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「よければこの後我が家においでくださいませ。 その方が落ち着いてお話できますわ、 ミラさんともゆっくりお話ししてみたいですし」

「ん? 食事が終わったらルインズに帰ろうと思ってたんだが」

「いいえ、もう外も暗くなっていますわ、 今日は泊っていってくださいませ。  あなた、屋敷に先触れを」

護衛してた者の1人に声をかけ、そのまま外に出ていった

「そうするか?ミラ」

ミラの方を見ると小刻みに左右に首を振っている

「ミラさん?貴女と同じトーヤ殿の弟子として仲良くしたいのですわ。 お受けしてくださいまし」

アリーナもなんか押してくる いよいよ諦めたのか、ミラが首を縦に振った


支払いを済ませ、外で待機してた馬車に乗り伯爵邸に行くことになった


「アリーナ、ミラは俺の事知らないから 余計な事は言うなよ?」

「あ、あら そうでしたの。 知ってるものだと思ってましたわ そうですか…知らないんですの 承知しましたわ」

アリーナがボロを出す前に釘を刺しておく

「まぁ知られても問題はないと思うけど、知らん方がいい事もあるさ」

「そうですわね、我が家とは事情が違いますものね」


伯爵邸に着き、わざわざラジウスがミラにまで挨拶をし ミラが緊張で固まってしまった。 その後俺はラジウスと飲む事になり席を外した


「ミラさんはいつからトーヤ殿と?」

「ええと、まだ2か月経ってないくらいです」

「そうですの、後そんなに緊張しないでくださいませ。 同じくトーヤ殿の弟子として 私はミラさんを同胞の様に思っていますわ」

「そう言われても…」


アリーナとミラが、なぜか女子会をしていた。 アリーナとしてはトーヤの嫁になって、バートリー家との縁を持ちたいと思っているので ミラをライバルのように最初は見ていたが、トーヤに詳細を知らされてないことを聞いてミラに対しての見方が変わったのだった。 トーヤの秘密を知っている という事が自分のアドバンテージのように感じて余裕が出たのだ


「ミラさんは将来どのようになろうと思っていますの?」

「私は小さいころに両親が死んで、住む所も無い宿暮らしなので 冒険者として稼いでルインズにある住んでいた土地を買い戻したいと思っています。 トーヤさんには死にかけの所助けてもらって、それから鍛えてもらっているんです」

「そうでしたの、 トーヤさんに師事して変わりましたか?」

「ええ! もうすっごい変わりました! 1人で森に入っても角うさぎ相手だと1対1じゃないと狩れなかったのが、今じゃ集団相手でも問題ないし 格上の猪や狼の少ない群れでも狩れるようになりました。 トーヤさんの指導のおかげです」

「そうなんですの、 若いのに腕が立つなんて素晴らしいですわ」


その頃、別の部屋では

「まぁそんな訳で、 皇帝はリーナ嬢の帰還を指示してたぞ。 まだ攫われた情報は帝国にはいっていないな」

「ふむ、 いやしかし トーヤ殿にはいつも驚かされるな。 帝国の皇帝の様子をすぐに探ってこれるなんて」

「まぁそこはね 人間にはできないやり方があるから警戒はされないし、こっそり潜入するのも案外楽しいもんだ」

「ところで先ほどの娘は?」

「まぁちょっと縁があってな、放っておくとすぐにでも死んじゃいそうだったから ルインズの南の森程度じゃ負けないくらいには鍛えてやろうと思ってね、 今なら中層を1人で回れるくらいには成長してるよ」

「ほぅほぅ そんなに腕が立つようなら娘の護衛に雇ってもいいな」

「それは本人次第だな、 それに対魔物での話だ 人間相手はまだやらせてないからわかんないな。 見た目の良い子だから、変な奴に襲われる前に護身用の対人戦闘もそろそろ教えようかとは思ってるけど」

「素性はどのような?」

「ルインズで生まれ育ったみたいだけど、家族がすでに亡くなってて孤児みたいだな。 それでも組合の職員に大事にされるくらいは良い子だぞ」

「ふむふむ、 しかしトーヤ殿の弟子という事ならぜひ囲いたいですな。 ガッハッハ」

「まぁ本人の意思は重視してやってくれ、アイツの未来はアイツが決める事だ」

「わかっておりますとも 明日にでも声をかけてみるかの」

「お手柔らかににな」


その後、貴族家の上品な飲み会はお開きとし 客間で寝る事になった


翌朝、早速バートリーはミラに粉をかけていた


「ミラと申したな、トーヤ殿の弟子というのなら安心できる 娘の護衛として我が伯爵家で雇われてみる気は無いか?」

「ええええ? いやあの 私は平民ですし、親もいないし…冒険者としてもまだDランクだし」

「ランクは仕方あるまい、上げるには相応の時間も必要だしな。 まだまだトーヤ殿から学ぶことも多々あるだろうから返事は今すぐに…とは言わん、 考えてみてくれんかの」

「は、はぁ わかりました」

「私からもぜひお願いしたいですわ。 護衛が男性ばかりだと困ることも多いですから」

「はぁ…」


ミラは2人に口説かれてオロオロしている、それでもまぁ 本人が決める事だ。 貴族家に雇われるなら収入は安定するだろうしな

この事はミラに丸投げを決め込むのだった 

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