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最近はちょくちょく出歩いてたせいで、調理品のストックが減ってきているので 自分用の食べ物と、賄賂…というか、他の人に食べさせる用の ゴルドアプルを使わないクッキーを作り貯めしておく。 いやーしかし、もっと料理の勉強と実践をしておくべきだったなぁ とはいえ元々食道楽でもなかったわけだし、今の食事でも十分満足はしてるけどね



王宮内で静養していた第二王子のシグルド、リーナによる魅了魔法にて『リーナを一番大事にする』という意識を上書きされ 記憶の改竄が途中までなされてから、魔力が途切れ 放置されたことにより意識の混濁が見られ、立って歩けないほど体調を崩していたが 徐々に回復傾向にあり意識も落ち着いてきていた

しかし、バートリー伯爵家の者の手により、第二王子、宰相の令息、騎士団長の令息の3人が先日起こした婚約破棄騒ぎが、魅了魔法にかけられて起こした物だという噂が王都中にすでに広められていた。 噂話の中心人物である、平民で学園に入学していたリーナが行方不明になっているという話もあったが、彼女の部屋は荒らされた形跡はなく 何かしらの事情で逃亡を図った…という噂話が主流となっていた。 王家はこの噂を消そうと動いたがすでに手遅れで、商人や町を渡り歩く冒険者によって徐々に郊外まで広まり始めていた


「ん…? ここは、 俺の部屋か。どうしてここに? 頭が痛むな」

意識が戻ったシグルド 起き上がって周囲を確認し、王宮内にある自分の部屋だと認識。この事は即座に王に報告され、親子でありながら謁見の間に召集されたのであった


謁見の間にて、膝をつき頭を垂れるシグルド、 そこに王と王妃が入ってきた


「シグルドよ…お前は何という事をしてくれたのだ! 仮にも王家の者が操られるなど言語道断だぞ!」

「操られてた…俺がですか?」

「そうだ! 違うと言うなら説明してみろ、 なぜバートリー家の令嬢との婚約を勝手に破棄したのか、そしてなぜ平民の女ごときを侍らせていたのか。 お前はあの女にどれくらい金をつぎ込んだのかわかっているのか?」

「婚約を破棄…?アリーナ嬢との事ですか? いや破棄なんて…あれ? 夢じゃなかったのか?」

戸惑いを隠せないシグルドを見やって大きくため息をつく王

「覚えておらんのか…貴様には失望したぞ。 本来ならば いかに息子とはいえこれほどの事をやらかしたのだから、最低でも国外追放処分にするところだが 王妃の願いによりそれだけは許してやる。 処分を言い渡す! 貴様は廃嫡の上で地下宮殿に幽閉とする! もはや日の光を見る事はないと思え」

「廃嫡…幽閉?」

唖然としているシグルドを見つめる王妃

「ごめんなさいね…親としてこれが精一杯だったの。だけど王家として罰は与えないと示しがつかないからこうするしかなかったの」 

「シグルドを地下迷宮に連行しろ。 従者は無し、人の出入りは厳格にせよ」

謁見の間に控えていた近衛兵がシグルドの両脇に立ち、シグルドを連れて下がっていった

「失礼いたします! 第4部隊の者が報告に来ております」

「通せ」

第4部隊とは、この国における諜報部隊である。魅了魔法を使ったとされるリーナの事を調べさせていたのだ

「申し上げます。 リーナと呼ばれる女は4日前までは学園寮で姿を確認されておりましたが、3日前の朝食時にはすでにいなくなっていたそうです。 そしてバートリー伯爵家では動きが活発になっており、アリーナ嬢の姿はかくにんされていますが 落ち込んだ様子は見られなかったという事です」

「ふむ…伯爵家では何か掴んでいるのかもしれんな。バートリー伯爵家に登城するように手紙を出せ あれだけの事があったのだから、素直に教えてくれるかわからぬが せめて情報の共有だけでもしたいものだ」

「ははっ 承知いたしました。 後、宰相殿と騎士団長殿が控えておりますが」

「うむっ 呼んで来い」

「はっ」


その後の会議により、宰相と騎士団長の息子は貴族籍を抜かれ 王都を追放されたのだった


その翌日には王家からの手紙を携えた使者がバートリー伯爵家を訪れていた

「確かにお渡し致しました。急ぎ、よろしくお願い致します」

「承知した。 すぐに向かう事とする」


「王家からの書状ですか?一体なんと言ってきたのですか?」

「うむ、話を聞きたいから登城しろとの事だ、 これは儂が行ってくる 留守は頼んだぞ?」

「わかりました」

「後、アリーナだが…ほどほどにするように言っておいてくれ」

「わかりましたわ。 近頃のアリーナは少々やりすぎな所もありますから…ここらで止めておいた方がいいですよね」

「うむ、頼んだ」


ここ2日、アリーナはリーナに対し拷問を行っていた。 ほぼ情報を吐き出させた今も尚リーナをいたぶり続けているのだ、 爪を剥ぎ、指を折り、短剣で切り刻んでは治癒ポーションで回復させていた。 すでにリーナの精神は壊れ、人形のようになっている状態で これ以上続ければアリーナの精神にも良くないと思っていたのだ

ラジウスは娘の心配をしつつも準備をし、馬車に乗り王都へ出発した

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