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しかしミラと南の森に入るのは良い経験かもしれないな 一般的な冒険者のレベルを知るために

まぁミラは角うさぎにやられてたって事は、FランクじゃないにしてもせいぜいEランクって所だろう。薬草だけじゃ貢献度上がらないからな

ミラの動き方を見て、戦い方の参考にしよう。 普段の俺みたいに魔虎を素手でパンチするなんて絶対しないだろうからな、魔法に関しても色々聞きだしてみよう


ふっと受付の方を見るとジールがニヤニヤしながら来い来いと手を振っている


「なにかあった?」

「いやー ミラちゃんとデートするのー? お姉さん気になるなー」

「デート?ちょっと狩りに行くだけなんだけど」

「ミラちゃんは良い子だしー 余り信頼のできない人とパーティ組んでほしくなかったのよねー でもその点トーヤさんなら安心だしー? ちょっと面倒見てあげてくれないかな?」

「ええ?鍛えてやれって事?それは本人の意思にもよるんじゃないかな」

「いやー トーヤさんになら喜んでついてくると思うんだよねー もしそうなったらよろしくしてあげてねー?」

「ああ、考えておくよ」


娯楽の少ない世界では他人のあれこれは楽しいんだろうな。ジールがものすっごく良い顔してる…

さて、テーブル席に戻って待つとしますか


「それで、ミラは何ランクなんだ?」

「私はEランクだよ ちょっと前になったばかりだけど」

「ふーん 俺と大差ないんだな 俺はDランクだし」

「おおお…やっぱりAランクとか目指してるの?ダンジョンにも興味あるみたいだし」

「いや? Dランク以上上げる気はないよ。Dランクまでなら貢献度で勝手に上がるけど、Cランクになるには試験があるって聞いてるから 試験受けなければずっとDランクのままだろうしね」

「えーなんでー?ランク高い方が報酬の良い依頼受けれるじゃない」

「いやいや、Cランク以上になったら指名依頼とか強制依頼とか受けなきゃいけなくなるだろ…そんなの面倒なだけだし」

「えー そんな理由で…」

「十分理由になるだろ 俺は自由に生きたいんだよ」

「Cランク以上の人でも結構自由に生きてると思うんだけどねぇ」

「いいの! まぁそんな事より、ミラはどれくらい戦えるんだ?」

「えっ? …角うさぎくらいなら余裕だし!先日のはただ油断してただけだし!」

「その油断がダメなんだけどな… まぁいいか とりあえず角うさぎでも狩るか」

「了解だよ!」


合流したミラと話しながら南の森へと向かう。 見たところ短刀?ダガー?みたいな武器を二刀流で戦うようだ 素早い動きは可能なんだろうけど、リーチが短いのが不安要素だな

森に入り魔力の流れを探る。 角うさぎはぶっちゃけ雑魚なので、あまり魔力を持ってなく 魔力での探知にはあまり引っかからないので困る

他の探知の仕方を考えないとダメだな… 俺だけなら角うさぎ程度なら角で刺されたって服が破れるだけで済むけど、俺と一緒にいてミラが怪我~なんて事になったらジールあたりが騒ぎそうだ


「おっ 角うさぎが1匹いるな。 ちょっとアイツを狩ってみてくれよ、それを見て奥に行けるか判断するから」

「よーし あれくらい余裕なんだから!」

持っていた短刀を逆手に構えて前に出ると 角うさぎもこちらに気づいたようだ


角うさぎが走ってきてジャンプしながら角を突き出す。 体を左にかわしながら右手の短刀で角を受け、左手の短刀で角うさぎの体を斬りつける

それを3回くらい繰り返したところで角うさぎは力尽きて倒れた。 うん、動きは遅いし姿勢も悪く 斬りつけても力が乗らないからダメージもそれほど与えられず、戦闘時間も長くなり、体力的に複数の獲物を狩ることが出来ないって感じかな

これを鍛えろって言うなら毎日走り込みしなきゃだな。角うさぎの攻撃をちゃんと躱せてるから、重心を下げての体の動かし方を覚えるだけでかなり変わるだろう 


「これは…皮は売れないな」

「うう…」

「よし、1回森を出よう」

「え?もう終わり?」

「今見た感じだと危なっかしいからね、少し訓練が必要だと思ったんだけど」

「訓練かぁ 辛いのはヤダなぁ」

「何言ってんだ 今よりもっと強くなれば安定して狩れるようになるんだよ。 強くなれば当然怪我も減るしな」

「うー わかった」


森から出て安全な場所まで来たら訓練を開始した。 まぁ訓練といっても専門的な知識はないので、体の壊れやすい可動部分、肘、膝、肩、腰、足首、アキレス腱などをほぐすストレッチをやって、腰を落としての反復横跳びを少しやらせてみた


「ひー これ辛いよー」

「腰を落として動けるようになれば、角うさぎの突進を回避したときに安定した体制を保てるようになるよ そうすればもっと力の乗った攻撃ができるようになって、もしかしたら一撃で終わるようになるかもしれない」

「一撃…かぁ」

「うんうん だからこれ、これから毎日の日課にしてね。 継続しないと身につかないから」

「ま、毎日?」

「そう ストレッチは朝起きた後と狩りに出る前に。 横跳びは帰ってきてからね 狩りに行く前に疲れてたら意味ないから」

「わかったよぅ」

「大丈夫大丈夫、ちゃんと続けてれば身体能力は向上するよ さて、んじゃ町に戻るか」

「うん!」


2人は町へ戻り、 ミラは汗を拭いて着替えてくるとの事で 組合で待ち合わせとなった

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