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アイシスから聞いていた隕石の落下地点付近の上空に来ていた 魔の森からずっと南下し、この世界の南極に近い所だ。 うん、つまり寒い 所々に流氷が漂っている

大きめの流氷の上に着地し、海水に触れてみる…こりゃ冷たい でも全身を魔力でコーティングするとかなり軽減されたので気合いを入れてダイブ

ぐんぐん潜っていく 魔力でコーティングしてるからそんなに感じないが、普通の人間ならとっくに水圧で潰れているだろう深度 すでに太陽光は届いてなく真っ暗 おっと海底が見えてみた


たしかにクレーターっぽい直径5㎞くらいの窪みがあった 2~300年くらい前に落ちたって言ってたから、海流で流されてきた砂やなんかで埋まってしまったんだろう

いやーこの状態で隕石を探すのか…大変そうだけど頑張るか


クレーター内を4時間ほど探索して、ようやくバレーボールくらいのサイズの隕石のかけらを3個見つけた。 やはり海底で2~300年放置されていたから沈殿物が多すぎて、目視ではとてもじゃないが見つけられなくて 魔力で探知して違和感を感じた物を調べると 隕石っぽいかけらだったのだ


「これ以上探すのはアレだ モチベが足りないな。暗いわ冷たいわ嫌になった もう帰ろう」


しかしこんなサイズの隕石が海上に落ちたなんて、大規模な津波災害が起きただろうな。 よく滅ばなかったもんだ

自宅へ戻り 手に入れた隕石のかけらを魔力で選別を始める。バレーボールサイズ…直径20センチくらいの塊が3個、これから3分の1程度のオリハルコンを抜き取ることが出来た

残った素材にミスリル程じゃないけど魔力の通りが良い鉱石も含まれていてなかなか硬そうだったので試しにナイフを作ってみたら、藍色でなかなか綺麗な刀身になったのでこれも確保決定。


とりあえず鉄を使って自分用の刀の試作を始める。 さすがにぶっつけ本番でオリハルコンを使ったりはしない  

まずは刀の規格を決めないとな 剣道やってた時の竹刀は3尺8寸だったから、それくらいでいいのかな。 まぁ竹刀だから3尺8寸の長さでも振るえたってのもあるんだろうけど

居合をするんなら、刀の反りとかも考えなきゃいけないのか…どのくらい反ってたら抜きやすいのかねぇ、ま、実際やってみるしかないか


いそいそと試行錯誤を繰り返してるうちに約束してた日がきたので、朝一でルインズの町に向かう 

ロスター君と話をしながら素材の買取をしてもらって空いているテーブル席に着く、朝から人間観察をしながらボケーっとしているとミラが入ってきた

「おはようミラ」

入ってきてキョロキョロしてるミラに声をかける

「あ、トーヤさんおはよう! 今日もよろしくね!」

うん、相変わらず元気な娘だ 

「それじゃあ南の森にでも行ってみるか」

「はーい」


森に向かって歩いていると ふと違和感に気づいた

「あれ? 二刀流してなかったか?」

「あはは…1本折れちゃったの 元々良い武器じゃなかったしね」

「それは俺も思ってたよ。あんな武器で大丈夫かって」

「いやーでも武器って高いじゃない…なかなか良い物には手が出せないのよ」

「よっし じゃあこれあげるよ。 そうそう折れないはずだから上手に扱ってくれ」

先日作った短刀2本を出してやる

「ええ?これ…結構いい武器なんじゃ?」

「これは俺が作ったやつだからな、そこそこ自信あるぞ?」

「えええ?武器も作れるの? すっごい多才なんだねぇ」

「最近良い素材が手に入ったから鉄の装備なんていらなくなったんだよ、まぁ使わないって言うなら仕方がないけど」

「いや!ありがたく使わせていただきます!」

「ああ、そうしてくれ」


いそいそと装備の付け替えをするミラ 今まで使ってた鞘に収まるのを確認、二刀流の復活である

「重さはどうだ? 使い勝手が悪いんなら無理しない方がいいんだけどな。 利き腕に今まで使ってた短刀を使うとか工夫が必要になる」

「いや大丈夫、 いい感じだよ? 早く使ってみたいな」

「森に着いたら角うさぎ相手に実践訓練するからすぐ使えるよ」

「わかった! でもさ…訓練と聞くと気持ちが萎えるよね」

「いいじゃん 訓練しつつ稼げるんだもの」

「まぁそうだけど…気分の問題だよ」

「訓練を疎かにするようじゃ長生きできないぞ」

「はーい。 でもトーヤさんって 時々ものすごくおじさん臭い事言うよね」

「なんとでも言ってくれ」


森へ入り角うさぎを探し、戦闘訓練を繰り返す。 複数出た時だけ俺が間引いて1対1、もしくは1対2の状況で戦わせる。 4日前に比べるとずいぶんと良くなってた、 重心は下がり 回避の姿勢も良くなって反撃も速い

「よしよし いい感じだな 疲れはどうだ?」

「大丈夫だよ! 角うさぎなんて余裕だし!」

「角うさぎ程度でそんな偉そうにすんな」

ミラの頭に軽くチョップを落とす 

「は~い」

「荷物も多くなったしそろそろ戻ろう」

俺が合計7羽の角うさぎを紐で括って担いでいる、これだけで結構な稼ぎになるし なによりうさぎのくせに大型なので重いのだ。 

「ふふふっ 7羽も狩れたの初めて! 1人じゃとてもじゃないけど持てないしね!」

「じゃあ1羽だけ持って周囲を警戒しながら撤収だ」

「6羽も持って大丈夫なの?」

「俺は鍛えているからな」


解体手数料を引かれて1羽銀貨2枚 合計14枚を山分けして7枚ずつ分ける

「ひゃぁ 今までで一番の稼ぎになったよ! ちょっと乾杯していこうよ!」

「しょうがないな」

俺達は組合に併設されている酒場に向かったのだった   

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