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「と、いうわけで 数日こっちにこれなくなったから 南の森の浅層で角うさぎを相手に修練を積んでいてくれ」

「と、いうわけってどういう訳ですかー! トーヤさんと狩りに出ると安心だしすごく楽しかったのに」

「いやいや、もうルインズに来ないって言ってる訳じゃないよ。 ただちょっと急いでやらなきゃいけない事ができたから、先にそっちを片付けるって話だよ」

「数日ってどれくらいなの?」

「うーん 敵の行動次第だから何日って確約はできないんだよな」

「敵?敵って誰? なんか危ない事するの?」

「まぁ敵って言えばわかりやすいかなーと思って例えただけだよ、 それに危険ってわけじゃないしね。 ただ王都に行かないといけないから時間がかかるのさ」

「私も行く!」

「無理だな」

「なんで?やってみないとわからないでしょう?」

「やらなくてもわかるよ、 敵に気づかれずに後をつけたり…とかできないだろ。 ま、もう少し強くなってくれれば使えるかもしれないけど、今はまだだな」

「ぐぅ… わかった ちゃんと修行すればいいんだね?」

「中層まで行くなよ?猪狩っても運べないだろう 角うさぎで今までの復習をしておいてくれ。 戻ったら確認するからな」

「わかったよぅ 無事に戻ってきてね?」

「もちろんだ」



組合で別れ、トーヤは町を出て行った。 ミラは門を出て姿が見えなくなるまでトーヤを見送っていた

「トーヤさんって一体何者なの? 敵とか後をつけるとか…狩りに出ても狼を素手で殴りつけるとか、信じられない強さだし」

トーヤの後をつけてみたいという思いに駆られるが思いとどまる。 怒らせたら取り返しがつかなくなりそうで…

「むー!考えてもわかんないや! 言われた通り強くなるために頑張るしかないか…そうすれば少しは信用してもらえるかもだしね」

考えるのを止め 角うさぎを狩るために南の森に向かうのだった



朝一でルインズの町を出て、北に向かって小走りで駆けていく。 周囲に気配が無いのを確認してから自身を隠蔽し空へと飛び立つ 

「さてさて、それじゃあ王都に乗り込んでみるか。 最低でも顔だけは確認しとかないとな」


隠蔽したまま王都を視認できるところまで着いてから着陸。 徐々に隠蔽を解きながら王都に向かって歩き出す。

「着地点、ちょっと遠かったかな…普通に歩けば王都に着くのは昼くらいまでかかりそうだな、 まぁいいか」

王都に近づくにつれ、いつの間にか馬車は馬車で 人は人で列が出来、行列を作ったまま王都の門に辿り着いた。 王都での入場税は1人銀貨5枚 えらい高いな… ただ冒険者組合の証明書を見せると税はかからないそうだ。そりゃそうか、 王都に物資を運んでくる商人や、その護衛に対していちいち税を課してたら誰も来なくなるしな

「さてと…まずは組合にでも行ってみるか」


王都の組合は冒険者よりも商人の方が多く、冒険者としての仕事は護衛ばかりだった。 組合の規約により、護衛の仕事は最低でもDランク以上となっており 他所の地域でランクを上げた冒険者が集まってきてるらしい。 王都の周囲は平原で見通しが良く、魔物の類はあまり近寄ってこないため 冒険者の仕事は盗賊に対する物が多い。 王都を離れて地方に行けば魔物も増えるため、地方に盗賊はあまりいないそうだ

露店を巡り買い物をしながら情報収集、やはり噂話は大好きなようで 放っておくと聞いてもない事も喋りだす露店のおばちゃん…

噂の第二王子はシグルド殿下というらしい。 婚約破棄された令嬢がアリーナ伯爵令嬢、そして魅了の疑いのある平民娘リーナ嬢。それぞれ学園中等科の3年生で14~5歳らしい。 そして第二王子の取り巻きはテンプレなのか、宰相を務める侯爵家の次男と第二騎士団長を務める伯爵家の次男。 それぞれの家の長男は第一王子の取り巻きらしい

「とりあえずリーナってのを見てみないとな。 闇属性の魔法って事だから実際使っていれば魔力を感じる事はできるだろう」


露店のおばちゃん情報によると、学園の生徒は皆 寮に入ってるらしいので、一度組合に入り トイレで自身を隠蔽してから外に出て空から寮に向かう。 今は昼を過ぎた時間なので、まだ授業中のようだ

俺の隠ぺいを見破れるほど魔力感知に優れた魔法使いはどうやらいないみたいで、誰も俺の姿は見えないようで安心した

「学校かぁ 懐かしいようななんというか… 雰囲気は似てるけど校舎の作りはなんか違うな」


潜り込んで数十分 授業が終わったらしく生徒達が教室からぞろぞろと出てきた。

「おおう、生徒全員同じ制服なのに、一目で王族だってわかるようなキラキラした装飾を付けてるな…アレが第二王子だな。 って事は、隣で侍っているピンク髪のやつがリーナってやつか」

確かにシグルドと2人の取り巻き、目に力がないというか操られてる感満載だった。 そして確かにリーナから微量だが魔力が流れていた

「これは確定だな よっしストーカーの時間だ! リーナが1人になるまで尾行しよう」


その後はサロンでお茶会をした後、日が暮れる少し前に解散して寮に戻った


寮の部屋でシグルドに買い与えられたと思われるドレスを見ながらルンルンしているリーナに対し、魔力を遮断する魔法を装飾ではなく その体に直接かけていく

これでもう魅了の魔法は相手に届かなくなるな まぁキスでもしながら魔法使われたら効いてしまうかもだけど…多分大丈夫だろ さて、次は可哀相な伯爵令嬢のアリーナをフォローしてやるか

いまだにルンルンとドレスを鑑賞しているリーナをチラ見した後に部屋を出て行った


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