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一休みしてマーカーの位置を確認、 十分間に合う距離なのを見てから畑仕事… 

伝令はどうやら休まずに移動してたらしく、想定より少し早くクリモに着きそうだ。 このまま移動を続ければ昼には着くだろう

それじゃあストーカーしますかね!


隠蔽をかけたまま上空からストーキング 大地を走るとどうしても足音は消せても砂塵が舞うからね、一応用心してね。 しかしコイツ…すごい体力あるな、さすがは伝令要員ってところか 

そうこうしている内にクリモの町の防壁が見えてきた。 伝令君は町に入ると真っすぐ大きめの宿屋に入って行った

そのままこっそりと尾行し、伝令君が入っていった部屋に潜り込み隅っこでやり取りを見つめる


部屋には筋肉質の男が2人いて、いかにも冒険者風を装ってる感じだった

「緊急報告です これを」

伝令君が手紙を渡す

「なに?魔法が効かなくなっただと? ここまでやっておいて失敗など許されると思っているのか?」

「リーナには学園寮に戻って待機させていますが…どのような指示を与えればいいのでしょうか?」

「うーむ…魅了が解ければリーナ程度の女じゃ第二王子の気を引くこともできんだろ、捕まって拷問でもかけられたらまずいな ひっそりと撤収しろと指示を出せ。 そしてその足でここに連れてくるのだ」

「了解しました。 王都に潜伏している班はどうしますか?」

「半分はリーナとともにここに来るように、残りは今まで通り潜伏を続けろ。 陛下には儂の方から手紙を出しておく」

「了解しました。 では王都に戻ります」

「うむ」


伝令君の退室と一緒に外へ出て、マーカーを掛け直す そして陛下とやら宛の手紙を持った伝令にもマーカーセット。 追いかけるのは明日でいいから、いつぞやの獣人達を見つけて情報収集しよう。 あの准将とやらがここで何をしてるのかを 

あー先にリーナ嬢が撤収って話は伯爵家にしておいた方がいいな…報復するとか言ってたし 怖い怖い


まだ昼過ぎだし、急げば王都往復くらい楽勝だろ 王都に行くか…


王都まで飛んで行って 隠ぺいで見えないんだろうけど、一応建物の陰で着替えて仮面をかぶり 伯爵邸に向かった


門衛には顔パスで中に通され 応接室に入る。 先日と同じ侍女がお茶を出してくれたので 砂糖を小さじ2杯入れる

「失礼ですが、今 何を入れたのですか?」

侍女が話しかけてきた

「ああ、これは砂糖だよ 甘いの好きなんでね」

「砂糖だったのですか!ずいぶんと白かったので何かと思いました」

「売ってる砂糖は茶色だもんねぇ。 まぁ作り方が違うから白いんだよ」

「そうでございますか…」

感心したように頷いてる。 この世界で流通してる砂糖は全部茶色でとっても高級品だ 平民にはまったく手が出せないような物だった


応接室のドアが開き、伯爵家の面々が入ってきた

「思ってたより早くに来たな、何か進展があったのか?」

「ああ、例の准将とやらとの会談を覗いてきたよ」

「ほほぅ では報告をしてくれ」

「今、伝令がこっちに向かってる最中だけど リーナ嬢はこっそりと王都から脱出してクリモに向かうみたいだな。 あの准将が陛下に報告すると言ってたから、その伝令もこれから尾行する。 帝国だったら遠いから少し時間がかかるだろうな」

「アマンダ連合国には陛下と呼ばれる者は存在しないから、ほぼ帝国で確定だな。 アリーナよ、平民女はどうするつもりなのだ?」

「そうですわね…できれば人目に付かないように攫ってしまいたいのですが。 トーヤ殿、それは可能ですか?」

「ん? そんな事なら簡単にできるが… なんだ?俺に働かせるつもりか?」

「もちろんタダでなどとは言いません、リーナを攫ってきれくだされば金貨100枚出します。 この依頼を受けてもらえないでしょうか?」

「んー 正直そんなに深いとこまで関わる気はないんだけど… まぁ帝国のやり方は気に入らないからな。 受けてもいいぞ」

「では、その辺りも打ち合わせしておこうか」

ラジウスがまとめにかかる

「攫ってくる程度なら今すぐにでも出来るが…どこに連れていけばいい? 人目につかずにつれてこれるぞ?」

「それなら伯爵領で用意するのがいいな、その平民女が王都を出てから攫ってきてくれ。 我が領の地図を後で渡すのでそこに連れてきてくれ。 我々は明日にでも王都を発ち、現地へ向かう」

「ああ わかったよ、それじゃあ俺も準備があるからこれで失礼するよ」


地図を受け取って伯爵邸を出て学園寮に向かう、張り付くのは面倒なのでリーナ嬢にマーカーを付けて 動いたのを確認してからやろう


学園寮に着き、窓からリーナ嬢の部屋の中を覗き見る。 ベッドで毛布にくるまってるな… 一応本人かどうかを確認してからマーカーをつける

しかしアリーナ嬢はこの子をどうするつもりなんだろうな… いとも簡単に攫うとか口にするし、女の恨みは怖いねぇ

さてっと、王都での用は済んだから クリモに行って獣人達と飲んでくるかな

そのまま飛び上がり、クリモに向かって行くのだった


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