀を突きさす

「こんな感じだね、 1体だけだと全然脅威にならないから楽に狩れる。 だけど2匹以上いたら脅威度は数倍になると思ってくれ、最悪は速攻で撤退まで考える感じで」

「いや、トーヤさんが戦うと 何が相手でも弱そうに見えちゃうんだけど」

ミラが呆れたように見ている

「コイツとまともに戦ったら面倒なんだぞ? 横に回り込んだら尻尾で攻撃してくるし、それにコイツの見た目が迫力あって結構怖いだろ? コイツ相手にビビらないようになれば十分だな」

「うん、確かにすごく迫力あるね。 でも怖いって感じじゃないかな」

「そうかそうか、 それじゃ軽く実践して町に戻るか」


ミラは一晩悩んで、伯爵家からの誘いに応じる事を決意したと話してくれた。 なので 長期契約している宿に置いてある私物を回収したりと作業が待っている。 今日1日で私物をまとめてマジックバッグに放り込む作業をしてゆっくり休もうと話をした。 俺はその間に、ガッシュとミューをクリモに送って行こうと思っている


「短い間だけど 稽古をつけてくれてありがとうございました」

組合でワニの素材を買い取ってもらった後、いつものテーブル席に集まっていたんだけど、ミラが獣人達に向かってぺこりと礼をしていた

「いやいや、 さすがはトーヤさんの指導を受けているだけあって、若いのに大したもんだったよ。冒険者から貴族令嬢の護衛にスカウトされるなんて ある意味出世みたいなもんだから頑張れよ」

「はい!」

「それじゃあ明日までに荷物をまとめて、疲れを取るようにな。 俺はガッシュ達をクリモに送ってきて、明日の朝にまた来るから」

「うん、わかった」

ミラと別れてルインズの町を出た

「よーし それじゃあ吹っ飛んでいくか」

「お手柔らかに…」

2人を小脇に抱えてクリモまで飛んでった。 ルインズからクリモまでは、普通に馬車で移動するなら2日ほどかかる、獣人が体力の限り走れば1日 それほど遠い訳ではないが、さすがにこっちから頼み事をしておいて『気を付けて帰れよ!』という訳にはいかないよな。 俺が飛べば30分程度で着いちゃうし


「今回はありがとな」

「いえいえ、トーヤさんの役に立てたんなら満足ですよ。 また何かあればいつでも言ってくださいね」

「ああ、そん時は頼むよ。 ミューもお疲れさん」

「はい、こちらこそお疲れさまでした」


2人をクリモの町の外側に降ろして解散し、自宅に戻った。 以前ミラに見せびらかした隕石素材の短剣を、明日譲ってやろうと思い ちょっと上品に見えるように色々加工しておこうと思う。 まぁ偏見だけど 貴族の従者なら見すぼらしい武器を装備してたら格好悪いよね


魔虎の皮を使い鞘を作成、見栄えがいいようにそれとなく刺繍も入れておく。 短剣の柄にも隕石素材の宝石っぽい綺麗な部分を成型して埋め込み完成した

ちょっとお洒落になった気がするのでよしとしよう。 それじゃあ畑の雑草を抜いたら今日は休もうか


翌日、 ルインズの組合で朝から一悶着があったが 無事に出発することが出来た。 まぁ有望視されてたミラが拠点を変えるって急に言われたら確かに困るよね。 それも貴族家で働くってんなら もうこの町に来ない可能性が高いし… しかし諦めてもらおう


今日のミラは冒険者スタイルではなく、普通にワンピースなんて着ている。 そんな普通の女の子の恰好なのに 背中には今朝俺が譲った短剣が収まっていて なかなかに違和感のある格好だ

新しい武器をミラは非常に気に入ってくれて即座に装備を入れ替えてたくらいだ。 古いのは予備という事でマジックバッグに押し込まれた


のんびり歩きなあら伯爵邸に向かうと、なぜか執事のカルバニーが門前に立っていた


「おはようございます、ようこそお越しくださいました」

ビシッと礼をするカルバニー

「あれ?今日来るって言ってあったっけ?」

「門衛からトーヤ様とミラ様が到着したと報告があったので、お迎えに上がった次第です」

「全く…門衛にどんな指示を出してるのやら」

「それでは、中にお入り下さい。 ただ 当主様とアリーナ様はまだ起床なさっておりませんので 少しお待ちいただくかと」

「まぁそれはしょうがない、 朝食がまだなので厨房を借りて時間潰しでもするよ」

「わかりました。 それではどうぞ」


カルバニーに先導されて屋敷に入っていった

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