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ジルとの話が終わり、すっかり定位置となったテーブル席に着き手紙を開けてみた


ふむふむ、砂糖が欲しい、クッキーも欲しい、金貨を用意して待っている といった内容だった。 他にも料理のレシピについても話がしたいらしく、来たら2~3日滞在してほしいと…

レシピったってなぁ、 まぁクッキーの作り方は簡単だし教えてもいいけど、バターをどうするかな

アレもぶっちゃけこの世界には無かったものだ、牛乳が高価すぎるからしょうがないけど まぁ行ってから考えるか。 行くにしても今晩か明日だけどな


考え事をしているとミラが組合に到着した

「おはよー 今日もよろしく!」

「おはよう それじゃ森に行くか」

「はーい」


森に入った所で狼の入ったマジックバッグをミラに渡す

「中に先日の狼が5匹入ってる、 適当に捌いて処分してくれ。 こうして折り畳めば普段は目立たないだろ? 上手に使ってくれ」

「うわぁ…ホントに作ってきたんだ。 わかった、ありがとう」

「明日からまた数日は来れないと思うから、狩れない時があったらこれを解体すれば大丈夫だろ」

「ええー?またどこか出かけるの?」

「ちょっとね、グリモアの町に用事が出来たんだよ」

「グリモアかぁ 連れて行ってくれたりは?」

「あ? 伯爵に会いに行くんだが…ミラは貴族とか平気なのか?」

「無理です! この森で修行してます!」


くだらない話をしながら浅層で角うさぎを狩りつつ木の実を採集して夕刻前にルインズに戻る


「おや、ミラさんはランクアップですね、おめでとうございます。 総合窓口の方へお願いしますね」

ロスター君が組合証を戻しながら言ってきた

「本当ですか? いやぁ最近稼ぎ良かったからなぁ」

ミラは組合証を受け取ってニコニコしつつ、ジルの元へ向かった

「ジルさーん お願いしまーす」

「はいよー 今日からDランクだねー Eから速かったねー」

「うんうん、トーヤさんに鍛えてもらってから怪我もしなくなったし 良かった良かった」

「で? トーヤさんとはどうなの? 洗いざらい白状してってもいいんだよー?」

「ええ? どうもこうも…師匠と弟子みたいな?」

「進展ないのね… はい、組合証返すね」

「ありがとうございまーす」


組合を出てミラを宿屋まで送り届けてルインズを出た。 そろそろ日が暮れるし、今から伯爵邸に行くのもアレだな…明日にしよう! 

特に迷う事もなく自宅へ戻ることに決めた


翌日 朝一番で伯爵邸を訪問、伯爵家はまだ起きていないらしく 厨房へ案内されてクッキーの作り方なんかを教えてみた。 バターも1㎏ほど譲り、冷暗所で保存するように言っておいた

試作したクッキーを料理長や侍女達と試食会をしてみたら喜んでもらえた

そんな事をやっていたらラジウスが起きてきたようだ 


「おはよう、待たせてしまったようだな」

「いやいや、その間にクッキーの作り方を教えておいた。 材料は自分で調達してくれ」

「ふむ、そうか。 それでは頼んであった砂糖を買い取らせてくれ」


砂糖は5㎏ほど出してやった、 これくらいあれば結構持つだろう しかしそれを見てラジウスと執事のカルバニーは困った顔をしていた

「うーむ、さすがにこれほどの量となると…用意していた金貨じゃまるで足りないな」

「ん? 普通に流通している砂糖はどのくらいの価値なんだ?」

「1㎏で金貨50枚ほどでしょうか、 頻繁に値段が変動するので断定はできませんが」

俺の問いにカルバーが答える

「ああなるほどね、 王都やそこらで売ってる砂糖とは糖度も違うし これの方が上質だもんなぁ」

腕を組んで考え込んでいる2人を見て、まぁいいかと判断した

「別に金貨50枚でいいぞ? 先日も言ったが、面倒ごとがあったら伯爵家の名前だして押し付ける気でいるから その時はよろしくな」

「我が家の名前を出すことについては特に問題はないが、いやしかし価値を考えれば…」

ラジウスが更に困った顔になった

「いいんだって、これは俺が作っている物だから、多少の手間はかかっているけど金はかかっていないからな。 ただし、砂糖の過剰摂取は太るからな、そこは注意しないとダメだ」

「なるほど、承知した。 ところでこれの製作方法なんかは難しいのだろうか?」

「どうだろうな、気候の問題もあるだろうし、何より魔の森に自生している作物を使っているから、魔力の薄い土地では育たないかもしれない。 試してないからわからないけど」

「もしよければ、我が領で試験的に栽培の許可を欲しいのだが」

「それは別に構わないけど、大変だと思うぞ? クリモから魔の森に入って中層に自生していたからな、採集も輸送も大きな手間だと思うけど。 まぁ試験用ってんなら俺が運んでやってもいいし」

「中層なのか…ううむ」

あの辺にはコカトリスがうろついてるからな、普通に考えて コカトリスと戦闘になってもどうにかできるレベルの冒険者を護衛で雇いながら採集するってのは、コストもかかるし命も危険だ。 まぁさすがにそこまで俺が面倒みるってのは無理だしな、そこは自分達で考えてやってほしいもんだ


ラジウスとカルバーが話し合いをしているのを横目で見ながらお茶を飲む事にした

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