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ふむふむ 失敗すると殺されちゃうのか… これはやっぱり帝国が背後にいるって事で正解なのかな?

多分だけど、これで王国内を混乱させておいて、2年後に召喚されるであろう英雄の資質を持った者を使っての侵略戦争ってのが狙いかな…まぁさせないけどね


1人で考え込んでいると、リーナはどこにでもいるような平民服に着替え、その上から上質なローブを羽織って部屋を出た。 当然後をついていく


校門を出るとローブを脱ぎ、持っていたカバンに詰め込み いかにも平民が歩いてます!という状態で王都内を歩いていく。 中心部からどんどん外れていって王都の外門の手前で住宅街に入って行く 住宅街といってもボロ家が並ぶスラム街のような場所だ スラム街に入って少し歩いたところで、2階建ての民家の中に入った


「どうした?不要な接触は避けるように言ってあったはずだが?」

「大変なのよ!魔法が効かなくなってるわ!このままじゃ後4~5日もすれば魅了が解けちゃうのよ!」

「なんだと?なぜそんなことに」

「そんなのわからないわよ! だからこの後どう動けばいいのか指示が欲しいわ」

「うーむ…緊急連絡を入れるから大人しく指示を待ってくれ」

「わかったわ 急いでよね」


手短に会話を終えるとリーナはさっさと戻っていく。 

この緊急連絡とやらを確認しない手はないよね。 いやー隠蔽便利すぎるわ さっきも目の前で普通に着替えられたし… しかしあのリーナ嬢 どんだけ贅沢してんだ。 腹の肉が…


2階建ての民家にいた男が手紙を書いて近くにいた男に渡す

「急ぎだ クリモに滞在している准将殿に渡し 返事はその場でもらって戻ってきてくれ」 

「わかった すぐ出る」

手紙を受け取った男は 背負い袋に干し肉と水袋を入れて民家を出ていく


「ふむふむ、王都からクリモの町なら急いでも2日はかかるな。 魔法でマーカーつけといて明日追いかけるとするか。 しかし准将か、軍の役職だよな…って事はやっぱり帝国が絡んでるとみて良さそうだな。 アリーナ嬢に教えてやってから王都を出るか」


その頃アリーナは、部屋の窓を開け放ち 侍女を部屋の外に待機させ、さぁ来い!とばかりに待ち構えていた。

手早く連絡を済まして寮を出たかったのだ


「おっ?窓が開いてる…」

スーっと窓に忍び寄り中の様子を探ると、ティーカップを手に 優雅にお茶をしているアリーナがいた


「なんだか待たせたように見えるけど?」

隠蔽を解かないまま声をかけたら 一度ビクっと大きく動いて周りを見渡すアリーナ

「いるのですか? できれば姿が見えた方が安心できますの」

先日と同じように手拭いで顔を隠し隠ぺいを解く

「これでいいか? これなら変装の道具も考えなきゃいけないな」

「こちらから一つよろしいです?」

「ん?なんだ?」

「実は、貴方と連絡が取れたらこの寮を出て王都邸に行くことが決まってますの」

「おお、そうかそうか じゃあ次からの連絡は王都邸でって事か?」

「はい、それで一度、我が家に招待したいのですけど 受けてくれます?」

「招待って、それに何か意味があるのか?」

「静かに騒がず 貴方の邪魔にならないように動くには、もっと詳しい話ができればと思ってますの。 もちろん私の父も同席したいと」

「なるほどね 俺の邪魔にならないための配慮って口実だね?」

「まぁ…そこは否定できませんが」 

「まぁいいか それならいつにする? 俺は明日から少し王都を出るんだが」

「何か掴めたって事ですの?それなら今日これからでも構わないですか?」

「ああ、それでいいよ まぁ急な話だし、夕刻の鐘が鳴ったら伺うよ」

「我が家の場所はすでにご存じ…という事ですか」

「いや?知らないけど アンタの魔力は覚えたからね、それを辿れば問題ないよ」

「魔力を辿る…ですか やはり恐ろしい方ですね。 ではそれでお願いしますわ では、この招待状を我が家の門衛に見せてくださいまし、話を通しておきますわ。。私もこれから寮を出るので失礼しますわ」

「あいよ それじゃあ後でな」

そう言い残して隠ぺいをかけ外に出る。 


変装グッズ…急に必要になったな 商店でも見に行ってみるか。 仮面でもいいしな

物陰で隠ぺいを解き 歩いて商店や露店の並ぶ区画へ向かう。 歩きながらマーカーを付けた男の動向も探っておく 移動中だな…この移動速度ならやはりクリモまで2日はかかるな

今は大体午後2時って所だ 夕刻の鐘は大体午後6時くらい。正確はどうかはわからないけどね

時間はあるので変装グッズでも探すとしますか


商店を色々と見て歩くと…やはりというか 仮面舞踏会というのが存在しているらしく、貴族向けの店で仮面を見つけた。仮面といっても顔の上部を隠すだけの物で、まぁ例えるなら赤い彗星のようなアレだ

色々と物色をして…まさに赤い彗星のような仮面を見つけ購入。 くそっ こんなので金貨1枚もするのかよ! まぁでも、いかにも強盗です!的な手拭いを巻くより遥かにましだった

貴族の家に行くなら、いかにも冒険者ってスタイルもきっと問題だよな…魔虎の皮で作ったパジャマ代わりに使ってる服でも着るか。 魔虎の皮だけあって見た目は上質に見えるからな うん、そうしよう


 

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