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取り調べの結果は後で聞きに来ると約束して伯爵家の面々と別れた。 次は帝国方面に行った伝令君のストーカーだな。 向かう途中にルインズの町があるのでちょっとだけ立ち寄ってから行くか…それにしても もう隠蔽が便利すぎて色々と感覚が麻痺しつつあるな…


ルインズに着いた時は まもなく夕暮れという時間帯で、組合は買取りを済ませようとしてる冒険者で混みあっていた。 

「やあ、久しぶり 何かおもしろい噂話とか仕入れたかい?」

「やー! トーヤさんおかえりなさーい。 んー特におもしろそうなネタは、今の所ないかなー。 それよりミラちゃんが心配してたよー? ちゃんと構ってあげてねー」

「構うって…ミラも子供じゃないんだから。 ああこれ差し入れね、 何か良いネタ仕入れたら教えてね」

「はーい 任せてねー」

カウンターにクッキーを置いた瞬間スパっと持ち去るジル…なかなかの早業だったな

「で、ミラは?」

「今日はまだ戻ってきてないと思うから 待ってれば来ると思うよー?」

「わかったよ それじゃあね」

軽く挨拶をして受付を離れ、食堂でエールを頼み人間観察を始めた



「ううー 調子に乗って狩りすぎたー 角うさぎとは言え、さすがに8羽はやりすぎだったかな 重い」

ミラは森から木で作ったソリのような物に角うさぎを8羽置き、引きずって町へ向かっていた

「でも8羽も売ればいい稼ぎになるし、今日の夕食はちょっと奮発しちゃおうかな! たまにはいいよね!」

戻っておいしい物を食べるという目標を掲げ、モチベを上げて町へと急いだ


「あっ!トーヤさん! 戻ってきたんだね!」

「やあ あれ? ここで見てたけど いつ入ってきた?」

「今日は荷物が多かったので裏口から搬入して買い取ってもらったの」

「そうなのか、 ま ちゃんと稼げてるようでなによりだ」

「今日は角うさぎ8羽も狩っちゃったから結構稼げたよ! このまま夕食しに行かない?」

「ああ 飯かぁ、 ミラに挨拶したら出発しようと思ってたんだよな」

「ええ?またどこか行っちゃうの?」

「ん? まだ終わってないんだよ。 これから帝国方面に行く予定だな」

「むー ご飯くらいいいじゃない? ちゃんと言われた通り訓練もしてるし、浅層で複数の角うさぎ相手に立ち回りの修行してるんだから少しくらい付き合ってくれてもいいと思います!」

「まぁそうだな んじゃ飯にするか。 だけど酒は飲むなよ?」

「わかった! んじゃ行こう!」


ミラと一緒に組合を出て近場の食堂に向かった


「用事の方は進んでるの?」

「そうだなー 途中で飛び込みの仕事もして稼げたし」

「おおー 稼いでるんだ。 ちなみにどのくらい?」

「ん? 大きな声じゃ言えないけど…金貨100枚」

「き!きん…むぐ」

「大きな声を出すな 目立つだろ」

今にも叫び出しそうだったミラの口を塞ぐ

「ごめんなさい… でも金貨100枚って、それだけあったらもう働かなくてもいいんじゃない?」

「金があったからって問題が無くなるわけじゃないからな、それに自分でやりたいことをやってるだけだから 働くのは何も問題はない」

「そうなんだぁ 帝国の方に行ったら次はいつ帰ってくるの?」

「まぁ相手次第だから、はっきりいって未定だ」

「早めに帰ってきてほしいな、 修行の続きもしてほしいし」

「なるべく頑張るよ」


食事を済ませ、少し話をしてから宿まで送り町を出た。 それから西へ飛び、伝令につけているマーカーを追う どうやら休んでいるらしく動いてはいなかった

「帝国との国境までまだ距離はあるし、チラ見だけして帰ろうかな… そうか、伝令にじゃなくて手紙にマーカー付ければいいのか そうすれば途中で運ぶ人間が変わっても追跡はできるもんな」

とりあえず伝令がいる所まで行ってみよう


国境の町サヴァールへと続く街道の途中で野宿している伝令を見つけた

「さてさて、手紙はどこかいなっと」

眠ってはいるが、物音一つでも立てればきっと飛び起きるのだろう。 がっちりと気配を消して探ってみると、懐に入れて抱えている手紙を発見、 そーっとマーカーをセット

やっぱり ただ走っている奴を上空から追いかけるだけってのはつまらないからね、手紙を読んだ陛下とやらの動向が分かればいいから 途中経過は放置しよう。 よし、帰るかな!

自宅へ向かって飛び立った


全然眠くならず、疲れることの無い体だとは言え 布団というのは心の休まる場所だ、ついつい布団に潜り込んで目を瞑ってしまう。とりあえず夜が明けるまでゴロゴロしていよう


夜が明け、 いつものように畑のお世話をし コカトリスの卵を亜空間倉庫に入れ、魔牛の乳を搾る。乳搾りも慣れたものでサクサクと終わらせこれも倉庫に。 寝かしてあった上澄みを掬いバターのためにシェイク!

ゴルドアプルを練り込んだクッキーを焼いてからアイシスの小屋に向かう

「おーい クッキー持ってきたぞ」

「いつもありがとうございます! とてもおいしくいただいております」

アイシスはクッキーを見せるととても良い笑顔をする、 元々美人な顔立ちなので こうまでにこやかにされると意外にグっとくるね。目の保養だわ

今日は家でのんびりしようかなっと   

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