表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/92

3

多少ビビリの俺は 地上から目視しにくいほどの上空を飛んでいた

なんだろうコレ…魔力の高ぶり方がユグドラシルと戦った時よりすごいんだけど


そして気づいた 先ほどの濃厚なキスを 

そいや魔力を供給されてたな…もしかしてその分加算されたのかな?


その通りだった

全ての世界で最強クラスの全力を2人分受け取っているのだから まぁ魔力量だけなんだけど

戦闘力に至っては、やはりそれぞれの王は実戦経験も豊富で 魔力量が2倍あったとしても勝てないだろう


とはいえ、やはり膨大な魔力量は間違いなく俺の能力の底上げをしているようだ

なんだか視力もすごく良くなったし かなり上空にいるのに地上の様子がよく見える


無人島から東の方向に進むとすぐに大陸が見え、そこから高度を上げて探索を始めた

茶色い大地で岩がゴロゴロしている…昔写真で見た火星の大地みたいだ こんなんじゃ人なんて住んでないだろうなーと考えながら飛んでいると、期待を裏切られ 集落を発見した


「おおおお 異世界の第1村人発見ってか?」

どれどれと観察を始めると 集落の奥側に川があり、そこから水を引いてるっぽい畑がいくつもあった

「うーん こんな土地で何が作れるんだろうな 農業は全然詳しくないからなぁ。 よっしゃ、もっと他の土地も見てみよう」

翼持ちの魔人族の機動力を満喫しながら集落から伸びている街道?獣道?みたいな跡に沿って移動開始した

途中で日が暮れたため、一度降りて夜明けを待つ。 やはりつい先日まで人間だったので、夜は休むものという習慣は抜けていない


特に何事もなく夜が明け また飛び立つ


1時間ほど東に進んで…といっても 移動速度が尋常じゃないので距離的にはかなり進んだが、やっと防壁に囲まれた大きな街が見えた

とりあえず発見されないように高度を上げながら観察する


「うーん 街だ 王都レベルの街だねきっと」


街の中央にはお城と思われる巨大な石造りの建築物 それを囲うように防壁→住宅地っぽいの→防壁→住宅地っぽいの…と円形に街造りがされている


うーむ…降りて探索したい衝動に駆られるが いかんせん今の見た目はどう見ても悪魔 魔力を切り替えて天使バージョンで降りたとしても大騒ぎになるだろう

ろくに話も聞かないで武器を向けられるんだろうな…


ここで騒ぎを起こして嫌な印象を持たれるのはつまんないしきっとストレスになるだろうな

ここはアレか どこか山奥とか森の奥に一時的に拠点を作って、翼とか見えなくする魔法とか探ってみた方がいいかもな

それに…下手に現地人と関わるより 地球でいう仙人的なポジションで、知る人ぞ知るって存在の方が悪印象はないだろう よし決めた! 王都っぽい街からから離れてまずは拠点だ!


と、いうことで 北に進路を取り、周辺に町や村がない土地を探してみた


翌日


「ここを拠点とする!」

見渡す限り森林 大森林のだいたい中心部の上空にいた

この大森林の中は他の土地と比べて、周囲の空気に混ざった魔力が濃く いかにも強そうな魔物 虎っぽいのとかゴリラっぽいのとか、あげくに根っこを足のように使って動いてる木までいた RPGなんかでよくいるトレントとかってやつだろう

ここならへたな人間は来れないだろうし、魔物が相手なら多少脅かせれば近づいてこなくなるだろう


「それじゃあ作業を始めるかな!」


それから数日、木が倒れる音が響き 魔法で土が掘り起こされる時の振動により大地が揺れ 初日だけそれに釣られて魔物が現れたが、 現れて作業の邪魔をする魔物を調教…まぁただ致命傷にならないように殴っただけだが それがすぐに効果を表し、近づく魔物はいなくなった


「ふいー魔法とは便利なものだな 防壁も出来たし、森の中を探索して果物がなってる木を探そうか」


魔法の基礎はユグドラシル戦の前にヴァイスから習っている 土を操る物 大気を操る物 水や火 使い方次第で科学技術を軽く凌駕する効果を発揮する

探索中にりんごっぽい実を付けてた木を10本ほど魔法でキレイに引っこ抜き 防壁の中に植える

見た目はりんごだけど色が金色でツルツルピカピカしてる 食べてみたけどこれがとても美味しかった

魔力を含んでいるらしく、体を巡る魔力が一時的に活性化されたような感じだった


土地を広げるのに伐採した木材で自宅を作り出す 日本では建築土木の仕事をしてたので、浅いけど広い知識があったため、本職の大工には遠く及ばないが大きめなログハウスが出来上がり、通路や外構などの工事も行い 日本人なら憧れそうな高級避暑地みたいな仕上がりになって非常に気に入った


「さーてこれから魔法の勉強だな イクシードからもらった魔力をベースに纏うと角が消えて翼が白くなるから 翼だけ見えなくなるような何かを考えないとな」


近未来アニメとかでよくある光学迷彩的なやつを翼にかけるのが理想か…光学迷彩ねぇ 理屈がわからん

 

とりあえず今まで培った常識がどこまで利用できるかわからないけど、会社員で人生が終わる予定だったのを考えると 魔人になった今、寿命は人間より遥かに長いらしいので 生きる楽しみを見つけて謳歌しないと、生きるのに飽きそうだ


時間もあるし色々考えようか


こうして新たな生活が始まった

余談だが、時間の概念の薄い4人の王達…急いで引継ぎをすると言ってたけど遅々として進んでいなかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ