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明けましておめでとうございます。

しっかし魅了魔法か ホントにあるんだな。一応帰ったら解除の方法をアイシスに聞いてみるか 第二王子とか国の中枢が乗っ取られるってんなら国は荒れるだろうし、帝国みたいに獣人に人権はない!とかってなったら気分悪いしな

「お、おはよう…」

「おう この酔い潰れめ」

「ごめんなさーい なんか楽しくて飲みすぎちゃった」

手を合わせて謝罪のポーズを取るミラ

「いやいや エール2杯程度で飲みすぎも何もないだろう 色々と修行が足りないな!」

「いやー面目ない」

「まぁいっか んじゃ森に行こうか、 今日はもう少し奥まで行ってみようと思ってるけど」

「わかったよ! よーし行こう!」


今日は背負い袋に空間魔法を施して容量を増やした物を用意してミラに持たせた

「これは見た目はボロい袋だけど、世間でいうマジックバッグの能力を持っているんだ。 といっても見た目の3倍くらいしか入らないけどな」

「えええええ? そ、そんな高価な物をどうして?」

「ん? ただ貸してやるだけだよ? 重さも結構軽減されてるはずだから歩くのに支障も少ないし、使える物は使っておけって事だよ」

「うえええ 壊さないようにしないと弁償が怖いんですけど!」

「話せば長くなるけど、これは袋に空間魔法を付与してあるから 袋が壊れても別の袋に付け替えが可能なんだよ」

「いや、よくわかんないけど壊さないようにする」

「うん、それでいいよ ただこの件は当然だけど誰にも言うなよ?」

「わ、わかってるよ… こんなの持ってるなんて知られたら襲われて奪われちゃう」

「まぁ大丈夫だ。 見た目があまりにも普通だろ? わざとだけどな!」

「なるほどぉ でもこの袋、背負いやすいよね。なんか安定感がある」

「まーね、俺が作ったものだし 背負いながら戦闘する事も考えてるんだよ。 もし何かから逃げるような事があったとしても荷物は置いていきたくないだろ?」

「それはねー 確かに」

「よし、そろそろ周囲の警戒を怠らないように。 奥に行くぞ」

「はーい」


森の中を進みながら 目に付いた角うさぎなんかは狩ってしまっておく。 南の森の中層に入り 生態系が変わってくる、中層から猪や狼が出てくるのだ。 猪は角と毛皮、肉 狼も毛皮と肉がそれなりに売れる ただ、ルインズで生計を立てるような冒険者のレベルだと、この猪と狼を綺麗に倒す事は難しいようで 傷の少ない毛皮は高値で売れるのだ。

猪は当然のようにダッシュで突撃してくるが、親子以外は群れないので大木などを背後に背負って突撃を躱せば 角が木に刺さって動けなくなるという攻略法が確立している。

とはいえ、突撃を回避できなければ意味はない。 それなりに動きが早いのだ

狼は基本3~5匹と群れるので難易度は高い。 ミラのように角うさぎを卒業したばかりの新米だと遭遇すれば命の危機である

それを知ってか ミラは緊張した表情で周囲を警戒する

「緊張するのはいいけど、体は柔軟に動けるようにな。 ミラなら猪は余裕で躱せると思うけど、立ち位置をうまく利用できるように大木も探しておくんだ 遭遇したら利用できるようにね」

「うん わかった。 狼の場合は?」

「そっちも心配するな 1対1で戦えるように俺が邪魔をするから」

「んー それなら狩ってくれればいいのに」

「ミラの修行だっていっただろ? 命大事に、怪我はしないように そのためには強くなって負けないようにすればいいんだよ」

「うー わかったよ」


その後 狼とは遭遇せず、猪を1匹仕留めるのに成功した。 予定通り太目の木を背にして誘き寄せ、寸前で躱し木に角を差し込ませて安全にとどめを刺した

さすがにこれを背負い袋から出して買取させるのは問題なので、落ちている枝と蔓を使いソリのような物を作って引きずり町へと戻った

まぁ4~500㎏ある猪を俺が引きずる姿もどうかと思うけど、少なくとも持ち物に関して変な目で見られることはないだろう


「ロスターさーん ちょっと中に入れられないから見に来てほしいの」

「おや、お疲れ様です。 獲物はなんですか?」

「大きめの猪をそのまま持ってきたの!」

「ええ?そのままですか? 一体どうやって…」


俺が組合の外で待っていると、ミラがロスターを呼んで外に出てきた


「これはまた大物仕留めましたね 裏口から解体所へ入れてもらっていいですか?」

「はいよー」

ガリガリとそりを引きずる音を響かせながら裏口へと向かう

「これはすぐ査定できるのかい?」

「いや…これは明日の朝以降にお願いしたいのですけど」

「わかったわかった それじゃミラ 明日の朝以降に受け取っておいてくれ 半分はミラの取り分だから使ってもいいぞ」

「ええー トーヤさん帰っちゃうの? 今日は泊って行けばいいじゃない 私が泊まってる宿、安いよ?」

「色々とやる事があるんだよ それじゃあロスター君、後はよろしくね」

「了解しました」


解体所に猪を放り込んでミラと一緒に組合を後にした


「今日はあんなに大物運んだんだし疲れてるでしょう? ゆっくり休もうよ~」

「うーん? まぁたまにはいいかもな」

「でしょー! それじゃあ夕食にしようよ もうお腹すいちゃって」


2人で露店の並んでいるエリアへ向かって歩き出す

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