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「おっ リーナ嬢が移動を始めたな 1人じゃないだろうし、人数次第じゃ全員拉致しちゃうか」

自宅でマーカーのチェックをしながら畑の雑草を抜いていた。 帝国方面に行った伝令はまだ王国内から出てないし、 リーナ嬢が先でいいな


畑のお世話が終わり、複数人拉致するかもしれないので、4~5人は詰め込めそうな籠を鉄で制作、檻のようにしようと思ったけど 空中を移動するので外が見えないように目くらにした。完成した籠のような物を亜空間倉庫に放り込んで、いつものように隠蔽をかけて空へと飛び立つ マーカーの所在を確認しながら王都へと近づく。


「んーあの馬車かな?全部で5人か…全員拉致るか どうせ帝国の軍人だろう」


上空で様子を見つつ、周囲に他の者がいなくなるのを待つ。 さてさて、どうやって連れていこうかな…やっぱりスタンガンのような電撃で気絶させるのが一番かな、そうしよう  

そうこうしているうちに 周囲の人影はなくなり、チャンスが訪れる。こっそりと御者のそばに近寄り電撃を放つ。 もちろん手加減はしてるよ!魔牛とかコカトリスを拉致するときに練習もしてたよ!

御者が気絶したのを確認して荷台の方に移る。 中には変装したリーナ嬢と男が3人座っていたのでバチバチっと電撃。全員が気絶したので馬を止める 馬と荷台を離してから人間は籠の中に、荷台は亜空間倉庫に入れ 馬は自然に返した

「よし、任務完了。 地図の場所に行くか」

籠を持ち上げたまま飛び立ち、進路をバートリー伯爵領に向ける



ルインズの冒険者組合 受付ジルがいる総合受付の窓口にはミラがいた

「トーヤさんがまだ帰ってこない…いつ帰ってくるんだろ」

「まだ出かけて4日しかたってないよー?訓練しなくていいのー?」

「訓練は毎日ちゃんとやってますよぅ」

「まぁ確かにねー トーヤさんがいないとクッキーもらえないのは困るよねー」

「それもあるけど!クッキーおいしいけど!」

「怪我したらきっと怒られるだろうから 狩りの方も安全にやってねー?」

「はぁい…行ってきます」

ジルに軽くあしらわれたミラは組合を後にする トボトボと門の方に向かい、今日も戦闘の勘を鈍らせないように狩りに出る

「ここで調子に乗って中層まで行くのはダメだよね! 角うさぎ相手じゃ修行してるって気にならないけど、トーヤさんにそう言われたし 生活費は必要だし頑張らなきゃ!」

門から町を出たミラは、南の森に足を向けた



さすがに籠を持ちながらだと高速で移動すると問題が起こりそうなので、控えめな速度で飛ぶ。 3時間ほどでバートリー伯爵領の領都に辿り着いた

地図を見ながら領都の東側、防壁の外側に砦のような建物を発見し降りていく。 砦の入り口には衛兵が立っていたので自身の隠ぺいを解き、話しかけることにした

「やあ、俺はトーヤっていうんだけど 伯爵に聞いてるか?」

突然現れた俺にびっくりした表情を見せるが、名乗った事で職務を思い出したようだ

「話は聞いています。どうぞ中へ」

「あー 荷物が大きいから門は全開にしてくれるか?」

そう言いつつリーナ嬢達を入れた籠の隠ぺいを解いて見せる。 またしても驚愕に満ちた顔するが、一瞬で持ち直したようだ

砦の門を全開に開けてもらい、籠と共に中に入った

「早馬にて伯爵様に連絡を出しますので、ゆっくりとお待ちください」

籠は門の中だけど、建物の中には入れず 外に放置して、案内された応接室で寛ぐことにした


2時間ほどダラダラしてると、馬車の車輪が回る音が聞こえてきた。どうやら領主一行が到着したみたいだな。 すぐに人の足音も聞こえてきた


「トーヤ殿、お疲れ様ですわ 早速ですけど荷物の方を確認させていただいても?」

「わかった、外にあるよ」

リーナ嬢荷物扱いですかそうですか。見た目綺麗な子なのに怖いね貴族令嬢って


籠の蓋を開ける前に、麻痺する程度の電撃を放り込み 中身…というか、拉致ってきた5人を外に出す


「リーナ嬢と仲間と思われる4人だ、 なにかしら情報が取れそうだと思って連れてきたよ。今は体が動かせないようにしてるから 拘束するならやったほうがいい」

「まぁ!まぁまぁ会いたかったですわ?リーナ様? では拘束してくださいませ」

目は笑ってないくせに素敵な笑顔で連れてきた兵に拘束するよう命じるアリーナ。 一緒にいるラジウスも黙って頷いてる

アリーナは兵の1人を連れ馬車に向かい、中から革袋2つを持たせて近寄ってくる

「確認が終わりましたわ これが依頼料の金貨100枚です。 おまけの4人分については後日でよろしいかしら?」

「アレはついでだったから別に構わないよ。 後、こいつらが乗ってた馬車もあるんだけど どうする?」

「見せていただいても?」


籠を亜空間倉庫に収納して 空いたスペースに馬車を出す。 伯爵家一行は籠が消え、新たに馬車が出てきた事に驚いていたが、馬車の中を物色する方が重要だったらしく 馬車に乗り込んだ

どうやら色々と荷物があったらしく、中身を砦の中に運ぶよう兵に命じて降りてきた

「ふふっ 色々と謎が解けそうでうれしいですわ。 トーヤ殿、昼食をご一緒にいかがです?」

「もうそんな時間か、せっかくだしいただこうかね」

「ではこちらへどうぞ」

アリーナに案内され食堂に向かったのだった

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